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評価に関する事例

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第3編 評価に関する事例

評価規準の設定について

(1)評価規準の設定における基本的な考え方

第2編で示した理科の評価規準の設定例は,主に単元の評価規準を設定する際の参考 となるように作成している。評価規準を設定する際は,評価の観点の趣旨を踏まえ,単 元の指導のねらい,教材,学習活動等に応じて適切な単元の評価規準を設定することが 大切である。

自然事象への関心・意欲・態度

本観点では,児童が意欲的に自然の事物・現象に触れるなどの姿を,外的に観察可能 な活動を行う中で捉えるとともに,方法や成果を実際の自然や日常の生活の中で適用し たり応用したりしていく行動の中で捉える必要がある。

科学的な思考・表現

本観点では,児童が,問題解決の過程において,「事象を比較したり」,「関係付け たり」,「条件に着目したり」,「推論したり」しながら追究したことを,児童の発言 や記述等から捉える必要がある。特に,観察,実験において結果を表やグラフに整理 し,予想や仮説と関係付けながら考察を言語化し,表現することが大切である。

観察・実験の技能

本観点では,児童が自然の事物・現象を観察し,実験を計画的に実施し,器具や機器 などを目的に応じて工夫して扱うことを捉える必要がある。それとともに,それらの 過程や結果を的確に記録することも捉えていくことが大切である。なお,ここで扱う

「記録」は,あくまで観察・実験などの結果の処理であることに留意する。

自然事象についての知識・理解

本観点では,児童が自然の事物・現象を対象としながら科学的に追究することを通し て,自然の事物・現象についての知識を創造及び更新し,そのような考えをもっている 状態を捉えていく必要がある。

(2)評価規準の設定例等の活用

各観点の評価規準の設定例には,単元における指導と評価のポイントを盛り込んでい る。例えば,第4学年「A 物質・エネルギー」の「(1)空気と水の性質」における

「科学的な思考・表現」の評価規準の設定例について解説する。

【科学的な思考・表現】の評価規準の設定例】

・閉じ込めた空気や水の体積や圧し返す力の変化によって起こる現象とそれぞれの性 質を関係付けて,それらについて予想や仮説をもち,表現している。

・閉じ込めた空気や水の体積や圧し返す力の変化によって起こる現象とそれぞれの性 質を関係付けて考察し,自分の考えを表現している。

「科学的な思考・表現」の評価については,観察,実験に入る前と終わった後の二つ の場面で評価規準を設定し,児童の学習状況を評価することが考えられる。観察,実験 の前の場面である「予想や仮説をもつ段階」で,児童に閉じ込め空気を圧したらどうな

るかということを,文字や記号だけでなく,モデル図などを使って考察し表現させる ことが大切である。その予想や仮説を基に,注射器などを使って閉じこめた空気の空間 をつくって,体感を中心に確認する実験をさせる。そして,観察,実験の後の場面であ る「結果から結論をまとめる段階」で,注射器の目盛りなどを使い,量的な表現も加味 させながら,実験結果を考察し,結論としてまとめていくことが考えられる,

各事例のポイント

事例1 「燃焼の仕組み」 指導の計画から評価の総括まで(第6学年)

第6学年「A 物質・エネルギー」の「(1)燃焼の仕組み」を例とし,4観点を全て 評価した事例を紹介する。「自然事象への関心・意欲・態度」の観点については,植物体 が燃える現象や空気の変化について追究する活動から,児童の発言やワークシートの記述 を分析して評価する。「科学的な思考・表現」の観点については,物の燃焼と空気の変化 とを関係付けて物の質的変化について推論し,考えたことを図や文などで表現しているこ とを,児童のワークシートの記述を分析して評価する。「観察・実験の技能」の観点につ いては,気体検知管や石灰水などの実験器具を適切に使って安全に実験し,結果を整理し て記録していることを,児童の様子を観察したり記録を分析したりして評価する。「自然 事象についての知識・理解」については,植物体が燃えるときには,空気中の酸素が使わ れて二酸化炭素ができることを理解しているかどうかを,ペーパーテストやワークシート の記述を分析して評価する。

事例2 「金属,水,空気と温度」 科学的な思考・表現の評価(第4学年)

第4学年「A 物質・エネルギー」の「(2)金属,水,空気」を例とし,科学的な思 考・表現を評価した事例を紹介する。「科学的な思考・表現」の観点については,実験結 果を基に,自分の考えを適切な図や文などを使って表現していることを学習カードなどの 記述を分析して評価する。本観点は,観察,実験の結果から結論をまとめる段階において,

その結果を表やグラフに整理し,予想や仮説と関係付けながら考察を言語化することによ り,言語活動の充実を図ることがポイントとなる。

事例3 「人の体のつくりと運動」 観察・実験の技能の評価(第4学年)

第4学年「B 生命・地球」の「(1)人の体のつくりと運動」を例とし,観察,実験 の技能を評価した事例を紹介する。「観察・実験の技能」の観点については,人の体のつ くりについて,体に触れたり図鑑や映像などで調べたりする活動における児童の行動を観 察して評価したり,腕の骨や筋肉の動きについて硬さの変化を通して調べる活動における 児童のノートの記録を分析して評価したりする。

事例4 「身近な自然の観察」 自然事象への関心・意欲・態度の評価(第3学年)

