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 第 5 章では、アニオン性またはカチオン性の界面活性剤と複合化させた PMS 自己会合体の表面電位と毛髪に対する有用性について評価した。PMS 自己会合 体は、界面活性剤との複合化により粒径を変化させることなく表面電位のみを 変化させることが明らかとなった。パーマやブリーチなどにより損傷した毛髪 は、脂質の加水分解により硫酸残基が露出するため、表面がアニオン性となる。

そのためカチオン性 PMS 自己会合体は、ダメージ毛髪の表面および内部の空 隙に浸透・吸着し、毛髪の表面状態や撥水性を健康毛髪とほぼ同等にまで回復 させることが明らかとなった。

 第 6 章では、PMS 自己会合体表面電位の pH 依存性と繊維加工剤としての有 用性について評価した。PMS 自己会合体は酸性領域で正に帯電し、綿繊維に対 して低濃度でも効率よく吸着することが X 線光電子分析から明らかとなった。

また、三次元培養皮膚を用いた評価から、PMS 加工により界面活性剤の毒性を 低減させることが明らかとなった。

 本研究で得られた PMS 自己会合体は、生体適合性の高い可溶化剤として応 用価値が高く、また、乾燥後は薬物保持層として機能することが期待される。

また、会合体の表面電位を容易に制御可能であること、ポリマー自身が皮膚や 毛髪に対して高い保護・修復機能を示すことから、機能性素材として医薬品・

化粧品・繊維加工分野での幅広い応用が期待される。

謝辞

 本論文を結ぶにあたり、ご指導、ご協力を頂いた方々に慎んで感謝申し上げ ます。

 本研究の遂行において終始、多大なるご指導、ご鞭撻を賜りました、金沢大 学大学院 自然科学研究科 物質科学専攻 先端機能物質講座 中本義章先生、

山岸忠明先生に厚くお礼申し上げます。

 また、本論文の査読とご助言を賜りました、金沢大学大学院 自然科学研究 科 物質科学専攻 先端機能物質講座 加納重義先生、物質科学専攻 物質情 報解析講座 宮岸重好先生、淺川 毅先生に厚くお礼申し上げます。

 本研究の遂行にあたり、日本油脂株式会社の片野まゆみ氏、岩佐 武氏、入 江博文氏、坂元伸行氏、田中信治氏から、さまざまなご協力を戴きました。ま た、同社の福井洋樹氏、首藤健志郎氏をはじめ、ライフサイエンス事業部の皆 様から多くの有意義なご助言を戴きました。心より感謝申し上げます。

 その他、クライオ-TEM 観察については日本エフ・イー・アイの青山一弘氏 にご協力を頂きました。また、マイクロモード XPS  による表面分析について は、日本電子株式会社・電子光学機器営業本部の飯島善時氏ならびに同社・第 1技術本部の皆様にご協力いただきました。深く感謝いたします。

 最後に、常に励まし支えてくれた妻・恵子と家族、友人達に心から感謝いた します。

公表した論文

1.  参考論文

1.! Nobuyuki  Yamamoto,  Hirofumi  Irie,  Nobuyuki  Sakamoto,  Kenshiro Shuto, Tada-Aki Yamagishi and Yoshiaki Nakamoto, "Self-aggregates of highly  hydrophobic  phospholipid  polymers  in  aqueous  solution", Journal of Oleo Science, 55(9), 465-471 (2006).

2.! 山本宣之,  首藤健志郎,  山岸忠明,  中本義章,  "疎水性リン脂質ポリマーフ ィルム中に形成されるモザイク状ラメラ構造",  高分子論文集, 64(2), 115-118 (2007).

3.! 山本宣之,  山岸忠明,  中本義章,  "疎水性リン脂質ポリマーの吸着性制御 と刺激低減機能の評価",  繊維学会誌, 63(3), 68-73 (2007).

2.  副論文

なし

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