• 検索結果がありません。

第1回と第2回の準備

1級 2級

日本語史皿 4 2 選択科目

A. 第1回と第2回の準備

  a.ニュージーランド日本語シラバスとニュージーランド事情の勉強     1.シラバスの翻訳

    2.簡単な歴史、地理、社会

    3.実施校の英文プロスペクタスの勉強     4.記録ビデオによる教授法の勉強     5、ニュージーランドの歌の勉強   b.シラバスに基づいた教材等の作成等     1.ビデオ教材(トピックごとに)

    2.会話教材(トピックごとに)

    3.町の声、町の音、録音と解説文と写真     4.絵パネル作成とコピー

 B.事後   a.反省会   b.報告書作成   c.記録ビデオの編集

 C.第3回の課題(上記に加えて)

  a.目本の新聞を読む習慣をもつこと(日本事情に通じておくこと)。

  b.教室と教員室で使う英語の練習(約300の短文と語句)。

  c.FORM 5 CERTIFICATEの模擬試験問題集の作成

  d.現地の先生方作成の教材の語句のチェックをすること。

  e.人に自分の考え、意思を伝える練習をすること。スピーチではない。沈黙     は金ではすまされないことが、異文化接触では多いこと。ことにステイ先     で。

1990年度ニュージーランド日本語教育研修日程

月  日 摘      要

1989.12.8(金)

(研修参加者を募る)

第1回 研修説明会

iggo.5.2〈水)

(参加者決定)

旅行会社による説明会

出         発         前

5.8(火) 研修内容の詳細について近藤先生による説明会。

参加者をネピア組とクライストチャーチ組とに分

ける。

5.9(水)〜

7.14(土)

ネピア組とクライストチャーチ組に分かれ、それぞ れ勉強会を行う(週1回程度の割合で)

7.16(月)〜

7.26(木)

全体でビデオやシナリオなどの教材を作成。

7.27(金) 出発前日。最終打ち合わせ。

7.28(土) 20:30成田を出発(TE−34ニュージーランド航空)

研  修   中

7.29(日) 09:30オークランドに到着。ネピア組とクライスト   チャーチ組に分かれ、それぞれ目的地へ移動。

7.30(月)〜

8.16(木)

それぞれの学校で日本語教師教育実習。

8.17(金) クライストチャーチ組は北島のロトルアへ移動し、

ネピア組と合流。ロトルア市観光、ハンギディナー とマオリコンサート見学。

(ロトルア泊)

8.18(土) ロトルアからワイトモへ移動。ワイトモ洞窟で土ボ タルを見学。昼食後、オークランドへ。

(オークランド泊)

8.19(日) 終日自由行動。 (オークランド泊)

部の学生は帰国。

8.20(月) 09:45オークランドを出発(TE−33ニュージーラン

ド航空)。

17:25成田に到着。通関終了後、解散。

10.19(金) 研修報告会。 (年内に研修レポートを提出すること が決まる)

1991.1.11(金) ビデオ、レポートの編集を開始。

1.22(火) 「日本語のつどい」を行う。学年を問わず、日本語

に興味がある者が集まり、ニュージーランド研修参 加者の体験談を中心に情報を交換し合う。

2.25(月) ビデオ(学校用・個人用)、レポート集(文集形式 の冊子)の完成パーティー。

(『1990年海外日本語教育実地研修報告書』pp.7−8より)

皿 海外教育実習をめぐる問題点

 海外教育実習に関する、いくつかの問題点をめぐって意見交換がなされたが、そ のうち以下の5点にっいて、協議会出席者の発言の一部分をここに収録した。

 (1)実習生受け入れ側への謝礼等について  (2)引率者の役割にっいて

 (3)海外教育実習の意義について

 (4)実習先でのコミュニケーションの問題にっいて  (5)日本語教員免許状にっいて

(1)実習生受け入れ側への謝礼等について 杏林大学

 海外の実習では受け入れ側にかなりいろいろなことをしてもらって、非常に申し 訳ないという気がしている。教育実習を受け入れる側のメリットというのは、どん なものがあるのかということを考えたい。

麗沢大学

 台湾の淡江大学の場合、麗沢大学の学生が向うの大学の学生と一緒に大学の寮に 住んでいることで、喜ばれているようである。寮生活では日本語ばかり使うので、

麗沢大学の学生の中国語が伸びないというほどである。

 イギリスのスターリング大学の場合も、現地の人と同じ寮に入っているという報 告を受けていた。ただ、タイの場合、麗沢大学からの学生がしばらくたって、自分 で外に住みたいと言いだしたため、協定が崩れうまくいかなかったことがあった。

そのため、2年目にはタイには行かなかった。

文教大学

 文教大学の場合、ニュージーランドの実習では現地の先生に指導費を払っている。

この指導費はニュージーランド国内の教員組合との協定に基づいている額で、実習 生1人20,000円である。これはニュージーランド人実習生の場合も同じ額である。

 ホームステイ経費は1日3食付き日本円で1,500円ぐらいである。このため、海 外実習費がかなり節約できている。ただし、文教大学から各学校へできるかぎり教

材を寄贈することにしている。その他実習生は、副教材作り、練習問題作成などを 手伝い、受け入れ側の教師からも喜ばれている。

広島大学

 インドネシアでは実習生全員がホームステイなので、ホームステイのなかでイン ドネシアの学生と親しくなる利点がある。指導費という名目で、大学にはインドネ シア側の指示にしたがって、1人15.000円払っている。

