[
23t
A026 0.
] mWb [
0 . 2 0 . 3 0 . 4 0 . 5 0 . 6 0 . 7 0 . 8
0 5 1 0 1 5 2 0 2 5 3 0 3 5
Trapped flux [mWb]
t/t
A 0
25 . 0
] mWb [
0 . 2 0 . 3 0 . 4 0 . 5 0 . 6 0 . 7 0 . 8
0 5 1 0 1 5 2 0 2 5 3 0 3 5
Trapped flux [mWb]
t/t
A 0
25 . 0
] mWb [
Fig. 4-1 実験による捕捉磁束の時間発展
Fig. 4-2 シミュレーションによる捕捉磁束の時間発展
v
A009 0 .
8 t
A0v
A009 0 .
8 t
A0Fig. 4-4 シミュレーションによる不純物イオン流速の時間発展 Fig. 4-3 実験による流速の時間発展
4-2 重水素イオンと不純物イオンの流速の比較
前節でモデルが実験結果を再現できていることがわかった。そこで、本節で は、不純物イオンスペクトルのドップラーシフトを用いた、FRC プラズマ流速 分布計測の妥当性を評価するため、重水素イオンと不純物イオンの流速を比較 する。その際、電場を(3.35)式の簡略化したオームの式で与えた場合と、(3.34) 式のローレンツ力及び圧力勾配を考慮した式で与えた場合について比較する。
4-2-1 オームの式を簡略化した場合のイオン流速
まず初めに、(3.35)式の簡略化したオームの式により、電場を求めた場合の重 水素イオンと不純物イオンの流速を比較する。
Fig. 4-5に重水素イオンと不純物イオンの流速の時間発展のグラフを示す。(a)
は O-pointでの流速の時間発展を示し、(b)は separatrixでの流速の時間発展を示
している。まず、(a)のグラフを見てみる。このグラフを見てわかるように、重 水素イオンの流速は時間の経過とともに増加していく。そして、不純物イオン の流速は重水素イオンの流速に追随するかのように増加していき、約8tA0 程で 重水素イオンとほぼ同じ流速になっていることがわかる。それに対し、(b)のグ ラフは、重水素イオンの流速は増加していくが、不純物イオンの流速はほとん ど増加せず、横這いになっている。
(a) O-pointでの流速の時間発展
4-2-2 ローレンツ力及び圧力勾配を考慮した場合のイオン流速
次に、ローレンツ力及び圧力勾配を考慮したオームの式により、電場を求めた 場合の重水素イオンと不純物イオンの流速を比較する。
Fig. 4-6に重水素イオンと不純物イオンの流速の時間発展のグラフを示す。(a)
は O-pointでの流速の時間発展を示し、(b)は separatrixでの流速の時間発展を示
している。まず、(a)のグラフを見てみる。前節の場合と同様に、重水素イオン の流速は時間の経過とともに増加していく。そして、不純物イオンの流速は重 水素イオンの流速に追随するかのように増加していき、約8tA0 程で重水素イオ ンとほぼ同じ流速になっていることがわかる。
(b)のグラフについてだが、約 2tA0から約 3.5tA0、及び、約 5tA0以降の区間の
不純物イオン流速は信頼のおける結果ではない。この区間では計算上の問題に より正確な結果が得られていない。なぜこのような結果になっているか説明す る。
まず、本シミュレーションでは、第 3章で説明したPIC法によりイオン密度ni と流束γを集計し、
i
i n
u γ (4.1)
により、イオン流速uiを求めている。このとき、イオン密度niが非常に小さい
Fig. 4-5 シミュレーションによる不純物イオン流速の時間発展
(b) separatrixでの流速の時間発展
場合、イオン流速uiが発散してしまう。そのため、イオン密度niが小さい場合 は、イオン流速uiを0としている。
Fig. 4-6 のイオン流速の時間発展のグラフは、磁場と磁束から O-point 及び
separatrix の r 軸方向の位置を判断し、その前後の 2 点のグリッドの流速を用い
て補間して、それぞれの点での流速を計算している。そのため、どちらかのグ リッド点が、上述したような低密度で、流速が 0 となっていた場合、補間がう まくいかなくなってしまう。Fig. 4-6(b)のグラフの約2tA0から約3.5tA0、及び、
約 5tA0以降の区間の不純物イオン流速は、この現象が起きてしまっている。よ って、この区間は考慮せず、約3.5tA0から約5tA0までの区間を考慮する。
この区間だけを見てみると、前節の結果と異なり、不純物イオンの流速は重 水素イオンの流速に追随するかのように増加していくのがわかる。
(a) O-pointでの流速の時間発展
4-3 考察
「4-2 重水素イオンと不純物イオンの流速の比較」で示した結果について、
測定点の違い、及び、電場による違いの2点から考察する。
4-3-1 測定点による違い
「4-2-1 オームの式を簡略化した場合のイオン流速」の結果より、測定点の 違いで妥当性の評価に差が出ることがわかった。そこで、O-pointとseparatrixに よる違いを考察する。O-pointとseparatrixによる最大の違いは磁場の強さである。
Fig. 1-4 を見てわかるように、O-point では磁場がない。しかし、separatrix では
磁力線が集中し、磁場が強いことがわかる。このことが結果に影響していると 考えられる。
第 1 章でも少し触れたが、粒子は磁力線の周りを回転しながら運動(ラーマ 運動)する性質がある。そのため、磁場の強いseparatrixでは粒子が磁力線に捕 らわれる。それに対し、磁場のない O-point では粒子が磁力線に捕らわれない。
