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評価に関する事例

第3編 評価に関する事例

1 評価規準の設定について

(1)評価規準の設定における基本的な考え方

第2編で示した国語科の評価規準の設定例は,単元の評価規準を設定する際の参考となる ように作成している。

単元における評価に当たっては,基本的に,「国語への関心・意欲・態度」,「話す・聞く能 力」(「書く能力」,「読む能力」),「言語についての知識・理解・技能」の各観点の評価規準を 設定するようにする。具体的には,「評価規準に盛り込むべき事項」を参考にし,言語活動と 関連付けて設定する。

国語科における評価の観点(「国語への関心・意欲・態度」を除く)は,各領域及び〔伝統 的な言語文化と国語の特質に関する事項〕に対応している。すなわち,「話すこと・聞くこと」

の指導事項を指導した内容については「話す・聞く能力」で評価する。同様に,「書くこと」

の指導事項を指導した内容については「書く能力」,「読むこと」の指導事項を指導した内容 については「読む能力」,〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の事項を指導した 内容については「言語についての知識・理解・技能」で評価する。

「話す・聞く能力」,「書く能力」,「読む能力」については,基礎的・基本的な知識・技能 と「思考・判断・表現」とを合わせて評価する観点として位置付けたことに留意する必要があ る。国語科の場合,言語で考えて表現したり理解したりすることが基本的な学習活動である。

そのため,言語による「思考・判断・表現」と,言語の知識・技能とは密接,不離の関係であ り,個々に分けて評価することは困難である。そこで,「話す・聞く能力」,「書く能力」,「読む 能力」においては,生徒が知識・技能を活用して思考・判断・表現している状況を評価できる よう,評価規準を設定する必要がある。なお,「言語についての知識・理解・技能」の観点にお ける知識・理解・技能は,〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の内容についての知 識・理解・技能を指す。

(2)評価規準の設定例等の活用

「評価規準の設定例」は,「評価規準に盛り込むべき事項」を参考にし,言語活動と関連付 けて具体化する際の例を示したものである。その活用の仕方について,第2学年の「話すこ と・聞くこと」を例に解説する。

まず,学習指導要領の指導事項から,本単元で指導するものを決める。例えば,エの指導 事

項は次のとおりである。

・話の論理的な構成や展開などに注意して聞き,自分の考えと比較すること。

これを受けて,「評価規準に盛り込むべき事項」として,次のように示している。

・話の論理的な構成や展開などに注意して聞き,自分の考えと比較している。(エ)

実際の授業においては,具体的な言語活動を通して指導事項を指導するため,この内容を更

に具体化して評価規準を設定することになる。その一例を示したのが,「評価規準の設定例」で ある。

ア-1 調べて分かったことについて説明する言語活動を通した指導

・説明を聞いて,話の要点や根拠となっている事実などを捉え,自分の考えと比較して納得 できるかどうか判断している。

イ 社会生活の中の話題について司会や提案者を立てて討論する言語活動を通した指導

・話の論理的な構成や展開などに注意して要点や根拠などを確かめながら聞き,自分の考え と比較して,賛成や反対などの判断をしている。

各学校においては,これらを参考にし,実際に取り上げる題材等も考慮して評価規準を設定 することが考えられる。

2 各事例のポイント

事例1 「観光パンフレットを批評しよう~説得力のある文章を書く~」(第3学年)

単元の指導計画と評価の実際 第3学年「書くこと」の指導事項イ・エを,「批評する文章を書く」言語活動を通して指 導した実践における評価事例を紹介する。

本事例では,中学校国語科における指導と評価の基本的な考え方について概説する。

事例2 「時事問題を語ろう~経験や知識を整理して話し意見交換する~」(第3学年)

「話す・聞く能力」の音声表現による評価 第3学年「話すこと・聞くこと」の指導事項ア・ウを,「スピーチし意見交換する」言語 活動を通して指導した実践における評価事例を紹介する。

本事例では,音声言語によって評価する方法の一例を示す。

事例3 「『少年の日の思い出』を朗読しよう~自分のものの見方や考え方を 広げる~」(第1学年) 言語活動を通した指導と評価 第1学年「読むこと」の指導事項ウ・オを,「朗読する」言語活動を通して指導した実践 における評価事例を紹介する。

本事例では,言語活動を通して指導した指導事項について評価する際の留意点を説明する。

事例4 「『徒然草』を読んで暮らしについて考える~文章の内容について自分の考え をもつ~」(第2学年)

