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本論文では ZnO 薄膜の持つ非線形光学効果や光学特性、電気特性に着目し、それを 応用した光機能性デバイスの作製・評価について述べてきた。

第2 章ではZnO薄膜の持つ非線形光学効果に着目し、その中の第二高調波発生を利 用した素子の作製を目指し、また高調波出力向上のためストリップ装荷型導波路での作 製及び評価について述べてきた。まず、導波路のコアとなるZnO薄膜を、RFスパッタ リング法を用いて作製し、結晶性改善の為アニールした。その後の測定において、作製 したZnO薄膜が高い透過率とZnOとして妥当な屈折率を持ち、また結晶性が改善され たことを確認できた。

次にストリップ装荷型導波路作製のため、フォトリソグラフィとRFスパッタリング 法を用いてSiO2リブ部を作製し、光がうまく導波するよう端面加工を行った。

その後の導波路評価において可視光レーザを用いた導波光確認を行ったが、ストリッ プ装荷型導波路としての導波光を確認することが出来なかったため、加工方法の改良や コア径を大きくできるような導波路形状の検討が今後の課題である。また、導波路完成 後にはSHG の確認を行うことや、高調波の発生効率向上為の QPM 周期構造の導入を 行うことが今後の課題である。

第3 章ではZnOの光学特性及び電気的特性に着目し、主に太陽電池への使用を想定 した ZnO スパッタ膜の性能向上を目指し、成膜条件を変化させた試料の作製及び評価 を行い、実際に太陽電池に使用した場合の太陽電池素子の評価を行った。

まず、RFスパッタリング法を用いて作製したZnO薄膜の作製及び評価を行った。光 学測定においては全ての試料で、可視光域における透過率がおよそ80%以上でまた反射 率が10数%程度と良好な結果を得ることができた。van der Pauw法による電気特性評価 においては、成膜時に基板加熱を行わずに成膜した試料の中で、H2 ガス導入比 13.3%

の 条 件 に て 作 製 し た 試 料 に お い て 抵 抗 率 ρ=2.76×10-3Ωcm、 ホ ー ル 移 動 度 μ

=33.54cm2/Vs、キャリア密度n=6.65×1019cm-3を得た。H2ガスの導入量を大きくとり、

導入比を変化させた際の性能変化の傾向をつかむ事や、バイアス電力をかけて膜の密度 を高めることなどを例として、成膜条件を検討していく事が更なる性能向上に向けての 課題と言える。

次に上記と同条件にてZnO薄膜をSi基板上に成膜し、pn接合型の太陽電池を作製し、

性能評価としてI-V 特性を評価し、結果より変換効率を算出することでH2ガス混合比 による性能の違いを評価した。結果として成膜時に基板加熱を行わず、また成膜時の H2ガス混合比13.3%としたとき、開放電圧が182.8mV、短絡電流が1.88mAを得られ、

算出された変換効率は 0.052%となった。ZnO 薄膜の酸化を防ぐため、端子付けの工程 で加熱をしなくて済む方策の模索が課題である。

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謝辞

本研究を行うにあたり、研究を行うための環境を与えて下さり、また終始的確かつ丁 寧なご指導・ご助言をして下さった花泉修教授に心より感謝いたします。

本修士論文の作成にあたり、お忙しい中審査して頂いた、高橋佳孝准教授に感謝致し ます。

本研究を行うにあたり、波長変換素子や太陽電池についてのアドバイス等様々な場面 にて数多くのご指導・ご助言をして下さった三浦健太准教授に心より感謝いたします。

本研究を行うにあたり、装置の取り扱い等様々な場面において数多くのご指導、ご助 言をいただきました佐々木友之助教に心より感謝いたします。

本研究を行うにあたり、装置の取り扱いや修理等様々な場面において数多くのご指導、

ご助力をいただきました野口克也技術専門職員に心より感謝いたします。

本研究を行うにあたり、マスクアライナを貸してくださった櫻井浩教授に心より感謝 いたします。

本研究を行うにあたり、研究の基礎から機器の使い方等、終始導いて下さった田中雅 人氏、平沢尚紀氏に心より感謝いたします。研究に対する考え方や姿勢を始めとして数 多くのことを学ばせて頂きました。

