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結論と課題

ドキュメント内 Microsoft Word - 01 H19ホンジュラス2KR 報告書.doc (ページ 63-104)

5‐1 結論 

「ホ」国に対する2KRは、貧困・小規模農家に対して質の高い農業資材を市場価格よりも安 価で提供することにより、貧困・小規模農家の生産コストの削減と生産状況の改善に役立ち、

成果を上げてきた。また、2KRのもとに調達された肥料は、販売対象が貧困・小規模農家に限 定されており、販売・配布機関であるDICTA及びBANADESAの透明化された手続きを通じ て、農家に販売・配布されている。義務額に対する積立率は、2KR 開始以来平均150%以上と なっている。積み立てられた見返り資金は、SAGが実施する多くの小農対策プロジェクトに投 入され、関係公的機関、NGO 等の技術指導・普及事業との連携も得て、効果的に活用されて いる。また、見返り資金による技術協力の連携プロジェクトも実施され、成果を挙げている。 

2005 年度より、「食糧増産援助」は「貧困農民支援」へ名称を変更したが、「ホ」国政府は、

日本側のスキーム変更の意義を理解し、対象を明確に貧困・小規模農家支援として位置づけて 実施してきている。その実施体制も、肥料の販売・配布から見返り資金を使用した各種プロジ ェクトの実施まで、特に問題なく機能している。「ホ」国では貧困・小規模農家の肥料に対す るニーズは高く、2KRによる肥料の供給事業の継続的実施を望む声が多く出ている。 

また、本計画においては、2005年度に引き続き 50%以上の調達肥料を BTP(生産者支援技 術補助金)により配布することを計画している。BTPルートによる配布により、農村のコミュ ニティ内でのCaja Rural(農村貯蓄融資銀行)への資金の貯蓄を通じて、継続的に次年度に優 良種子及び肥料の購入が可能となると思われる。 

このように、「ホ」国における2KRは過去においても成果を上げており、本計画もより一層 食糧増産及び貧困・小規模農家に焦点を当てた形をとっている。従って、本計画による「ホ」

国への供与は妥当であると判断される。

 

5‐2 課題/提言 

今後の課題として、次の6点について、関係者の早急な検討が求められる。 

(1)見返り資金を用いた現地コンサルタントの配置 

見返り資金の使用に関しては、「ホ」国では小規模農民に資するプロジェクトに長年に渡り 使用されているが、平成20年(2008)度2KRから見返り資金は、原則として貧困農民、小規 模農民に資するプロジェクトに使用することと変更される予定である。 

従来、見返り資金プロジェクトに当たる事前及び事後評価が行われていたが、正式な形で確 立されていない。従って、今まで実施されてきた見返り資金プロジェクトの評価システムを構 築し直し、より貧困・小規模農家に焦点を当てた形でプロジェクトを実施し、より透明性を確 保し資金を効率的に利用するため、見返り資金プロジェクトの事前評価、事後評価等のために 見返り資金を使用した現地コンサルタントを雇用することが望ましい。これに関し、「ホ」国 側よりも要請が行われる予定である。 

 

(2)土壌分析に基づいた施肥方法 

地域により土壌中に含まれる窒素、燐酸、カリ及び微量要素の含有量は異なっている。「ホ」

国の大規模農家では、土壌分析が一般的に行われており、費用も安価(25US$/1サンプル)に なる傾向にある。より効率的な肥料投入のためには土壌分析が必須であり、BTPの実施機関で

あるDICTAとFHIA、FAOなどの農業関連機関他民間肥料会社との共同で土壌分析に基づい

た施肥量の研究を試験的に実施し、その成果を普及することが資源の効率的な活用につながる と思われる。 

 

(3)人間の安全保障の視点を考慮したミレニアム開発目標1の達成 

「ホ」国政府は、BTP(生産者支援技術補助金)を通じて、貧困・小規模農家の生産性向上 を通じた食糧安全保障の達成、長期的には 2015 年のミレニアム開発目標の達成を検討してい る。BTPを通じ、人間の安全保障の2つのコンポーネントである「農村における脆弱な層に対 する社会的保護」とともに「農村コミュニティ内の連帯による自発的な取り組みによるエンパ ワーメント」を支援し、ミレニアム開発目標1の栄養状態の改善達成を目指すことができれば、

わが国のODA大綱の目標の1つである「人間の安全保障」の達成とも合致することになり、

今後注視していく必要がある。 

 

(4)BTPに対する技術支援の必要性 

BTPがコミュニティ共同で口座を持つことを条件としているため、BTPが農村内で農業分野 におけるマイクロファイナンスのシステムの基礎となる可能性がある。一方で、肥料配布後の

Caja Ruralへの資金貯蓄を徹底しない場合、農民に対して援助の依存体質を構築してしまう可

能性も含まれている。従って、DICTA及びNGOであるCARE及びFUNDERなどの組織を通 じ、収穫後にCaja Ruralに対する代金の貯蓄を確実に行うよう指導し、モニタリングをしてい く必要がある。特にCAREなどの国際的NGOは「ホ」国におけるマイクロファイナンスに係 る実績を有しており、見返り資金プロジェクトの1つとして SAG と共同で技術支援していく ことが望まれる。 

 

