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3. 競技会
まとめ
大会会場の競技空域
機体 (スホーイ26MX) をシェアした アメリカチームのマイク・リンカー氏
参考:参加国と参加人数
国 名 参加人数
1 ロ シ ア 10
2 ア メ リ カ 10
3 ス ペ イ ン 6
4 イ ギ リ ス 6
5 フ ラ ン ス 5
6 チ ェ コ 3
7 イ タ リ ー 3
8 ス イ ス 2
9 ド イ ツ 2
10 イ ス ラ エ ル 1
11 イ ン ド 1
12 日 本 1
WAC2007 Unlimited 総合成績、 国別順位、 参加機体等
今回の WAC2007も、 ベテラン勢の健闘が光りました、 優勝したスペインの Ramon Alonso は、
10年以上も前に、 日本でもエアロバティックスのグランプリを戦ったことのある選手ですが、 今回 は、 地元スペインのベテランとして、 見事個人優勝に輝くと共に、 国別でも2位の成績に大きく貢 献しました。
米国勢が若干元気が無かったことを除けば、 上位には、 フランス、 ロシア等のベテランが名を連 ね ま し た 。 日 本 の ツ イ ン リ ン ク も て ぎ エ ア ロ バ テ ィ ッ ク ス ・ グ ラ ン プ リ の 常 連 の Mikhail MAMISTOV は男性の部の3位。 Svetlana KAPANINA は、 女性の部の1位で、 男女合せた総合 でも4位の成績でした。 今年秋のツインリンクもてぎエアロバティックス・グランプリにも、 エン トリーしているとのことですので、 また、 世界の頂点の演技が日本でも見られることになります。
日本から参加の室屋さんは、 ほんの僅かな差で Unknown 2へ進めず、 残念でした。 全く競技練習 環境の無い日本からの参戦ということで、 細かい減点があって得点が伸びなかったとはいえ、 従来 よりも大幅に得点を伸ばし、 大健闘であったと思います。
WAC2007 Unlimited 個人別総合成績 Rank Pilot Country Known Free Unknown
1
Unknown
2 Total pp % 1 Ramon ALONSO ESP 2180.1771 3447.9101 3120.1383 3294.7548 9862.8032 78.9 2 Renaud ECALLE FRA 2529.8613 3507.7598 3076.7967 3261.8121 9846.3686 78.77 3 Mikhail MAMISTOV RUS 2419.3990 3285.8463 3056.1647 3267.4951 9609.5061 76.88 4 Svetlana KAPANINA RUS 2431.9832 3463.0102 2962.9901 3124.4521 9550.4524 76.4 5 Castor FANTOBA ESP 2547.7913 3299.4566 2985.7678 3050.8296 9336.0540 74.69 6 Olivier MASUREL FRA 2393.1022 3496.7487 2937.5419 2888.8709 9323.1615 74.59 7 Michael RACY USA 2458.6235 3374.6461 2935.4063 2924.0286 9234.0810 73.87 8 Gerald COOPER GBR 2357.3979 3313.4231 2884.1364 3021.9202 9219.4797 73.76 9 Mark JEFFERIES GBR 2313.5938 3303.2906 2847.4941 3049.6022 9200.3869 73.6 10 Kathel BOULANGER FRA 2372.2146 3423.7210 2795.8198 2964.5164 9184.0572 73.47 39 Muroya YOSHIHIDE JPN 2185.3298 2823.3176 2079.1760 − 4902.4936 39.22
・合計得点 (Total) は、 Free, Unknown 1, Unknown 2の合計点です
・Known の得点は、 予選通過の目的のみに使用されます。
・Unknown 2の競技は、 Free, Unknown 1の合計得点によって、 参加資格が与えられます。
