第3章 中途採用する転職者のタイプと人事労務管理・経営活動との関連
第4節 経営活動との関連
中途採用のあり方と企業の経営活動との間には直接的な関 連が見られるだろうか。図表
3-7は各社の経営戦略についての回答を、類型ごとに整理したものである。
類型間の違いが目立つのは、海外進出の意向に関する回答である。一致型採用企業や変化 型採用企業では「海外にも進出していく」という回答が
1割台であるのに対し、仕事継続型 採用企業では
4割近くに達している。また、この質問ほどの回答率の差は見られないが、新 規事業分野の開拓に関する質問においても、仕事継続型採用企業では「新規事業の開拓を重 視」という回答の比率が、他の
2類型よりも高くなっている。海外事業も含めた新規事業の 展開に必要となる能力やスキルを、その能力やスキルを使って長く仕事をしてきた人材を中 途採用することで確保するという、仕事継続型採用の典型的なケースの
1つをこれらの回答 結果からイメージすることができる。
(単位:%)
一致型採用 仕事継続型採用 変化型採用 全体
n 178 143 237 1764
OJT(職場で受ける指導や訓練)を通じた人材育成 69.1 72.8 74.7 71.7
Off-JT(研修等)の機会の提供 53.9 47.6 54.4 52.4
通信教育を受けるなどの自主的な勉強・学習(自己啓発)の支援 28.6 32.2 26.6 28.8
長期的な人材育成を考えた配置や異動 32.1 29.4 40.9 38.5
仕事やキャリアに関する社員の希望の把握 46.6 40.6 37.5 40.9
能力・スキルの評価 65.2 66.4 63.3 63.9
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-労働政策研究・研修機構(J I L PT )
図表 3-7 経営戦略:採用類型別
注.[A]の見解または[B]の見解の下に示している比率は、それぞれの見解に「近い」または「やや近 い」と回答した企業の比率。
いまひとつ、経営活動との関連を確認するため、調査時点からさかのぼって
3年の間にど のような経営上の取り組みを行ってきたかを、それぞれの類型企業についてまとめた(図表 3-8) 。こちらでは「同業他社との協働の発展」をすすめたという企業の比率において、類型 間の差が認められる。一致型採用企業では「同業他社との協働の発展」を進めたという企業 が半数を超え、他の類型におけるよりも比率が高くなっている。この結果からは、同業他社
(単位:%)
n
[A]高付加価値製品・
サービスによる競争 力強化
[B]他社よりもコスト面 で優位に立つ
[A]製品・サービスの 品質向上に力を入れ
る
[B]営業・販売の強化 に力を入れる
一致型採用 178 77.5 18.5 66.9 29.2
仕事継続型採用 143 81.2 15.4 66.5 30.1
変化型採用 237 79.3 19.9 65.4 33.8
全体 1764 78.6 17.7 66.3 29.8
n [A]企業規模の維持を 重視
[B]企業規模の拡大を 重視
[A]開発から生産、営 業までを一貫して自
社で行う
[B]自社の得意な機能 分野(開発、営業、生 産等)に注力する
一致型採用 178 45.0 53.4 46.7 47.2
仕事継続型採用 143 44.8 54.6 42.7 52.5
変化型採用 237 52.7 45.6 42.2 56.6
全体 1764 56.7 38.7 42.5 52.2
n [A]海外にも進出して いく
[B]地元に密着して事 業を行う
[A]既存の人材に合わ せて事業戦略を立て
る
[B]事業戦略に合わせ て人材を採用する
一致型採用 178 16.9 80.4 40.5 56.2
仕事継続型採用 143 36.4 60.9 35.0 61.6
変化型採用 237 19.0 79.3 38.4 59.9
全体 1764 23.4 72.5 36.6 59.0
n [A]新規事業の開拓を 重視
[B]既存事業の継続・
強化を重視
一致型採用 178 28.7 68.6
仕事継続型採用 143 34.3 62.3
変化型採用 237 28.3 70.4
全体 1764 30.1 65.7
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図表 3-8 過去3年間で行った経営上の取り組み:採用類型別
(単位:%)
一致型採用 仕事継続型採用 変化型採用 全体
n 178 143 237 1764
本業での新規事業の開始 59.0 63.0 61.2 62.7
本業以外の事業への進出 29.2 25.2 37.5 31.3
新たな地域への進出(国内、もしくは、海外) 37.0 45.5 40.5 40.7
新事業の整理・本業への集約 30.8 28.0 32.9 32.0
同業他社との協働の発展 51.7 39.2 45.2 45.5
異業種とのコラボレーションの進展 29.2 29.4 29.9 29.7
不採算店舗や施設の廃止 29.2 23.1 22.8 27.8
新規顧客や営業経路の開拓など営業強化 77.0 80.5 82.8 79.6
事業運営でのITインフラの活用 66.3 67.2 72.2 66.5
財務・経理・人事など、管理間接部門の充実 65.7 67.9 72.6 67.1
社員への教育訓練 89.8 86.0 91.2 86.4
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-労働政策研究・研修機構(J I L PT )
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