領域と関連させた「伝統的な言語文化に関する事項」の指導と評価 第2学年〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の中の「伝統的な言語文化に関 する事項」を,「読むこと」の領域と関連付けて指導した実践における評価事例を紹介する。

本事例では,古典を教材とした指導において,「読む能力」と「言語についての知識・理 解・技能」を評価する方法の一例を示す。

国語科 事例1 キーワード:

単元名 観光パンフレットを批評しよう 単元の指導計画と

~説得力のある文章を書く~ 評価の実際

第3学年「B 書くこと」

1 単元の目標

(1) 社会生活の中の事柄やその背景に関心をもち,客観的に分析して自分の考えを深めよう とする。

(2) 論理の展開を工夫し,資料を適切に引用するなどして,説得力のある文章を書くことが できる。

(3) 書いた文章を互いに読み合い,論理の展開などについて評価して,自分の表現に役立て ることができる。

(4) 語感を磨き,適切な語句を選択し文章を書くことができる。

2 単元の評価規準

)内は該当する指導事項等の記号

言語についての 国語への関心・意欲・態度 書く能力

知識・理解・技能

①複数の観光パンフレットの内 ①パンフ レットについての ①読み手に自分の考えが伝わ 容 や 体 裁 に つ い て 関 心 を も 自 分 の 意 見 が読 み 手に 伝 るように,適切な語句を選 ち,批評する文章を書こうと わ る よ う な 文章 構 成を 考 択 し て 使 っ て い る 。( (1) している。 え , パ ン フ レッ ト の内 容 イ(イ))

等を適切に引用しながら,

批 評 す る 文 章を 書 いて い る。(イ)

②書いた 文章を互いに読み 合 い , 論 理 の展 開 や資 料 の 引 用 の 仕 方に つ いて 評 価 し て , 自 分の 表 現に 役 立てている。(エ)

3 指導と評価の計画(5時間)

(1) 単元の設定

本単元では,第3学年「書くこと」の言語活動例「ア 関心のある事柄について批評する文章 を書くこと。」を通して,指導事項「イ 論理の展開を工夫し,資料を適切に引用するなどして,

説得力のある文章を書くこと。」,「エ 書いた文章を互いに読み合い,論理の展開の仕方や表現 の仕方などについて評価して自分の表現に役立てるとともに,ものの見方や考え方を深めるこ と。」及び〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕「(1)イ(イ) 慣用句・四字熟語など に関する知識を広げ,和語・漢語・外来語などの使い分けに注意し,語感を磨き語彙を豊かにす ること。」を指導する。

(2) 本単元の指導と評価の計画

時 狙い,学習活動 〔指導上の留意点〕 評価規準・評価方法 1 ○学習の狙いや進め方をつか ・学習の狙いと,言語活動の

む。 内容を具体的に示し,学習の

見通しをもたせる。

観光パンフレットの特色について話し合う。

○観光パンフレットの役割につい ・観光パンフレットは,地域の て話し合う。 観光地や特産品などを紹介す る媒体の一つであることを理 解させる。

自分が選んだ観光パンフレットの内容や体裁について,よい 点や課題を出し合う。

○内容や写真の使い方,ページ数,・観光パンフレットは,教師が [国語への関心・

大きさなどに着目して複数の観 準備しておく。 意欲・態度]① 光パンフレットを比較し,それ ・学級の全員が共通して比較検 ワークシート,観察 ぞれのよい点や課題をワークシ 討する点を示すとともに,生

ートにまとめる。 徒が個別に比較する点も考え

○比較した内容を紹介し合う。 てまとめさせる。

○批評する文章に書く項目を決め ・比較した内容を4人程度のグ

る。 ループで紹介し合う。

批評する文章の構成を知る。

○教師が示した批評する文章のモ ・段落ごとに文章と構成メモを デルを読み,構成メモの書き方 照合させ,構成メモから文章

を知る。 を書くイメージをもたせる。

構成メモをまとめる。

○前時で決めた項目を基に,文章 ・学習シートに次のような大小 [書く能力]① の付箋を貼り,構成メモを作 ワークシート,観察 の内容を構成メモに箇条書で

まとめる。 成する。大きい付箋は,段落

○自分の考えやその根拠をどのよ の 構 成 を 考 え る ため に 使 用 うな順序で書くかを検討し,伝 し,小さい付箋は,段落内の えたい内容が伝わる構成を考え 文章の展開を考えるために使

る。 用する。

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