・PP%の値は、 基準点の合計値に対する、 達成得点を%で表示した値です。
WAC2007 Unlimited 競技参加航空機 Manufacturer Model Number of
aircraft other Edge 540 2 other Patriot 300 1 other Staudacher 2
other Velox 1
Cap Aviation CAP 231 1
Extra 300 1
Extra 300L 1
Extra 300S 3
Extra Xtreme 3000 1 Mudry CAP 232 9 Sukhoi Su-26 8 Sukhoi Su-26M3 7 Sukhoi Su-26MX 2 Sukhoi Su-31 4 Sukhoi Su-31M 3 Sukhoi Su-31M2 4
WAC2007 Unlimited 国別成績 Position Country
1 France
2 Spain
3 Russia
Men's Winners - WAC2007 Unlimited 1 Ramon Alonso Spain Su-31 2 Renaud Ecalle France CAP 231 3 Mikhail Mamistov Russia Su-26M3
Women's Winners - WAC2007 Unlimited 1 Svetlana Kapanina Russia Su-26M3 2 Kathel Boulanger France Su-31 3 Elena Klimovitch Russia Su-31M2 出典:FAI-CIVA 公表資料
http://www.fai.org/aerobatics/
現役時代、 小型機や練習機を除いても両手に余るほどの機種の飛行機に乗った。 その中でいつま で経っても想いから離れない飛行機がひとつある。 やんちゃ坊主やツッパリ生徒の名を忘れない担 任の心境である。
それは E2C だ。 空中警戒機、 総重量25ト ン、 双発プロペラ機である。 軽いくせに5000 馬力のエンジンを2基も持っている。 じゃじゃ 馬スポーツカーのようだ。 あだ名をホーク・
アイと言う。 鷹の眼のように上空から 「800 マイル半径内の金属で、 60ノット以上で動く モノ」 なら何でも見てしまう艦載機だ。 艦載 機ゆえのいろんな制約やら特徴がある。 3面 図を見ていただこう、 およそ飛行機というに は不細工だ、 鷹だって名を騙られたと怒るだ ろう。
第8話:ケガの功名 連 載
―雑食性パイロットの飛行カバンから―
文 文と と絵 絵 湧 湧井 井カ カレ レン ン
共著
E2C 3面図
分 類 早期警戒機
乗 員 5名
全 幅 24.6m
全 長 17.6m
全 高 5.6m
全 備 重 量 約24t
エ ン ジ ン ターボプロップ 2基 型 式 アリソン T56-A-425 出 力 5,100e shp/1基 最 大 速 度 325kt 巡 航 速 度 268kt 最大航続距離 2,550km
飛 行 時 間 約6時間
E2C ホーク・アイ主要諸元
まずサイズ、 空母の格納エレベータに乗るように制限される、 F14、 E2C が限度いっぱいのサ イズだ。 主翼は折りたたまないとはみ出すから、 エンジン・ナセルから外の部分はバッタの羽のよ うに後ろに折って束ねられる。 背中のレーダーアンテナ (ドームごと回転するから Roto-Dome と 呼ばれる) はストラットを縮めて低くするが、 日本のモデルは陸上運用なのでリトラクト機構は持 たない。 プロペラは強化プラスティック製で、 レーダー波の透過性を考慮した策である。
さて、 長さは問題である。 方向安定のために必要な胴体の長さが取れないので安定板の数を4枚 にした。 高さに制限があって大きくはできない分、 ラダーの面積を増やして舵角も異常に大きい。
離着陸などの低速域では大きなラダー舵角が必要である。 舵面は2段に折れ曲がり、 2段目はトリ ムとして働くが、 普通の飛行機のように舵面を釣り合わせる方向には動かない。 さらに折れ曲がる ように動く。 だから大きくラダーを使うと直ちにバフェット (失速直前の振動) を起こす。
フライト・デッキではパンパンという空気音でラダーのバフェットはすぐ分かる。 とにかくボー ルが安定しない。 少し眼を離すとボールは端っこに座っている。 あわててラダーを当てると直ぐバ フェットを起こす。 音を出すのは 「下手くそ」 の証拠なのだ。
