第5 不活性ガス消火設備を準用する場合の各表示については、「不活性ガス消火設備」等を「ハロゲン化物 消火設備」等として表示すること。
5 使用の制限等
(1) ハロゲン化物消火設備に使用される消火剤のうち、ハロン消火剤は、「特定物質の規制等によるオゾン層の 保護に関する法律(昭和63年法律第53号)」において特定ハロンとして指定されていることから、使用を抑制 するものであること。(別記「ハロン消火剤を用いるハロゲン化物消火設備・機器の使用抑制について」(平成 13年5月16日付け消防予第155号・消防危第61号(一部改正:平成17年12月26日付け消防予第411号・消防危第 312号))参照)
(2) ハロゲン化物消火設備・機器に使用されるハロン消火剤の回収、管理及び既存設備への供給を適正かつ効率 的に実施するため、特定非営利活動法人消防環境ネットワークが設立されていることから、関係者や設置業者 にハロンの回収、再生及び再利用について協力を求めること。
〈参考〉 特定非営利活動法人消防環境ネットワークの運用フロー
①ハロンの供給の申請
②ハロンの供給の承認
④ハロンの供給の連絡
⑥廃棄予定ハロン回収の指示
⑧廃棄予定ハロン回収の連絡
③ハロンの供給
⑦廃棄予定ハロンの回収
⑤ハロン廃棄予定の連絡
⑤ハロン廃棄予定の連絡 ⑤ハロン廃棄予定の連絡
⑩データベース変更等の連絡
⑫データベースの送付
⑨立入検査 防火対象物
の関係者 又は 危険物施設 の所有者等
特 定 非 営 利 活 動 法 人 消 防 環 境 ネ ッ ト ワ ー ク
TEL
03-5404-2180
⑪ デ ー タ ベ ー スの作成・管理 設置業者等
消防機関
消 防 庁
①ハロンの供給の申請…………ハロン貯蔵容器(以下「ハロン」という。)の新設、移動又は補充(以下「ハロンの供 給」という。)に対する承認を申請する。
②ハロンの供給の承認…………ハロンの供給量、需要量等必要事項を審査して、供給の承認を行う。
③ハロンの供給………ハロンの供給を行う。
④ハロンの供給の連絡…………ハロンの供給を行った旨を協議会に連絡する。
⑤ハロンの廃棄予定の連絡……ハロンの廃棄予定を直接又は消防機関を通じて連絡する。
⑥廃棄予定ハロン回収の指示…設置業者等にハロンの回収を行うように指示する。
⑦廃棄予定ハロンの回収………廃棄予定ハロンの回収を実施する。
⑧廃棄予定ハロン回収の連絡…廃棄予定のハロンを回収した旨を連絡する。
⑨立入検査………随時立入検査をし、データベースどおりのハロンの施設状況か確認する。
⑩データベース変更等の連絡…立入検査の結果、データベースとハロンの設置状況が相違している場合に連絡する。
⑪データベース作成・管理……④、⑧、⑩をもとに、データベースを作成し、管理を行う。
⑫データベースの送付…………ハロンの設置状況をデータベースから作成し、各消防機関へ送付する。
ハロン供給関係ハロン回収関係データベース関係
(3) ハロゲン化物消火設備に使用される消火剤のうち、HFC消火剤及びFK-5-1-12消火剤のデータベース 登録の周知については、第5 不活性ガス消火設備5を準用すること。
別記
ハロン消火剤を用いるハロゲン化物消火設備・機器の使用抑制等について
(平成13年5月16日消防予第155号・消防危第61号)
ハロゲン化物消火設備・機器に使用される消火剤であるハロン2402、ハロン1211及びハロン1301(以下「ハロン消 火剤」という。)は、「オゾン層の保護のためのウィーン条約」に基づき、その具体的規制方法を定めた「オゾン層を 破壊する物質に関するモントリオール議定書」において、オゾン層を破壊する特定物質(特定ハロン(ハロン1211、
ハロン1301及びハロン2402))として指定され、生産量及び消費量の規制が平成4年(1992年)1月1日より開始さ れ、クリティカルユース(必要不可欠な分野における使用)を除き、平成6年(1994年)1月1日以降生産等が全廃 されているところです。消防庁においては、このような状況を踏まえ、平成2年からハロン等抑卸対策検討委員会
(委員長 消防庁予防課長)等において検討を行うとともに、「ハロゲン化物消火設備・機器の使用抑制について」
(平成3年8月16日消防予第161号・消防危第88号。以下「抑制通知」という。)等によりハロン消火剤の使用抑制方 法等について示してきたところです。
さて、平成10年11月に開催された第10回モントリオール議定書締約国会合において、各締約国は「国家ハロンマネ ジメント戦略」を策定することとされたため、我が国においても「国家ハロンマネジメント戦略」を策定し、平成12 年7月に国連環境計画(UNEP)に提出したところですが、これを受けて、ハロン等抑制対策検討委員会において は、クリティカルユースの明確化等今後のハロン消火剤の抑制対策等について検討を行いました。