日々の研究を行うにあたり、Umenyi Amarachukwu Valentine氏には多くのアドバイス をいただきました。また、共に研究を行い、終始実験のサポートをしていただいた修士 1年鈴木鉄人氏、高野祐樹氏、田中良太郎氏、学部4年大野史裕氏、金本直弘氏、水口 弘貴氏に心より感謝いたします。

本研究を行うにあたり、研究についての意見交換を行い、また、支え合い、研究生活 を有意義なものにしてくれた同期院生を初めとする花泉研究室・三浦研究室の皆さんに 心より感謝いたします。

最後に、有意義な学生生活が送れるよう終始支続けてくれた両親に心より感謝いたし ます。

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本研究は多くの方々のご指導、ご助言のもとに行われたものであり、様々な面でご助 言・サポートをして頂いた関係諸氏に改めて感謝し、御礼申し上げます。

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参考文献

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[3] 平沢尚紀“ZnO/Si系材料を用いた光機能性デバイスの作製に関する研究”

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[5] 黒田和男 “非線形光学” コロナ社 pp.1-4

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[20] 河東田隆 “半導体評価技術” 産業図書株式会社 pp.221-225

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[23] 東京電機大学“半導体工学 第2版”東京電機大学 pp.61-71

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院修士論文 2012/3

[26] 高橋清、小長井誠“アモルファス太陽電池” 昭晃堂 p.141

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付録 A PL スペクトル測定と感度補正

ルミネッセンスとは何らかの形のエネルギーをいったん吸収した物質が、その逆過程 としてのエネルギー放出を光放出の形で行う現象であり、光子(フォトン)による励起で 生ずるルミネッセンスをフォトルミネッセンスという。成膜後アニールした ZnO 薄膜 の結晶性改善の確認や、欠損補償の確認手段としてPL測定を行い、ZnOの持つエネル ギーバンドギャップによる発光と欠損による発光との関係を調べた。PL測定系を図A-1 に示す。

図A-1 PL測定系

光源としてHe-Cdレーザ(波長325nm、金門光波:IK3251R-F)を使用した。まずレ ーザ光を可視光カットフィルタに通し、レンズによって集光した光を試料に照射する。

試料での発光をレンズによってさらに集光し、励起光の波長 325nm をカットするフィ ルタを通して、CCD 付きモノクロメータ(日本ローパー:SpectraPro2150i+ PIXIS100B) に入射させ、PC画面上にプロットする。測定に際しては第2章表2-1の条件で膜厚400nm にて成膜した試料を用いた。過去の研究報告から、アニール処理を 800℃で 60 分間行 うことで目的に適った発光特性を得ているので、成膜後その条件で試料をアニール処理 し測定を行った[14]。図A-2に測定結果を示す。PLスペクトル測定結果にはCCD感度 補正を行っている。感度補正については次項に詳細を示した。

CCD検出器

He-Cdレーザ (λ=325nm)

可視光カット フィルタ ミラー

集光レンズ f=10cm

試料

325nm カットフィルタ

分光器

PC

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図A-2 PLスペクトル測定結果

図A-2より、アニール前のものと比べてアニール後のものの発光ピークが全体的に高 くなった。ZnO のバンドギャップエネルギー由来の 380nm波長域におけるピークとと もに、酸素欠損由来と思われるピークも高くなってしまった。成膜条件を変更するなど して欠損由来と思われるピークの低減が今後の課題と言える。

次に、PLスペクトル補正について述べる。ZnO薄膜のPLスペクトル測定において、

分光器とCCD検出器を用いた。これらの装置は短波長側での補正を必要とし、それぞ れの感度補正における量子効率を示す。

図A-3に分光器、図A-4に極微弱光用CCD検出器の量子効率を示す。

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これら2つの補正をPLスペクトルに施した結果の例を以下に示した。

図A-4 CCD検出器の量子効率

図A-3 分光器の量子効率

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