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て項目に解答しているか評価するため,被験者実験を実施した.仮想環境にお いて眼球運動計測装置を用いた実験,及び,深大寺での被験者実験の結果から 展示物に対して観察や探索を通してテストを受けていることが確認された.こ れらの評価実験から,システムの有効性を確認した.

第3章では,状況に埋め込まれた学習の評価のため,移動距離とテスト情 報量の最適化を組み込んだ適応型テストを提案する.具体的には,テスト情報 量の最大化と移動距離の最小化を同時に満たす項目選択のため,最適化問題の 一つであるTraveling Purchaser Problem (TPP) を組み込んだ適応型テスト を提案した.TPPは,複数の商品が売られている店舗が点在するとき,商品の 価格と移動距離が最小なパスを探索する最適化問題である.本研究では,TPP における商品をテスト項目,店舗を項目が出題される場所とみなすことで,テ スト情報量と解答所要時間,出題順序を最適化できる適応型テストを提案した.

TPPは,線形計画法により最適解を得ることができず,全探索が必要となり,

店舗数をnとすると計算量がO(n!)になる.しかし,TPPは,動的計画法を 用いることにより計算量をO(2n·2n)に減少できることが知られている[34]. 動的計画法は,計算量を減少させるため,最適化問題を複数の部分問題に分割 し,その部分問題の結果を次の部分問題の計算に使う手法である[35].しかし,

TPPでは目的関数が単調増加性を持たなければならず,本研究の場合,目的関 数にテスト情報量の最大化と移動距離の最適化をいかに組み込むかが問題にな る.そこで,本論では,移動時間に対して極力小さい重みを掛けたペナルティ 項をテスト情報量に付与した目的関数を提案する.これにより,TPPの出題 項目に対する単調増加関数として移動距離を最小にしながら情報量を最大化で きる.さらに,TPPの店舗数nとモバイル・テスティングの項目数In=I とし,従来O(I!)である計算量をO(2I·2I)に軽減できる.提案手法の利点は

以下の通りである.(1)移動経路が最適化されるため,テストの解答所要時間 に対する移動時間の割合が減少する.(2)移動時間の減少により受検者が解答 できる項目数が増加する.(3)情報量が高い項目を出題でき,高精度な能力推 定が期待できる.提案手法の有効性を評価するため,シミュレーション実験と 被験者実験を行った.シミュレーション実験の結果,提案手法は,一般的な適 応型テスト,ランダム出題より,能力推定精度が高かった.しかし,制限時間 が短いとき,時間を制約とした適応型テストより能力推定精度が低かった.こ の原因は,コールドスタート問題が生じていたからであった.そこで,本研究 では,初期の項目は受検者の最も近くにある項目を出題するというルールを提 案手法に加えた.その結果,コールドスタート問題の影響が軽減され,能力推 定精度が向上した.被験者実験では,提案手法を時間のみを制約とした適応型 テストと比較した.その結果,提案手法は,移動回数が少なく,出題された項 目数が多く,移動プロセスが最適化されていることが確認できた.また,提案 手法はテスト情報量が高く,能力推定精度が高いことも確認した.

今後,出題順序を制約とした適応型テストとして一般化し,適用範囲を広 げていきたい.

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ドキュメント内 電気通信大学大学院 情報システム学研究科 (ページ 84-87)

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