• 検索結果がありません。

L Gap

6. 結論

115

6. 結論

本論文のまとめ 6.1

本論文では、ミリ波帯でスペクトラムアナライザのプリセレクタとして使用できるチュ ーナブルフィルタの開発、低損失化技術、広帯域化、高周波化技術による高機能化を目的 としている。このため、本研究では、①FPWフィルタの提案とシリコンミラーによる実現 法の研究、②FPW フィルタの低損失化技術の研究、③FPW フィルタの広帯域化技術の研 究、④FPWフィルタの高周波化技術の研究を研究課題とした。以下に、本研究の各章にお いて得られた成果を要約する。

第 1 章では、まず、近年の移動通信の発展に伴うモバイルトラヒック増大に対する要求 と、無線システムの高機能化からミリ波帯・テラヘルツ帯の利用が重要になっていること を示した。さらにミリ波帯の無線システムの開発のためには、高機能なスペクトラムアナ ライザが必要であり、その鍵がプリセレクタとして用いるチューナブルフィルタの実現に あることを示した。さらに、チューナブルフィルタについて概要と、現状の課題を示すと ともに、本研究の目的と意義、波及効果について明らかにした。最後に、本論文の構成に ついて説明した。

第2章では、従来の課題を解決できるFPWフィルタを提案し、その動作原理をファブリ ペロー共振器の理論とシミュレーションにより明らかにした。さらに、半導体製造技術を 応用したシリコン部分透過鏡を用い試作機を設計・製造し、その評価結果より広帯域な周 波数チューニングが可能であることを実証した。

第 3 章では、FPWフィルタの挿入損失増加の原因をシミュレーションにより解析した。

さらに固定フィルタの実機評価より、ミリ波帯における金属材料のシミュレーションに適 用すべき定数を明らかにした。これらの検討結果を反映した試作を行い、挿入損失の低減 の効果を実証した。

第4章では、FPWフィルタの可動導波管にリッジ導波管構造を用いることで、周波数可 変幅を導波管フルバンドに広げることができる可能性を示した。また、実機による検証に より本技術の効果を示した。さらに、実測とシミュレーションの比較による検討により、

製造上での留意点についても示した。

6. 結論

116

第5章では、300 GHz帯のFPWフィルタの設計を行った。機構設計上必要な寸法に留 意しながらシミュレータにより設計結果の検証を行い、300 GHz帯に置いてもFPWフィ ルタを実現できる見通しを示した。

第6章として、本結論を示した。

将来展望 6.2

以上、本論文では、「ミリ波帯チューナブルフィルタの高機能化に関する研究」と題し、

上記に述べた問題点を解決するために、FPWフィルタの提案とシリコンミラーによる実現 技術、FPW フィルタの低損失化技術、FPW フィルタの広帯域化技術に関する研究成果を 示した。

本研究で得られた成果は、第 1 章でも述べたように、ミリ波帯のスペクトラムアナライ ザの実現に留まるものではなく、信号発生器等の各種測定器の実現やこれらの測定器を用 いた無線システムの開発を大きく後押しするものであると考える。さらに、FPWフィルタ はミリ波帯以外でも実現の可能性が高く、今後テラヘルツ帯への応用も想定される。

このため、今後は本研究成果が、無線システムのさらなる高機能化の実現や、電波資源 の有効活用に寄与することを期待する。

6. 結論

117

謝辞

本論文は,著者がアンリツ株式会社 R&D統轄本部R&Dセンターで進めてきた研究を まとめたものである。研究成果を完成させるにあたり多くの方からご指導、ご助言をいた だいた。

本研究の遂行ならびに本論文を纏めるにあたり、格別なるご指導、ご鞭撻を受け賜わり ました日本大学大学院理工学研究科 電子工学専攻 大谷 昭仁教授に深く感謝申し上げ ます。

本論文を纏めるにあたり、電子工学専攻 三枝 健二教授、電子工学専攻 作田 幸憲教 授には貴重なご教示をいただきました。ここに、深く感謝申しあげます。

本研究を行う機会を与えて下さいました元アンリツ株式会社 R&D統轄本部コアテクノ ロジーR&Dセンター 内野 政治センター長、技術本部 高橋 敏彦本部長に深く感謝いた します。

実験及び解析の面で,数々のご協力を頂きましたアンリツ株式会社技術本部先進技術開 発センター 野田 華子副センター長、布施 匡章課長、待鳥 誠範主幹研究員、下田平 寛 主任、木村 幸泰主任、新井 茂雄主任に厚く御礼申し上げます。

最後に、本研究に貴重な資金提供をしていただいた総務省 電波資源拡大のための研究 開発事業に深く感謝いたします。

6. 結論

118

研究業績リスト

1. 査読付学術論文誌

1) T. Kawamura, H. Shimotahira, and A. Otani : "Novel Tunable Filter for Millimeter-Wave Spectrum Analyzer over 100 GHz", IEEE Trans. Instrum.

Meas., vol. 63, no. 5, pp. 1320-1327 (2014-5)

2) 河村尚志, 大谷昭仁 : “ミリ波帯チューナブルフィルタの周波数可変範囲拡大 法の提案”, 電気学会論文誌A, Vol.135, No.12, pp.736-742(2015-1)

2. 国際学会プロシーディング

1) T. Kawamura, H. Shimotahira, and A. Otani, "Novel Tunable Filter for Millimeter-Wave Spectrum Analyzer over 100 GHz," 2013 IEEE International Instrumentation and Measurement Technology Conference Proceedings, pp. 641-646 (2013-5)

2) T. Kawamura, H. Shimotahira, and A. Otani : "Reduction of Insertion Loss in Millimeter-Wave Tunable Filter Over 100 GHz", Proceedings of 2013 Asia-Pacific Microwave Conference, pp.194-196 (2013-12)

3) T. Kawamura and A. Otani : "Proposal to Expand Frequency Tuning Range in Millimeter-Wave Band Tunable Filter", Proceedings of 2014 Asia-Pacific Microwave Conference, FR1G-38, pp.1270-1272 (2014-11)

3. その他

1) 河村尚志・大谷昭仁 : 「ミリ波帯チューナブルフィルタの提案」, 電気学会計 測研究会資料, IM-12-004, pp.17-21 (2012-1)

2) 河村尚志・大谷昭仁 : 「ミリ波帯チューナブルフィルタの試作評価」, 電気学 会計測研究会資料, IM-12-028, pp.33-38 (2012-6)

3) 河村尚志・待鳥誠範: 「300 GHz 帯チューナブルフィルタの設計」, 電気学会 計測研究会資料, IM-15-035, pp.7-11 (2015-11)

関連したドキュメント