(5)農村における見返り資金の使用 

農村において貧困削減に見返り資金を有効的に利用するためには、トウモロコシなどの基礎 穀物の増産に対する技術支援だけではなく、野菜、果樹などの園芸作物の技術指導に見返り資 金を用いることにより、多様化の観点から生計向上に寄与すると考えられる。特に「ホ」国に おいては1983年~2002年まで長期に渡り日本の技術協力によって実施された「エスペランサ 農業プロジェクト」及び見返り資金使用プロジェクトである「エスペランサ野菜栽培プロジェ クト」を通して小規模農民の貧困削減に成果をあげている。また、農業の支援ばかりでなく、

Caja Rural制度の現地サイト調査の結果にもあるように、農村に不可欠な農村インフラ建設な

どの小規模な工業、雑貨店などの商業活動、保健、教育なども貧困削減に不可欠な視点である。 

従って、見返り資金の使用に関しては、貧困削減にどのように寄与するかを考慮し柔軟に利 用していくことが望ましい。 

なお、これらの多様化への試みのために、JICAの技術協力で実施された「地方女性のための 小規模起業支援プロジェクト」などの農業以外の支援及びジェンダー配慮の経験・教訓を活か

験を共有していくことが望まれる。 

 

(6)継続的な支援 

2KRという農業プロジェクトの性格上、継続的に支援をすることにより、貧困・小規模農家 の生産性向上、技術向上及び生計向上等の成果となって現れると見込まれる。また、2008年度 の要請も既に「ホ」国側から出されている。従って隔年ではなく、連続供与も検討に値する。 

   

添 付 資 料

1 協議議事録 2 収集資料リスト

3 主要指標

4 ヒアリング結果

5 BTP( 生産者支援技術補助金 ) の導入方法

添付2   収集資料リスト 

 

1. Plan  Estratégico  Operativo  del  Sector  Agroalimentario  2006‐2010  (República  de  Honduras‐SAG) 

2. Poverty Reduction Strategy – Progress Report 2004 (República de Honduras) 

3. Evaluación de las Estrategias de Reducción de Pobreza en America Latina 2006 (Sida)  4. Estrategia para la Reducción de la Pobreza 2001 (República de Honduras) 

5. Encuesta Agropecuaria Básica 2005 (INE) 

6. 「ホ」国企画調査員活動進捗報告書(第2号) 2007年6月–援助国会合・各国援助方針動 向分析/中小企業支援分野 (JICA) 

7. 「ホ」国農業・農村開発方針(ファイナルレポート2005) (財団法人 国際開発センター)  8. Resumen de actividades ejecutadas por el Proyecto FHIA La Esperanza agosto 2007 

(FHIA) 

9. Honduras(FAO Stat ‐ Country profile) 

10. Honduras en Cifras 2003‐2005 (Banco Central de Honduras)  11. Administración de Cajas Rurales de Ahorro y Crédito (FUNDER) 

12. El Desarrollo Económico de Honduras y la Seguridad Humana (JICA, Banco Mundial,  UN, DED) 

 

添付4   

【ヒアリング結果】 

  「ホ」国側機関 

国際協力庁(SETCO) 

日本は「ホ」国にとって、大変大きな援助国であり、2KRに関しては1979年より継続して援助 が実施されている。これは、「ホ」国の小規模・貧困農家を支援する重要な援助であり、大変感 謝している。 

 

エンドユーザー 

(1) Caja Rural “9 de mayo” Jesus de Otoro (BTP支援農家グループ) 

BTPで受けた支援は、種子1袋(22Lbs, 10kg)、UREA1袋、NPK1袋である。すべてトウモロ コシへ使用した。ただ、肥料はBTP支援だけでは足りず、市場でも購入している。NPK 360Lps/

袋、UREA 330Lps/袋の価格で購入した。施肥量は、UREAもNPKもそれぞれ4 qq1/マンサーナ

(Mz)2を投入した。今年の収穫時期は11月~12月頃だが、収穫量は24qq~36qq/Mzを予定してい る。トウモロコシの収穫後、フリホール豆を栽培する予定である。 

なお、農業の技術については、DICTAの研修及びDICTAの指導員から教授された。支援は大 変役に立っている。 

 

(2) 高地地域の農家 San Jose (BTP支援農家グループ) 

今年はBTP支援を受け、25Lbsのトウモロコシ種子、UREA、NPKをそれぞれ1qq入手した。

これ以外には施肥していないが、肥料等の品質はとても良く、全体で40qq程の収穫を想定してい る。以前の収穫量は10qq程度であったので、大幅な収量増となり、大変うれしく思っている。 

 

(3) “Grupo GUAM” Juan Guangololo地域 (FHIA支援農家グループ) 

8農家(男性2名、女性6名)が参加しており、2007年3月に結成した。野菜(ブロッコリー、レ タス)、果物、トウモロコシ、フリホール豆などを栽培している。 

FHIAプロジェクトの実施により、生活面ではかなりの改善が見られた。収入は、週2回(月・

木)の収穫で1家族約1,500Lps/週得られる(約1万円/月収約4万円)。FHIAでは栽培スケジュール

の指導も行うため、大変役に立っている。 

 

(4) “Grupo El pericón” Juan Guangololo地域 (FHIA支援農家グループ) 

   参加農家12のうち、5農家がジャガイモを栽培している。以前は5 qq/袋の収穫しかなかったが、

プロジェクトのおかげで20 qq/袋の収穫を得ることができた。プロジェクトにより得られた収入 で、さらに土地を拡大したいと考えている。 

1 1qq=45.36kg, 1t=約22qq

2 1マンサーナ(1Mz)=約0.7ha

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