それほど方向安定が良くないのでヨー・ダンパーは必須である。 オート・パイロットを切っても ヨー・ダンパーは外せない。
ところが、 ところが、、、 である。 離着陸時はヨー・ダンパーは OFF にすることになっている。
ジェット機のようにいつも ON のままだとラダー・フォースが大きすぎて満足な操縦ができない のだ。 一番働いてほしい時にこのヨー・ダンパーは遊んでいるのだ。
昔、 名古屋グランパスに来た助っ人外人の FW に、 このヨー・ダンパーみたいな男が居た。 莫 大な契約金を手にして、 法外な給料も貰って故障ばかりで、 数試合出ただけで得点を上げず、 奥さ んの美容整形手術をして、 1年居てさっさと帰ってしまった。 これは恨みがましい余談だけれど。
主題に戻って E2C のことを書こう。
この飛行機は空母にある航空戦隊の活動に合わせ、 その前線 (100〜150マイル先) に出て、 高度 2万フィートからレーダーによるルック・ダウンを行い、 その情報を自艦のコンバット・センター や仲間の飛行機に送るのが仕事のひとつになっている。
主翼を折りたたんだ艦上の E2C
背中のレーダーアンテナはジンバルに乗っているわけではない。 飛行機がバンクすればアンテナ も傾きレーダーの照射方向は大空と海面になってしまう。 だから飛行機をバンクさせないで変針さ せる、 「フラット・ターン」 と言う (かなり無茶な) オート・パイロット・モードがある。
2°/秒の旋回率で飛行機を水平面に振り回すのだ。 クルーは横に押し付けられるし、 燃料は外 側タンクに移ってしまうから長くはやれない。 E2C に乗り心地を求めるのは無理な話である。
この状況では方向安定の改善はかえって邪魔になると、 ヨー・ダンパーにはお休みいただく。 ラ ダーだって大きな舵角に耐えて頑張っているのに!だ。
さあ、 このヨー・ダンパーが思わぬ効果を見せてくれたハナシである。
何時間かのフライトを終えて基地近くまで戻り、 ランディング・ギアを降ろした。 (私のミッショ ンは E2C の定期修理の後のテスト・フライトで作戦ではありません)
、、、 がしかし、 左のメインギアが降りていないバーバー・マークのままだ、 ダウン・ロックしな いのである。 そこでマニュアル通りの手順を取った。 1 緊急脚下げ、 2 飛行場をフライ・バイ して地上から目視の確認を受ける、 3 高速で飛んで空気力の助けを借りる、 4 ズーム・アップ などでgを加えて自重でロックを試みる。
これらの手順に1時間以上を費やした。 残る燃料は1時間以下になる、 日没も近い、 滑走路には 胴体着陸に備えて泡沫消火剤の撒布を準備する、 離陸エンドの県道を交通止めするか、 県警との打 ち合わせ、 メディアの対応など。
こういう時、 機内の平静さとは裏腹に地上グループの騒ぎは大きい。 何度かの経験のうち私はこ の日、 空中サイドを演じてみて感じたことである。
会社からの技術指示を全部含めて、 考えられる処置を講じたが左メインは依然としてバーバー・
マークだ。 降りた姿になってはいるがロック状態は分からない。 またこの飛行機は胴体に窓がない ので目視による確認手段も無い。
最後の手段としてホイールを軽く接地させてロックを確認する、 いわゆるキス・ランディングが ある。 「チュッ」 と着けてみて脚が支えられない時は直ちにパワーを入れてゴー・アラウンドする。
幸運にもロックしていたらそのまま降りてしまう。 そのアプローチをしようとベース・ターンでチェッ ク・リスト通りヨー・ダンパーを Off とした。 その瞬間、 持ち前の方向不安定が災いして旋回計 のボールがぶっ飛んだ。
一般に長い直線翼は大きなアドバース・ヨー (バンクに入れると大きく内滑りを起こす) を生む。
旋回中にヨー・ダンパーで釣り合っていた機体は OFF になってアドバース・ヨーの影響をもろに 被ったのだ。
それまでの長い勤労の疲れもあったか、 私の対応は遅れた、、、 まさにその時、、 左のバーバー・
マークが消えて 「ロック」 に変わった。
右席の仲間と顔を見合わせ、 思わず 「にんまり」 したことは言うまでもない。 その後の着陸はお 騒がせだけを残して無事終えた。
この飛行機の脚はエンジン・ナセルの後部を支点として90度のトラベルを降りてくる、 しかもス ウィベル・ベアリングを介してホイールが90度回転する複雑なリンク機構になっている。 何でこん な複雑な脚構造なのか、 それは混載するA6攻撃機やC2輸送機と共通な構成品であり、 艦内整備 で互換性を持たせるためなのだ。