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歩によって,近い将来,計算時間の問題は近い将来において解決される と思われる.

第3章では, まず最初にハフ変換がテンプレートマッチング やロバス ト回帰と等価であることを最適化問題による定式化から導いた. この定 式イじは, 各データ点がテンプレートに属す割合を表す局所的な変数とテ ンプレートの大局的な布置を表すパラメータとの互いの相互作用を表す ものであり,パラメータ値が与えられれば局所的な変数は, 各データ点 で個別に計算することができる. また逆に局所的な変数が与えられれば,

その累積によってパラメータ値を決めることができる. このような局所 的な変数とパラメータの逐次更新による解法はEMアルゴリズムの1種 である. また,最適化問題の目的関数にエントロビーに似た関数を付け 加えることにより,ファジーハフ変換が得られることも示した. この付加 関数の係数を固定したものがファジーハフ変換であるが,適当な値から 係数を徐々に減少させながら解を追跡すればハフ変換の大域近似最適解 を得ることができる. これはニューラルネットによる最適化で用いられ る決定論的アニーリングと同じ手法であり, 非凸な最適化問題であるハ フ変換の大域近似解法となる. ここで導出したファジーハフ変換の勾配 法は,テンプレートのパラメータ数が多い場合に全空間探索のハフ変換 に代わる解法として, あるいはまず最初に粗い分割のハフ変換で近似解 を求めた後3 本勾配法で精度を高めるといった使用法が考えられる. こ の勾配法によるファジーハフ変換アルゴリズムの有効性を実験で検証し た.

第4章では,ファジーハフ変換に基づく関数回帰法を提案し,画像の 平滑化,データ削減, 領域分割,ステレオ視などに応用した. 本手法は,

関数回帰をテンプレートマッチングとして捉え?独立変数と従属変数とを 合わせた空間を画像平面と同一視し, 関数をこの空間でのテンプレート とみなして陰関数として扱う. 陰関数表現なので不連続や多価関数も統 一的に扱える. しかし多価関数のセグメンテーション,例えば2個の円が 交差しているような場合には,関数全体を取り出すことはできるが,個々 の円に分離することはできない. これはパラメータ表現のハフ変換に比

べて劣っている点であるが,直線とか円とかの特別な形状に限定されない 任意の形状の関数を取り出すためにはやむをえないことである. また3 パ ターン識別器の学習はトレーニングデータに基づく識別関数の関数回帰 として定式化できる. 識別関数は識別関数境界で不連続であるのでRBF ネットなどで直接には扱えないが本手法ならそのような不連続関数も回

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帰できることを実験で示した.

本方法は正則化法などの反復計算を要しない1撃法であるので計算量 が少ない. しかしその代わりにハフ変換に必須のパラメータ空間でのピー ク値の検索を要する. このピーク値の検索を非線形計画法に置き換える と反復計算が必要になってしまうが,この反復計算が正則化法などでの 反復計算と異なる点は,空間的な相互作用を含まないことである. 従って 各点で独立に実行することができ, 正則化法などの反復計算よりも収束 し易い. 実際にマルコフランダム場(MRF)による方法とランダムドッ トステレオグラムの視差検出で計算時間を比較した結果,本方法はMRF 法よりも計算時間が短かった. その反面,誤差はMRF法よりも大きかっ た. 本方法の性能は距離に含まれるパラメータに左右されるので,これ らのパラメータ値を適切な値に設定すれば,誤差はMRF法よりも小さく なる. これらの最適な値の決定法やマルチスケール処理による効率化な どが今後の課題である.

第5章では,データ分布のスケールや初期値によらないハフ変換の方 法としてアニーリングファジーハフ変換を提案した. ファジーハフ変換は ディジタルハフ変換よりもノイズに対してロバストであるが,ディジタル ハフ変換の問題点である量子化誤差は本質的には解決されていない. ディ ジタルハフ変換の問題点であったパラメータの設定の難しさはファジー ハフ変換ではファジ一度の設定の難しさとして受け継がれている. ファ ジ一度が次第に小さくなると解はモード値に近づくが,極端に小さくな ると局所最適解に捕らわれるようになる. すなわちデータ分布のスケー ルが異なる個々のデータについて最適なファジ一度を設定することは一 般に困難である. このファジ一度の設定法は課題として残されていた. こ こでは,アニーリング法によりこの問題を解決した. テンプレートの抽 出はファジーハフ変換に従 い逐次に行うので, 各段階での抽出では大域 最適解を取り出せばよい. アニーリングはこの場合3 十分にファジーな 解から出発してファジ一度を徐々に減少させていき3 最終的にディジタ ルハフ変換を得る. こうすることによって大域最適解に近いディジタル ハフ変換の解を得ることができる. このアニーリングファジーハフ変換 によるロバスト回帰法の有効性を, 曲線の検出とオプテイカルフロー推 定の簡単な例について検証した.

