4.7.1 冷却曲線測定結果
4.7.1.1 SUS303Disc の結果
Fig. 4. 6.1 Cooling curve of SUS303 disk. Temperature measurement point: 0.39 mm inside from the surface of the 6.74 ° oblique hole with respect to the horizontal.
No surface polishing.
斜め穴を直径1.2mmのハイスドリルで堀進め後述する最終表面近傍(を0mmとし)その
手前0.39mmの位置にKT.C.電気溶接プローブ(直径0.3mm)を銀ペーストで固定した時の
冷却曲線をFig. 4. 6.1 a) にその拡大図をb) に示す.Fig. 4. 6.1 b)から上面の蒸気膜は明確に 観察されない.下面の蒸気膜開始温度は835℃である.
上述のあと,ハイスドリルで斜め穴を堀り進め,後述する最終表面近傍(を0mmと し)その手前0.23mmの位置にKT.C.電気溶接プローブ(直径0.3mm)を銀ペーストで固 定した時の冷却曲線をFig. 3.6.2 a) に,その拡大図を b)に示す.Fig. 3.6.2 b) から,上面の 蒸気膜は観察されない.下面の蒸気膜開始温度は830である.前述Fig. 4.6.2 b) の835℃よ
り5℃低い値となった.
a) Cooling curves of SUS303 b) Vapor film,Top surface:non,Bottom surface: 835℃ ~
200 400 600 800 1000
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
Temperature,℃
time, sec.
Bottom surface Top surface
Qenching Oil Daphne Brigit Quench S
at 60 ℃
Center
T.C.s Position : 0.39 mm
760 770 780 790 800 810 820 830 840 850 860
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0
Temperature,℃
time, sec.
Bottom surface Top surface
Qenching Oil Daphne Brigit Quench S
at 60 ℃
Center
T.C.s Position : 0.39 mm
150
Fig. 4.6.2 Cooling curve of SUS303 disk. Temperature measurement point: 0.23 mm inside from the surface of the 6.74 ° oblique hole with respect to the horizontal.
No surface polishing.
この位置から表面に盛り上がりを見せるまでハイスドリルで斜め穴を堀り進めた.盛り 上がる地点は,リング試験片の
上面,下面の中央部で,のちに 斜め45度上方からのFig. 4.3.6
に示すX-ray透視写真で穴は水
平に対し6.7-6.8の角度で直線的
にあいていることが確認され た.ドリルの侵入長さと角度か ら表面への到達距離は10~20μ mと推定された.
a) Cooling curves of SUS303 b) Vapor film,Top surface:non,Bottom surface: 830℃ ~
760 770 780 790 800 810 820 830 840 850 860
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0
Temperature,℃
time, sec.
Bottom surface Top surface
Qenching Oil Daphne Brigit Quench S
at 60 ℃
Center
T.C.s Position : 0.23 mm
760 770 780 790 800 810 820 830 840 850 860
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0
Temperature,℃
time, sec.
Bottom surface Top surface
Qenching Oil Daphne Brigit Quench S
at 60 ℃
Center
T.C.s Position : 0.23 mm
Fig. 4.6.3 X-ray inversment photograph from 45 degrees above the disk specimen.
151
Fig. 4.6.4 Cooling curve of SUS303 disk. Temperature measurement point: Almost 0mm inside from the surface of the 6.74 ° oblique hole with respect to the horizontal.
No surface polishing.
この位置に KT.C.電気溶接プローブ(直径 0.3mm)を銀ペーストで固定した時の冷却曲
線をFig. 4.6.4 a) に,拡大図をb)に示す.拡大図Fig. 4.6.3 b)から上面に蒸気膜が849か
ら810まで観察された.下面の蒸気膜開始温度は825℃と読み取れた.Fig. 4.6.1の穴より
0.39mm掘り進むことにより10℃低い値となった.
表面から,0.39mm,さらに0.23mm掘り進んでも観察できなかった上面における蒸気膜 段階の緩冷却変曲点が,この時の表面への接近(ほぼ0mm: 10~20μm)点において,わず かな傾向の違いではあるが観察された.表面に近づくほど,温度変化を正確に読み取ること ができることがわかる.
