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力率変更制御適用時の位置別電圧変動の分析

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第 6 章 力率変更制御による電圧変動抑制

6.4 力率変更制御適用時の位置別電圧変動の分析

力率変更制御時における電圧変動の位置的な不均一さ....

について検討した。

PVの連系により各ノードnの電圧変動ΔVnは,(5.16) 式に示すとおり,線路電力損失変

ΔPLOSSkの位置kに対する積分値の影響を受ける。このため,仮に,PVの連系により生じ

る線路電力損失変動ΔPLOSSkが位置kに関わらず一定であれば,電圧変動ΔVnは位置kに対 して比例して変化する。この場合,系統末端に設置したPVの力率変更制御によりPVの無 効電力を調整することで,各ノードnの電圧変動ΔVnを0に向けて抑制することが可能であ る。

一方,PVの連系により生じる実際の線路電力損失変動ΔPLOSSkは位置kの変化に対して一 定でなく,不均一であるため,PVの力率変更制御により無効電力を調整しても系統の各ノ ードnで生じる電圧変動ΔVnを全て抑制することは難しい。力率変更制御時に残留する電圧 変動ΔVnの大きさは,線路電力損失変動ΔPLOSSkの位置的な不均一さ....

の度合いが関係してい ることがわかった。以下にその説明を行う。

図6.2において,亘長10kmの系統末端に出力2MWのPVを力率一定制御にて連系した 場合において,位置kにおける線路電力損失変動ΔPLOSSkを示す。ここで,k=0は変電所を,

k=1はPV連系箇所を示す。最大負荷3MVA時における最適力率0.918にて運転している。

線路電力損失変動ΔPLOSSkは,(5.31) 式のとおり,負荷0MVA (PL = QL= 0) のケースで位置k の一次関数として変化し,負荷1.2MVA,負荷3MVAのケースでは,位置kの二次関数とし て変化,負荷の増大とともに符号を負とした二次の項の係数が小さくなり,放物線状のグ ラフの開き具合が小さくなった。

図6.2 力率一定制御における各ノードの線路電力損失変動ΔPLOSSk (亘長10km)

第6章 力率変更制御による電圧変動抑制

ΔVL,n = (r2+x2) 4rVN

n t=1

ΔPLOSS,t

ΔPLOSS_AVE = 1

0ΔPLOSSkdk

ΔVA,n = ΔVL1,n ΔVL0,n

(5.16) 式に示されたPV連系に伴うノードnにおける電圧変動ΔVnのうち,線路電力損失

変動ΔPLOSSkに起因する (b) 項をΔVL,nとする ( (6.5) 式)。これは線路電力損失変動ΔPLOSSk

を変電所からノードnまで積分したものに相当する。

···(6.5)

ここで,線路電力損失変動ΔPLOSSkの分布が位置kに関わらず均一で,その値が線路電力 損失変動平均ΔPLOSS_AVEであるケースを仮定する (線路電力損失変動均一ケース)。

線路電力損失変動平均ΔPLOSS_AVEは,(6.6) 式のとおり,線路電力損失変動ΔPLOSSkを変電 所からPV連系箇所まで (kについて0から1まで) 積分して求める。

··· (6.6) 線路電力損失変動均一ケースにおける電圧変動ΔVL,nは,位置別に均一な線路電力損失変

ΔPLOSS_AVEを変電所からノード nまで積分したものに相当することから,電圧変動 ΔVL,n

のグラフは位置kに比例して変化する。また,PV連系箇所における電圧変動ΔVL,nは本来の ケースと一致する。

このため,線路電力損失変動均一ケースでは,系統末端に連系したPVの無効電力を調整 することで,系統末端における電圧変動ΔVnを0Vに抑制するとともに,他の各ノードnの 電圧変動ΔVnも0Vに抑制することが可能である。

一方,本来のケースでは,線路電力損失変動ΔPLOSSkが (5.31) 式のとおり位置kに対する 二次関数として示されることから,各ノードの電圧変動ΔVL,nは線路電力損失変動均一ケー スとは異なる。このため,PVの無効電力を調整しても全てのノードの電圧変動ΔVnを抑制 することは難しい。

図6.3に電圧変動ΔVL,nと位置kの関係を示す。図6.2と同じ系統,PV連系条件とした上 で,66/6.6kV変圧器 (j7%) およびSVR (j1.4%) のインピーダンスを無視している。(5.31) 式 に従い,負荷0MVAのケースでは電圧変動ΔVL,nが位置kの二次関数として,負荷1.2MVA,

3MVAのケースでは位置kの三次関数として変化している。一方,線路電力損失変動均一ケ ースでは (図6.3のΔPLOSS_AVE),電圧変動ΔVL,nが位置kに比例する関数として示され,系統 末端において本来のケースと値が一致している。

線路電力損失変動均一ケースおよび本来のケースにおける電圧変動 ΔVL,n をそれぞれ ΔVL0,n,ΔVL1,nとすると,両者の電圧変動ΔVL,nの差ΔVA,nを (6.7) 式で表す。

