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第 32 回環境保全・公害防止発表会における報告発表

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5.2 その他の報告発表要旨

5.2.1 第 32 回環境保全・公害防止発表会における報告発表

5.2.2 「第18回環境情報ネットワーク研究会」における報告発表

5.1 国立環境研究所シンポジウムにおける研究発表要旨

5.1.1 日本における光化学オキシダント等の挙動解明に関する研究 発表者:

○山川 和彦(京都府保健環境研究所)、若松 伸司(国立環境研究所)、国立環境研究所・C型共 同研究グル-プ

5.1.1.1 はじめに

日本全国で、オキシダント(Ox)の環境基準がほとんど達成されていない状況が続いている。

また、大原1)の報告では経年的に見ても全国的に濃度上昇の傾向が見られ、京都府において もほかの汚染物質濃度に低下の傾向が見られる中 Ox のみが上昇している。これらの原因解 明を行うため、国立環境研究所と地方環境研究所複数機関との共同研究(C型共同研究)を 開始した。

第1期は平成13年度から3カ年で「西日本及び日本海側を中心とした地域における光化学 オキシダント濃度等経年変動に関する研究」2)、3)を実施。引続き平成16年度から「日本に おける光化学オキシダント等の挙動に関する研究」を実施し、Ox等の挙動の原因と考えられ る要因を掲げ、グル-プに分かれて検討を行っている。ここでは、研究全体の概要について 報告する。

30 35 Ox(ppb)

0 5 10 15 20 25 30

60 62 元 3 5 7 9 11 13 15 年度

ppb Ox平均

0 5 10 15 20 25 30 35 40

60 62 元 3 5 7 9 11 13 15 年度

μg/m3 SPM平均

0 5 10 15 20

60 62 元 3 5 7 9 11 13 15 年度

ppb NO平均

NO2平均

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35

60 62 元 3 5 7 9 11 13 15 年度

ppmC NMHC平均

図5.1.1.2京都府の汚染物質経年変化 5.1.1.2 解析内容

Ox等の挙動の要因として考えられる内容は (1)大都市周辺地域での高濃度出現

① オキシダント濃度の上昇傾向の把握

② 高濃度出現時の事例解析

(2)高濃度汚染気団の海陸風等による移動と停滞

① 連続高濃度オキシダント出現時における汚染気団の成長の過程とオキシダント濃度の時 間変動

② 海陸風前線の到達の時間、距離及び濃度

③ 前日の高濃度汚染気団の滞留と翌日の早い時間からの濃度上昇との関係

④ ヒ-トアイランドが発生したときの影響(可能性)

⑤ 日没後もオキシダント濃度が下がらない原因(高濃度維持 供給源)と都市域での局地 風について

(3)オキシダント高濃度時の窒素酸化物(NOx)及び浮遊粒子状物質(SPM)等成分との関係

(4)高濃度出現季節の早期化

① 大陸からの移流または成層圏オゾンからの流れ込みと光化学反応

② 平均気温・日射量との関係

(5)その他の検討事項として

① 気象がもたらす影響(前線による影響を含めた気圧配置)

② 上層気流との関係

③ オキシダントが高濃度に成らなかった年の特徴の把握及び測定機の誤差や継続性 等である。

これらの内容を参加機関の大気汚染常時監視デ-タ等を用いグル-プに分かれて解析して いる。

5.1.1.3 大気環境学会での中間報告(平成 17 年 9 月 7 日~9 日、名古屋市)

平成17年度第46回大気環境学会年会において、中間報告として7題の報告を行った。そ の概要は次のとおりである。

(1)日本における光化学オキシダント等の挙動解明に関する研究(山川 和彦:京都府保健環境 研究所)

研究の背景、経過及び概要について報告した。

(2)日没後もオキシダントが下がらない原因(三原 利之:岐阜県保健環境研究所)

日没後もオキシダント濃度が下がらない地域が見られ、時には光化学スモッグ注意報を発 令したままで解除に苦慮する場合が生じている。そこで、日没後もオキシダント濃度が下が らない現状を把握するため、18時において60ppb以上となる超過日数やオキシダント濃度の 低下幅の比較を行った。夜型・朝型などに区分し、日本近辺や大陸起源、成層圏からの影響 を後方流跡線解析から検討した。

(3)光化学オキシダントと NOx・SPM・NMHC 等との関連(大野 隆史:名古屋市環境科学 研究所)

(4)オキシダント濃度月別出現パタ-ンの広域的分布(森 淳子:長崎県衛生公害研究所)

国立環境研究所と地方環境研究所とのC型共同研究において大気常時監視デ-タを統一フ ォ-マットで整理し、統一された手法で解析を行った。その結果、オキシダント濃度の月別 平均値等の出現パタ-ンに地理的特徴があることが分かった。春から秋まで高濃度が続く一 山型パタ-ンは関東・関西のNOx濃度が高い都市部に出現した。西日本一帯では春に大きな ピ-ク、秋に小さなピ-クがみられるパタ-ンが出現したが、北へ行く程秋のピ-クが小さ くなる傾向が見られた。

(5)光化学オキシダントと比湿(湿度)及びBe との関係について(大石 興弘:福岡県保健環 境研究所)

光化学オキシダントの高濃度に関して、大気沈降の指標として比湿及びBe を検討した。

最低湿度は3~6 月に40%前後と低く、湿度が低い程、オキシダント濃度が高くなる関係が 見られた。オキシダントとBeは正の相関を示し,またBeと比湿は高い相関を示した。オ キシダントの高濃度は寒冷前線の通過後の比湿の低下後に見られた。

(6)METEXを利用した成層圏大気の降下事例の解析(山崎 誠:福岡市保健環境研究所)

光化学オキシダントの広域的高濃度現象に及ぼす成層圏大気の降下の影響を把握するため の解析の一環として、国立環境研究所が開発した METEX プログラムを用いて福岡市上空 500mを起点とした14年間分の5日間後方流跡線解析を行った。高度5000mを通過した場 合に成層圏大気の降下の可能性ありとして抽出したところ、年間の日数は7~27日と変動が 大きかった。季節は春・秋が多く、冬にも見られたが夏季は見られなかった。オキシダント 濃度の上昇と関連すると思われる事例も抽出された。

(7)平均気温、日照時間とオキシダント濃度の長期変動(田中 孝典:島根県保健環境科学研究 所)

全国的なオキシダント濃度の長期的上昇傾向を明らかにするため、オキシダント濃度、日 照時間、平均気温の長期変動について調べ、それぞれの関係について考察した。

5.1.1.4 今回の交流シンポジウムにおいては、

各グル-プにおいて、さらに検討した内容を加えると共に、さらに、「大阪平野におけるオ キシダント濃度の解析-海風前線の影響について-」及び「ヒ-トアイランドが発生した時 の影響」についても報告を行う。

(1)大阪平野におけるオキシダント濃度の解析 -海風前線の影響について-

(2)夜間にオキシダント濃度が下がらない原因について

(3)平均気温,日照時間とオキシダント濃度の長期変動について (4)光化学オキシダント濃度の上昇に対する高層大気の影響

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