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第 2 章 関連研究

4.3 結託支援機構

図 4.3: CooperationMarketの取り引きの概念図

のマーケットへの参加は,買い手の人数が商品数と同じ数になったところで締め切ら れる.それ以降は,他の買い手はマーケットに参加できない.

図 4.4: AHPによる意思決定階層図

勘や経験を生かすことがその主眼となっている.AHPでは,まず決定問題を,目的,

評価基準,代替案の関係でとらえて階層構造を作りあげる.あるレベル(図4.4では

代替案1,代替案2,および代替案3)にある要素間の一対比較を,その一つ上にある

レベル(図4.4では評価基準1)の要素を評価基準として用いて行う.ここでは各評価 基準ごとに得られる一対比較値の集合を一対比較行列(図4.4の左上) として扱うこと により,一対比較要素の重要度(つまり,評価基準に対する重み)を解析的に求める.

具体的には,各要素の重要度は一対比較行列の幾何平均として得られる.

本マーケットでは,選択問題として代替財の選択,代替財の各属性,および代替財 の3層に問題が階層化される.一対比較行列の特徴は,(1)対角要素は1,(2)行列の 要素の値はaij = 1/ajiである.一対比較による要素間の重み付けは9点法が用いら れ,その重み付け(評点)は別の第三要素から見て決定される相対的重み付けである.

9点法は,一対比較値として,1(同じように重要を示す)から9(極めて重要を示す)ま での正整数値を与えるものである.一般的に,明確な尺度を持たない要素間の比率を ユーザが明確に答えるのは不可能である.そこでAHPでは,一対比較値を獲得する ために,「極めて重要」,「非常に重要」,「かなり重要」,「やや重要」といった言葉によ

る(verbalな) 表現を用いることによってつかみどころのない要因を含む問題に関す

る主観的な分析を可能にし,ユーザの負担を軽くする.AHPにおける一対比較値は 人間の意思を厳密に表すのではなく,およそこれぐらいという人間の主観的評価値を 表す.

表 4.2: 選好順序の決定

商品A 商品A 商品A 重要度 0.5 0.3 0.2 選好順序 AA A

AHPには,非整合度尺度(I.R.:inconsistency ratio)と呼ばれる主観的評価の整合度 を表す指標がある.理想的な一対比較が行われると非整合度尺度I.R.は0になる.こ の非整合度尺度の値が0.1以下であれば,経験的に,一対比較に整合性が有りと判断

できる[62].I.R.が0.1以上の場合は,一対比較をもう一度やり直す.

4.3.2 商品の割り当て

本節では,買い手への商品の割り当て方法に関して説明する.買い手の商品への 重要度は,AHPを用いて計算される.買い手ごとに多属性な評価項目は異なるので,

一般的に代替案に対する重要度は買い手どうしで比較することはできない.したがっ て,本支援システムにおいては買い手の選好順序に基づき,商品の割り当てを行う.

それぞれの買い手は,全ての商品の最低価格以上の留保価格を持つとする.商品の 最低価格とは,売り手が取り引きできる商品価格の最低ラインであり,オークション に登録する際に売り手が入力する.それぞれの買い手の選好順序は,買い手個人の商 品の重要度に基づき決定される.例えば,買い手の商品に対する重要度から選好順序 は表4.2のように表される.ある買い手の商品Aの重要度が0.5,商品Aに対する重

要度が0.3,商品Aに対する重要度が0.2であるとする.このとき,買い手の選好順

序は,AA Aである.

図4.2は,買い手の選好順序の例である.買い手1の留保価格は$21であり,選好順 序はAA Aである.買い手2の留保価格は$19であり,選好順序はA A A である.買い手3の留保価格は,$25であり,選好順序はA A A である.この とき,商品Aは買い手1に割り当てられ,商品Aは買い手2に割り当てられ,商品

Aは買い手3に割り当てられる.買い手どうしの選好順序が重なった場合,割り当 てはランダムに行われる.