名古屋大学

 オーストラリア、アメリカの大学の場合は、名古屋大学の教官が現地の先生と親 しいので、その関係で実習生を受け入れてもらっている。現地の日本人の先生が来 日した時に、率直にお礼をどうしたらよいか尋ねたところ、名古屋大学のテキスト、

IMJのテキストの手引き、ビデオ(コマーシャルが入った民放のもの、ドラマ、

風景)などが欲しいと、具体的な注文をしてくださったので、実習生となる3名が それぞれ2本ずっビデオテープを作成し、合計6本のビデオテープを実習前にまと めて船便でお送りした。

杏林大学

 パジャジャラン大学に関しては、広島大学と同じように研修費というのを一人一 人の先生に何万ルピアというかたちで払っている。パジャジャラン大学側は、日本 語のネイティブの人が来てくれてうれしい、学生も満足であるという話しである。

 去年は、シンガポール大学とパジャジャラン大学には、文化フォーラムでっくっ た10冊がセットになった写真集などをお土産として持っていった。また、最後の 日に教授法の講義をするように言われて、引率していった私が3時間ぐらい話をし た。サヨナラパーティーの費用はこちらが負担したが、かえって時間をとって負担 をかけているかもしれない。

 シンガポール大学の場合、今年はスタッフが一度に変わったため、我々が行って から実習プログラムをっくることになり、負担をかけてしまった。来年もぜひ来て

くださいと言われたが、本当にこれでよいのか気になっている。

(2)引率者の役割について 杏林大学

 私の場合は、引率教官として参加し、インドネシアのパジャジャラン大学では実 際の教壇実習を見ていたが、そのような場合には現地のスタッフが実習生の授業に 対して、何らかの評価をすることはなかなかできないのではないか。すなわち、現 地の先生が何かコメントしようとしても、引率教官に遠慮してか正確な評価を口に しない。それでは、現地には行かずに現地のスタッフに評価を任せればよいのかと いうと、やはりこちらでも責任をもちたいし、その兼ね合いがむずかしい。

麗沢大学

 教師がっいて行くにしても行かないにしても、大学の課程でやっていることであ るから、もしも何かが起きた時に本当に責任がもちきれるかどうか、非常に問題に なっている。学生に保険をかけていくが、どんな保険をかけていても、最後には大 学の責任になるので、数年前にあったような修学旅行先の列車事故のようなことに なるのが一番心配である。麗沢大学では、現地で事故が起こった場合は、自分もち であるという誓約書を書かせているのだが、他の大学はどうしているのか。

広島大学

 麗沢大学と同じように、誓約書を書かせている。現地の受け入れ側からも、教師 がいっも学生にっいている必要はないが、何か起こった時の連絡先が欲しい。すな わち、引率して欲しいと言われている。しかし、海外での実習先が何箇所かに分か れている場合、すべてに引率教官がっくことはむずかしいので、現地の日本人教師

(卒業生など)の好意に甘えて、巡回してもらっている。

名古屋大学

 名古屋大学の場合は、誓約書までは取っていないが、本人の責任で行くことを口 頭で確認している。実習生側からみると、実習が大学の必修単位であるにもかかわ らず、交通費・保険等すべてを自分で払って実習し、なおかっ事故が起きたら自分 の責任になるというのはちょっと気が重い。去年は、指導教官による視察はなく、

日本人教師による実習指導がまったくなかったので、やはり不安はあった。

麗沢大学

 海外で事故などが起こった場合、大学が責任をとるべきであるという声が理事会 で強いので、責任をとることになったが、具体的にどうするのかわからない。現地 のコーディネーターの細かい配慮があるので、もし何か起きた場合でも、一応任せ られると思っている。しかし、もし、大きな事故など起こってしまった場合などに は、海外実習の制度そのものが、続けられなくなるのではないかと心配している。

杏林大学

 杏林大学の場合、海外実習の主催者が大学ではなく、インドネシア旅行社になっ ていて、旅行会社が主催する研修ツアーに我々が参加するというかたちになってい る。したがって、最終的には旅行社が責任をとることになっている。ほかに、かな り多めの保険料(救援者費用を含む)が参加費に含まれている。現地での事故の場 合は、現地のコーディネーターに任せている。インドネシアでは軽い病人が多数出 たが、いいケアを受けることができた。現地との信頼関係が重要であると思う。

麗沢大学

 教官の引率については、欧米諸国での実習であれば、文書で連絡すれば初年度以 外引率の必要はないが、東南アジアの国の場合は、人間関係などの点からも最初の 数日だけでも毎年教官が引率していったほうがよいようである。

明海大学

 海外実習プログラムといっても、実習内容について、日本で綿密な計画を立てて いく場合と、現地側に受け入れに関してはすっかり任せる場合とがあると思う。そ のようなプログラムのあり方の違いについて考えずに、教官の引率の是非を問題に しても意味がない。大学院での教育実習と、学部3年での教育実習との差、そうい うことも含め、プログラムを総合的に考えたうえで、引率者の役割を位置づけるべ きではないか。

関連したドキュメント