第6章では3 ファジーハフ変換を運動検出に応用した. 6.2節では,運 動知覚のニューラルネットモデルを提案してパーパーポール錯視の例を シミュレーションし, 心理実験結果を再現できることを確認した. 本モ

デルと正則化による従来モデルとの違いは3 従来の正則化法では速度そ のものが平滑化されるのに対し, 本モデルでは確率分布が平滑化される 点である. まず局所運動を単純な相関関数で検出し3 検出された局所運 動をガウス関数を受容野とするニューロンで局所的に空間統合する. 次 にWTA (winner-takes-all)ネットで局所運動速度の最尤推定値を求める.

このときニューロン間の空間的な協調相互作用によって大域的な空間統 合を行う. このようにして本方法では, ノイズの平滑化, 不連続の保存,

アパーチャ問題の解決を同時に行うような空間統合が実現された. なお,

ここではWTAは大域的すなわち大域最大値を1つ選択するとしたが3 こ れを局所的なWTAとして複数の極大値を検出するようにすれば透明視 も再現できる. これはハフ変換において複数個のピークを抽出すること により複数個の図形を検出できることに対応している. 6.3節では?ファ ジーハフ変換による関数回帰法に基づいて, 動画像から主要なアフィン 動き領域を逐次に抽出する方法を提案した. アニーリングを導入するこ とにより, 各領域ごとに発生するパラメータ設定の問題を解決した. 簡 単な実験で, ほぼ良好に動きが抽出されることを確認した. しかし, 多 くの運動抽出法と同様に, 本方法でもテクスチャの少ない一様な領域で は運動の推定があいまいになり, 正しい動き検出が難しい. カラー 値に よる領域分割と組み合わせて動き検出精度を挙げることが今後の課題で ある.

第7章では, 統計論的推定に基づいてモードフィルタを導き, それを 簡略化したフィルタを提案した. RGBカラー画像をCIE L本a*b*座標に 変換してモードフィルタによって画像の平滑化を行った. 実験の結果, 大 きなエッジは保存され3 細かなテクスチャが平滑化された. このように ノイズを平滑化する場合には3 モードフィルタの出力を復元画像とすれ ばよいが, 更にモードフィルタを反復して掛けることによってスケッチ 画像のような簡略画像が得られることを示した. このスケッチ画像は元 の画像情報を簡略に圧縮表現したものであり, カラー画像の検索などに 有用であると思われる.

以上本論文で提案したファジーハフ変換に基づく平滑化法は, 画像復 元, 運動検出, 領域分割, パターン認識など広範囲な画像処理に応用が 期待できる基礎的なものである. しかし, アナログ解法を用いているた めに計算機での処理に要する時聞が非常に大きい. 実用化に際しては計 算機処理に適した高速な解法や専用ハードウェアの開発が望まれる.

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本研究を遂行し,また,まとめるにあたり,多くの先生方に御指導,御 助言及ぴ御鞭援を頂きました. 深く感謝いたします.

九州芸術工科大学 芸術工学部 画像設計学科 浦漬喜一教授には,本 研究を進めるにあたり,終始御指導頂きました. 本研究の核となる部分 は, 浦j賓教授の熱心な講論と指導なくしては,成り立ち得なかったもの です.

九州芸術工科大学 芸術工学部 画像設計学科 瀧山龍三教授,長島 健次教授,大学院情報伝達専攻福島重虞教授には,有効適切な御意見と 御助言を賜りました. また, 小野直樹助教授,坂本博康講師には, 有益 な御助言及び励ましを頂きました. 九州職業能力開発大学校 平川賢 爾校長, 村岡隆副校長,永井正誼統括部長には, 本研究の機会を与えて 下さり, 有益な御助言を頂きました. 関連科の方々には, 円滑に研究が 進められるよう御協力,励ましを頂きました.

以上,御指導,御協力頂いた方々に対し, 改めて深く感謝いたします.

ドキュメント内 ファジーハフ変換によるロバスト画像処理 (ページ 61-79)

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