なお,上面には 520-400℃付近に温度の直線的降下が読み取れる.何らかの組織変態に よる発熱が観察された.試験片を強力なネオジウム磁石に近づけるとわずかに磁力が感じ られた.冷却曲線から観察される上述の発熱ピークはわずかな磁気変態によるものと考え られた.
a) Cooling curves of SUS303 b) Vapor film,Top surface:849-810, Bottom surface:: 825℃ ~
200 400 600 800 1000
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
Temperature,℃
Time, sec.
Bottom surface Top surface
Qenching Oil Daphne Brigit Quench
at 60 ℃ Center
T.C.s Position : 0 mm
760 770 780 790 800 810 820 830 840 850 860
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0
Temperature,℃
Time, sec.
Bottom surface Top surface
Qenching Oil Daphne Brigit Quench
at 60 ℃
Center
T.C.s Position : 0 mm
152
4.7.1.2 SUS304Disc の結果
Fig. 4.7 Cooling curve of SUS304 disk. Temperature measurement point: Almost 0mm inside from the surface of the 6.74 ° oblique hole with respect to the horizontal.
Surface polished with water-resistant sandpaper(#60, #240, #1200)
a) Cooling curves immersed into coolant (0-60s)
b) Cooling curves immersed into coolant (0-5s)
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強力ネオジウム磁石に反応しない SUS304 材を使用し加工した試験片を用いて実験を行 った.なおこの際,湿式エメリー紙で#60, #240, #1200で表面研摩を施した.冷却実験結果
をFig. 4.7 a) に,その拡大図を b) に示す.上下面の第一沸騰段階のあと,上面の冷却曲
線に0.23から0.87s間(= 冷却開始0.23~1.11s,836.7~816.0℃)蒸気膜段階が観測され
た.
その後特性温度816℃を経て急冷される核沸騰段階に入り,10s以降次第に緩冷却となり,
15s以降は下面と平行に冷却される対流段階での冷却へと続く過程をたどった.
一方,下面は 0.23s 以降の冷却曲線には穏やかに冷却される蒸気膜段階が 10s 以上続き 12から 15sにかけて小さな温度変動を伴うやや急冷状態があり,15s以降は上面と下面が 平行な冷却カーブを描く対流段階の冷却へと続いた.
4.7.2 可視化実験結果
4.7.2.1 240FPS における観察結果
冷却曲線に示される0.23sまでの第一沸騰段階においては,蒸気膜は蒸気泡が爆発的に発 生し,下面でも安定した蒸気膜の形成は観察されなかった.しかし試験片投入0.64sで,下 面は安定した蒸気膜に変わり,レーザー光線をブロックする物質がディスクの後ろに影と して観察された(下面にあるものは半透明状でよく見えないがFig. 4.8.1 (b)に示すような後 方に影は映っている).試料熱処理油は沸点よりも高い温度の試験片表面に接触して気化し 微細な蒸気泡にかわるが試験片下部にはそのまま滞留し合体はしていないことが Fig. 4.8.1 (b)よりわかる.
上述のようにレーザービームが遮断され影をつくる事実から,微細な蒸気粒子はレーザ ービームを透過せず,サイズは532nmのレーザー光の波長よりも大きいと推測される.
このような微細蒸気泡より大きい蒸気泡は蒸気膜の周囲を活発に動き,自由に移動する のが観察された.約40s後,下面が300°Cに冷却されると,微細な蒸気泡で形成される蒸
154
気膜は消え,Fig. 4.8.2(d)に示すように,側面下方からみて1/10程度に収縮した幅15mm厚 さ2mmほどの泡が右回りに約1回/s で回転する様子が観察された(Fig. 4.8.2 (d)).
Fig. 4. 8.1 Cooling curves and cooling seen (240 FPS) at 0 – 2.75 s (Footnote8)
155
Fig. 4. 8.2 Cooling curves and cooling seen (240 FPS) at 4 – 40 s. (Footnote8)
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