その結果、磁力線の影響がないO-pointでは、クーロン衝突により流速が変化し やすい。しかし、separatrix ではクーロン衝突が起きても、磁力線の影響の方が 強いため、クーロン衝突によって流速は変化しにくい。磁場の強い場所での流 速は、クーロン衝突ではなく、ドリフトが支配的である。
次節でドリフトの1種である反磁性ドリフトについて説明する。
(b) separatrixでの流速の時間発展
Fig. 4-6 シミュレーションによる不純物イオン流速の時間発展
4-3-1-1 反磁性ドリフト
流体要素はたくさんの粒子から成り立っているので、もし個々の粒子の旋回 中心が磁場Bに垂直な方向にドリフトをすれば、流体もBに垂直な方向にドリ フトすることが期待される。しかしながら、 pの項は流体方程式にのみ現れる ので、流体要素はするが粒子はしないというようなドリフトを考える。運動方 程式は、各粒子につき
p t qn
mn v v v E v B
(4.2) となる。ここで、 i
t ととり、v のみ考えると、
t
vと v Bとの比は
B c
qnv v
mni (4.3)
となる。 cの時間スケールに比べて遅いドリフトについては、
t
vは無視できる。
v
v の項も無視できる。Fig. 4-7のような磁場で閉じ込められたプラズマ柱の 場合のように、EとBは一様であるがnとpのように勾配がある場合、(4.2)式と
Bの外積を作ると、
B B
B B E
B B
B B
E
p B
qn
p qn
2
0
v / v
v (4.4)
となる。したがって、
D
qnB E
p
B v v
v E 2B 2B
(4.5) となる。ここで、
B2 E
B
v E (4.6)
qnB2
p
D
v B (4.7)
である。ドリフトvEをE Bドリフトといい、旋回中心のものと同じである。vD は反磁性ドリフトといい、勾配の方向に対して垂直なドリフトである。また、
n n p
p (4.8)
を使うと、(4.7)式は
n n z eB
T kB
D
v ˆ (4.9)
と書ける。このドリフトの物理的説明はFig. 4-8のように示される。ここには、
磁場中を旋回しているイオンの軌道が描かれている。左に向かって密度勾配が あるとすると、任意の固定された体積要素を通りぬけるイオンの数は、上方に 行くものよりも、下方に行くものの方が多い。そのため、密度勾配があると、
その方向に垂直な方向のドリフトが生じる。
zˆ B ˆ
p
v
Div
Den
BFig. 4-7 円柱プラズマ内の反磁性ドリフト
Fig. 4-8 反磁性ドリフトの説明
4-3-1-2 イオン密度分布
前節の説明により、反磁性ドリフトは密度勾配に依存することがわかる。そ こで、Fig. 4-9に重水素イオンの密度分布を示す。また、Fig. 4-10に不純物イオ ンの密度分布を示す。時間経過に伴い、重水素イオンはz軸に沿って外部へ徐々 に漏れていくが、密度分布はあまり変化せず、separatrix 付近の密度勾配が保た れている。それに対し、不純物イオンは外部には漏れていかず、より密度の高 い場所へと集まっていく。そして、separatrix 付近の密度勾配はほとんどなくな っている。
このことから、Fig. 4-5(b)の結果になったと考えられる。重水素イオンは密度 勾配を保っているため、反磁性ドリフトにより流速が得られるが、不純物イオ ンは密度勾配があまりなく、流速がほとんど得られない。
(a)0.0 tA0→(b)2.0 tA0→(c)4.0 tA0→(d)6.0 tA0→(e)8.0 tA0→(f)10.0 tA0
Fig. 4-9 重水素イオンの密度分布 Fig. 4-10 不純物イオンの密度分布
4-3-2 電場による違い
「4-2-1 オームの式を簡略化した場合のイオン流速」の結果と、「4-2-2 ロー レンツ力及び圧力勾配を考慮した場合のイオン流速」の結果を比べると、
separatrixでの不純物イオンの流速に大きな違いがでることがわかった。そこで、
電場による違いを考察する。
(3.35)式の簡略化されたオームの式では、 方向の電場しか存在しない。それ
に対し、(3.34)式のローレンツ力及び圧力勾配を考慮したオームの式は、r方向 及びz方向の電場も存在する。Fig. 4-11,Fig. 4-12にそれぞれの場合の各成分の 初期電場分布を示す。r方向及びz方向の電場が存在すると、(4.6)式により、 方 向へのE×Bドリフトが生じる。つまり、電場による違いは、 方向へのE×Bド リフトの存在である。
Fig. 4-13にE×Bドリフトの時間発展を、Fig. 4-14に反磁性ドリフトの時間発
展を示す。両者を比較すると、反磁性ドリフトよりも、E×B ドリフトの方が流 速が速く、支配的であることがわかる。なお、Fig. 4-7のグラフで5.5tA0以降の 不純物イオンのドリフト速度は、「4-2-2 ローレンツ力及び圧力勾配を考慮した 場合のイオン流速」で述べたことと同じ理由で、正確な結果ではない。
2.0 2.0 [×10-4]
2.0 2.0 [×10-4]
0 2.
2.0 [×10-4]
0 2.
2.0 [×10-4]
2.0
2.0 [×010-4] 2.
2.0 [×10-4]
0 5. 5.0 [×10-2]
0 5. 5.0 [×10-2]
0 5. 5.0 [×10-3]
0 5. 5.0 [×10-3]
0 5. 5.0 [×10-3]
0 5. 5.0 [×10-3]
Fig. 4-12 ローレンツ力及び圧力勾配を考慮したオームの式の場合の初期の電場分布 Fig. 4-12 簡略化されたオームの式の場合の初期の電場分布
(a) r成分 (b) θ成分 (c) z成分
(a) r成分 (b) θ成分 (c) z成分
Fig. 4-13 E×Bドリフトの時間発展
Fig. 4-14 反磁性ドリフトの時間発展