Opportunity
4. 経営危機企業の取るべき事業戦略
4. -1 経営危機企業の再生プロセス
破綻回避の為の危機管理と抜本的な事業再生計画の策定作業を短期間のうちに進める必要が ある。再生計画策定
•経営改革
•財務リストラ
•事業リストラ
•業務リストラ
•リスク管理
•アクションプラン
危 機 管 理
•破綻回避の為の資金 確保
•ステークホルダー対策
•可能なコスト削減
•過剰設備・不良在庫等 圧縮
•実態把握
•破綻要因
•再生の可能性
•再生スキーム
企業診断
関係者調整
•ステークホルダー調整
•新しいスポンサー
再生計画実行
再生計画モニタリング
ステークホルダー対応
成長戦略
•IPO等
•M&A
初 期 計画策定 実行・モニタリング 安定 再生
4. -2 経営危機企業は外部専門家の起用が必須
危機認識と危機感の共有① 経営陣の危機認識と社員との危機感の共有が再生への重要なfirst stepである。
みなが傍観者になっていた。社員一人ひとりが、会社の危機を自分の問題としてとらえて対 処しなければ再生はままならない (ゼロックス会長兼CEO アン・マルケイヒー: 2005年1月8 日朝日新聞 be on Saturdayより)
② 一般的に、経営危機に導いた経営者の危機意識は乏しく、債権者主導で再生へのスタート が切られる場合が多い。
外部専門家の起用① 危機状況の企業経営者の対処すべき事項は極めて多岐にわたり、経営力の劣化した状況で は的確に対処できない。
② 企業分析や計画策定の為のアドバイザーや再生プロセス検討の為に税務専門家や弁護士、
アドバイザー等の起用は必須である。
③ 企業再生・事業再生が本格化しつつある日本においても、危機管理遂行や再生計画遂行の 為の再生実務家の起用が、今後益々必要となろう。
4. -3 破綻回避の為の危機管理
経営破綻企業の緊急策の留意点は、経営不振企業と同様であるが、破綻回避の為の資金確保と ステークホルダー対策がより重要かつ最優先事項となる。
短期的な資金確保① 抜本的な事業再生計画策定・財務リストラ完了までのプロセスを想定しての資金確保が最優 先事項である(破綻回避の為に資金確保)。
② 資金繰りは、日々の資金繰りと最低6ケ月の月次資金繰り
③ この状況になるとメインバンクも追加与信をする事は困難であり、企業間信用の急速な収縮 は致命的となる。
④ 事業継続に最低限必要な営業資金や従業員への支払いを最優先にして、それ以外の支払 いは、Stand Stillとする必要性が高まる。
⑤ 再生対象外事業の早期売却
ステークホルダー対策① 主要金融機関・大口債権者や株主からの再生への支援確保が最重要
② 社内外の信用維持と風評対策:
4. -4 経営危機企業の事業戦略の基本
経営危機企業の事業戦略も、基本的には経営不振企業と同様の視点で検討するべきである。但 し、経営危機企業の資金繰り・収益状況はより厳しく、保有資産や事業の劣化が進んでいるので スピードと状況変化への弾力的かつ的確な対応が極めて重要となる。
経営危機企業の事業戦略は選択肢が限られたものになりやすい。
精緻さよりスピードを最優先し、総花的な経営改革より、再生対象事業にフォーカスした事業戦略 が必要である。4. -5 再生対象事業の選定
再生対象事業の選定方法① 再生可能な事業基盤の特定:
z QCDD(G)の視点より競争優位にあるor改善可能な商品・サービスを特定
② セグメント分析とべンチマーキング:
z 商品・サービスを市場別・顧客別・製造・販売拠点別等のセグメントに分けて分析
z 売上(販売数量x販売単価)、EBITDA(営業利益+減価償却費)、所要資金規模と資金 効率等のベンチーマークを同業他社と比較する
4. -6 再生事業の競争力回復
QCDD(G)の改善が基本① QCDD(G)の改善無くして競争力は回復しない。
② QCDD(G)の改善策は、製造・販売現場を見る事と顧客の意見聴取・競合先との比較を行い 策定する事がポイントである。
ビジネスプロセスの改善① BPR (Business Process Re-enginering)の視点で、プロセスのボトルネックを把握する。
② 部門間の連携不足や改善・工夫を行う意欲の欠如等の問題が根本にあるケース多い。
縮小均衡より拡大① 再生の為には、設備更新投資や新規投資も必要である。
② 事業投資の為の資金確保策が重要となる。金融機関主導の再生の場合は、新規融資に対 する新規融資が難しい場合も多い(新規資金スポンサーの確保)。
経営管理の充実① QCDD(G)改善の為の経営資源配分と実行状況のモニタリングの為に経営管理の充実も重 要である。
② 経営管理をサポートするITの有効活用。