第3学年「B 生命・地球」の「(2)身近な自然の観察」を例とし,自然事象への関 心・意欲・態度を評価した事例を紹介する。「自然事象への関心・意欲・態度」(生物愛 護)の観点については,生物をむやみに捕らない,観察したら元の場所に逃がすなどとい った身の回りの生物に愛情をもって関わったり,生態系の維持に配慮したりしようとして いる児童の様子を観察したり,記述を分析したりして評価する。

また,ここでは,第5学年「B 生命・地球」の「(4)天気の変化」の実践も紹介す る。

理科 事例1

キーワード:

単元名 燃焼の仕組み

指 導 の 計 画 か ら 評 価 第6学年「A 物質・エネルギー」 の総括まで

単元の目標

物の燃焼と空気の変化とを関係付けて,物の質的変化について推論する能力を育てる とともに,それらについての理解を図り,燃焼の仕組みについての見方や考え方をもつ ことができるようにする。

単元の評価規準

自然事象への 自然事象についての

関心・意欲・態度 科学的な思考・表現 観察・実験の技能

知識・理解

①植物体を燃やしたとき ① 物 の 燃 焼 と 空 気 の ① 植 物 体 が 燃 え る 様 ① 植 物 体 が 燃 え る と に起こる現象に興味・ 変 化 を 関 係 付 け な 子 を 調 べ る 工 夫 を き に は , 空 気 中 の 関心をもち,自ら物の が ら , 物 の 燃 焼 の し , 気 体 検 知 管 や 酸 素 が 使 わ れ て 二 燃焼の仕組みを調べよ 仕 組 み に つ い て 予 石 灰 水 な ど を 適 切 酸 化 炭 素 が で き る うとしている。 想 や 仮 説 を も ち , に 使 っ て , 安 全 に こ と を 理 解 し て い

②物の燃焼の仕組みを適 推 論 し な が ら 追 究 実験をしている。 る。

用し,身の回りの現象 し,表現している。 ② 植 物 体 の 燃 焼 の 様 を見直そうとしている。 ② 物 の 燃 焼 と 空 気 の 子 や 空 気 の 性 質 を 変 化 に つ い て , 自 調 べ , そ の 過 程 や ら 行 っ た 実 験 の 結 結 果 を 記 録 し て い 果 と 予 想 や 仮 説 を る。

照 ら し 合 わ せ て 推 論 し , 自 分 の 考 え を表現している。

指導と評価の計画(10時間)

次 時 主な学習活動 〔◇教師の支援・留意点〕 評価規準・評価方法

第 〔活動のきっかけ〕

1 1 ○瓶に火のついたろうそくを入れ, ◇やけどやけがをしない安全な実験 次 蓋をして燃える様子を観察する。 の方法を指導する。

〔問 題〕

3 瓶の中でろうそくを燃やし続けるにはどうしたらよいのだろうか。

間 2 ○燃やし続けるために必要なことは ◇野外活動などの経験を想起させ,

何かを予想する。 よく燃え続けさせるためにはどう

○燃やし続ける方法を話し合い,実 したらよいかを話し合わせる。

験の計画を立てる。 ◇燃える様子や時間等を意識して観

関心・意欲・態度① 行動観察・発言分析

3 ○入れ物の大きさや隙間の開け方を 察できるように助言する。

変えたときのろうそくの燃え方を ◇線香の煙の動きを見やすくするた

調べる。 めに,黒い紙を後ろにおく等の工

○空気の流れを線香の煙などを使っ 夫をする。

て確かめる。

〔見方や考え方〕

瓶の中の空気が入れ替わるようにすると,ろうそくは燃え続ける。

第 〔活動のきっかけ〕

2 4 ○空気はどのような気体なのかにつ ◇空気の組成を調べさせ,空気が混 次 いて資料等で調べる。 合体であることを捉えさせる。

〔問 題〕

5 物を燃やす働きのある気体は,何だろうか。

間 5 ○空気中のどの気体に物を燃やす働 ◇物を燃やす働きのある気体を予想 きがあるのかを予想する。 し,調べる計画を立てられるよう

○酸素,二酸化炭素,窒素それぞれ に助言する。

の中での燃え方を調べる。 ◇気体の捕集方法や気体発生装置の

○ろうそく以外に,木や紙,ピーナ 安全な使い方などを指導する。

ッツなども燃やし,燃える様子や ◇ろうそく以外の植物体も燃やし,

燃えた後の変化を調べる その変化を観察させ,燃えた後に

○二酸化炭素・酸素を発生させる。 炭や灰になることを確認させる。

〔見方や考え方〕

物を燃やす働きがある気体は,酸素である。

〔問 題〕

物が燃えた後の空気では,気体の割合がどのように変化するのだろう か。

○ろうそくを燃やす前や燃やした後 ◇燃やす前と燃やした後の瓶の中の の瓶の空気の変化を予想する。 空気の違いを,量として確認でき

○ろうそくを燃やす前や燃やした後 るワークシートに記入させる。

7 の瓶の中の空気の性質を調べる。 ◇石灰水や気体採取器の安全な扱い

○石灰水・気体検知管の使い方を知 方を指導する。

り,それらを使って空気の性質を ◇気体検知管を使った実験結果か

8 確かめる。 ら,モデル図などを利用して自分

○モデル図などを利用して,燃やす の考えを表現させる。

技能①

行動観察・記録分析

思考・表現① 記述分析

技能②

行動観察・記録分析

技能① 行動観察

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