··· (6.7)

図6.3に負荷0MVA,ノードnにおけるΔVA,nの例を示す。

図6.2において,負荷0MVA,1.2MVA,3MVAにおける線路電力損失変動ΔPLOSSkのグラ

第6章 力率変更制御による電圧変動抑制

-240 -200 -160 -120 -80 -40 0 40

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

Distance from substation k Voltage variation ΔVL,n [V]

L: Load S [MVA]

(L= 3)

(L= 1.2)

(L= 0) L= 1.2

L= 0

L= 3 ΔPLOSS_AVE

ΔVA3

ΔVA1.2

D0 D1.2

D3

ΔPLOSS_AVE

ΔPLOSS_AVE

Interconnec-tion point

L

ΔVA0

ΔVA,n

(L= 0)

Noden

ΔVR,n = ΔVA,n

図6.3 力率一定制御における各ノードの電圧変動ΔVL,n (亘長10km)

のグラフが変電所からグラフが交わった位置DLの間において挟んだ面積をSL (L=0, 1.2, 3) とする。

ΔVA,nは本来の線路電力損失変動ΔPLOSSkと線路電力損失変動均一ケースにおける線路電力

損失変動ΔPLOSS_AVEとの無効電力の差を変電所からノードnまで積分したものに相当するこ

とから,ΔVA,nの絶対値は位置DLにおいて最も大きくなり,位置DLにおけるΔVA,nの絶対値 は面積SLに比例する。

図6.3において位置DL (=0, 1.2, 3) におけるΔVA,nΔVAL (L=0, 1.2, 3) と表記した。

ここで,PV の系統連系にあたり,力率一定制御を適用するのではなく,PV の連系前後 でPVの連系箇所の電圧変化を 0Vにする無効電力制御 (力率変更制御) を適用することを 考える。この場合のPV連系に伴うノードnの電圧変動をΔVR,nとする。

力率一定制御のPV連系により生じる (5.16) 式で示された各ノードnにおける電圧変動 ΔVnのうち,(a) 項に相当する電圧変動は位置 kに比例するため,新たに PV の無効電力を 調整することで打ち消すことができる。

新たに調整したPV の無効電力による線路電力損失変動ΔPLOSSkの変化は微少として無視 すれば,残留する (5.16) 式 (b) 項に相当する電圧変動 ΔVL,n は,線路電力損失変動平均

ΔPLOSS_AVEに相当する無効電力を PV より追加して出力することで, (6.7) 式に示した電圧

変動 ΔVA,nに抑制されることとなる。このため,(6.8) 式のとおり,電圧変動 ΔVR,nΔVA,n

と値が一致する。

··· (6.8)

第6章 力率変更制御による電圧変動抑制

-80 -60 -40 -20 0 20 40 60

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

Distance from substation k Voltage variation ΔVR,n, ΔVR',n [V]

L=0 L=1.2 L=3

L=0 L=1.2 L=3

Interconnec-tion point ΔVA0 ΔVA1.2

ΔVA3

D3 D0 D1.2

L: Load S [MVA]

ΔVR,n

ΔVR',n

32V

32V 47V

L

ΔPLOSSσ = 1 2

1

0PLOSStΔPLOSS_AVE|dt max(|ΔVR,n|)∝ LL・ΔPLOSSσ

図6.4に力率変更制御時の電圧変動ΔVR,nを示す。PVの連系箇所において (k = 1),電圧変 動ΔVR,nは0Vに調整されている。

また,配電線全域で生じる電圧変動ΔVR,nの最大値を抑制するよう,すなわち,(6.3) 式に 示したΔVmaxを最小とするようPVの無効電力をさらに調整した結果,生じる電圧変動ΔVR’,n を示す。

PVの連系箇所における電圧変動を0Vとする場合,負荷Lが0MVAのケースで,PVの 連系に伴って電圧が47V低下するノードが見られたが (max |ΔVR,n| = 47 [V]),PVの無効電 力を調整することで,電圧変動の最大値は32Vに抑制された (max |ΔVR’,n| = 32 [V])。

電圧変動ΔVR,nと電圧変動ΔVR’,nのそれぞれの絶対値の最大値は正の相関にあると考えら れる。電圧変動ΔVR,nは電圧変動ΔVA,nと同様に,位置DL (L=0, 1.2, 3) において絶対値が最 大となり,その絶対値は面積SL (L=0, 1.2, 3) に比例する。

以上から,力率変更制御における電圧変動 ΔVR,nの絶対値の最大値は,亘長 LLと面積 SL に等しい線路電力損失偏差ΔPLOSSσとの積から求められる ( (6.9), (6,10) 式)。

··· (6.9)

··· (6.10)

図6.4 力率変更制御における各ノードの電圧変動ΔVR,n,ΔVR’,n (亘長10km)

第6章 力率変更制御による電圧変動抑制

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