この結果を踏まえ、今後のハロン消火剤の抑制対策等について、下記のとおりとりまとめたので通知します。つき ましては、貴都道府県内の市町村に対してもこの旨周知されるようお願いいたします。
記
第1 ハロン消火剤の使用抑制について
1.クリティカルユースの明確化について
ハロン消火剤を使用するハロゲン化物消火設備・機器の設置の抑制については、抑制通知等により、設置を抑 制する防火対象物・使用用途の種類を示してきたところである。
ハロン代替消火剤を用いるガス系消火設備については、知見の十分蓄積された一部のものについて平成13年4 月から一般基準化が行われたところであるが、未だハロン消火剤を全ての分野において完全に代替できるものに はなっていない。このため、必要不可欠な分野(クリティカルユース)に限り、引き続きハロン消火剤を十分な 管理のもとに使用していくことが必要である。このクリティカルユースの運用については、人命安全を図るため の不特定の者の利用の観点、他の消火設備による代替性の観点等についてさらに明確化が必要である。
このため、ハロン消火剤を使用するハロゲン化物消火設備・機器の設置については、以下の考え方に従って、
当該設置がクリティカルユースに該当するか否かを判断することとし、クリティカルユースに該当しないものに あっては設置を抑制するものとする。
なお、設置の抑制は法令によるものではないため、消防同意、危険物施設の設置許可等の際に防火対象物及び 危険物施設の関係者に対して、ハロン抑制の趣旨を十分に説明され、その周知徹底を図られたいこと。
(1) クリティカルユースの判断
クリティカルユースの判断に当たっては、次の原則に従って判断を行うものとする。
① 設置対象の考え方
ア ハロン消火剤を用いるハロゲン化物消火設備・機器は、他の消火設備によることが適当でない場合にの み設置することを原則とする。
イ 設置される防火対象物全体で考えるのではなく、消火設備を設置する部分ごとにその必要性を検討する。
ウ 人命安全の確保を第一に考え、人の存する部分か否かをまず区分して、ハロン消火剤の使用の必要性に ついて判断する。
② クリティカルユースの当否の判断
クリティカルユースに該当するか否かの判断は、次のとおり行うものとする。なお、判断フローの参考図 を別図第1に示す。
ア 人が存する部分の場合
当該部分は、基本的にはガス系消火設備を用いないことが望ましいことから、水系の消火設備(水噴霧 消火設備・泡消火設備を含む)が適さない場合に限り、ハロン消火剤を用いることができることとする。
イ 人が存しない部分の場合
当該部分は、基本的にガス系消火設備を用いることが可能であることから、水系消火設備及びハロン消 火剤以外のガス系消火設備が適さない場合に限り、ハロン消火剤を用いることができることとする。
※1 「人が存する部分」とは、次の場所をいう。
①不特定の者が出入りするおそれのある部分
・不特定の者が出入りする用途に用いられている部分
・施錠管理又はこれに準ずる出入管理が行われていない部分
②特定の者が常時介在する部分又は頻繁に出入りする部分
・居室に用いられる部分
・人が存在することが前提で用いられる部分(有人作業を行うための部分等)
・頻繁に出入りが行われる部分(おおむね1日2時間以上)
※2 水系の消火設備が適さない場合
(w1)消火剤が不適である(電気火災、散水障害等)。
(w2)消火剤が放出された場合の被害が大きい(水損、汚染の拡大)。
(w3)機器等に早期復旧の必要性がある(水損等)。
(w4)防護対象部分が小規模であるため、消火設備の設置コストが非常に大きくなる。
※3 ハロン以外のガス系消火設備が適さない場合
(g1)消火剤が放出された場合の被害が大きい(汚損・破損(他のガス系消火剤による冷却、高圧、
消火時間による影響等)、汚染の拡大(原子力施設等の特殊用途に用いる施設等で室内を負圧で 管理している場所に対し、必要ガス量が多いこと等))。
(g2)機器等に早期復旧の必要性がある(放出後の進入の困難性等)。
なお、これらの考え方に基づいてクリティカルユースの判断を行った場合の使用用途の種類と、
抑制通知別表第1の使用用途の種類との対応関係を別表第1に示す。
(2) 留意事項
① クリティカルユースの当否の判断は、新たにハロン消火剤を用いるハロゲン化物消火設備・機器を設置す る場合に行うものとし、既設のハロゲン化物消火設備・機器は対象としない。この場合、当該消火設備・機 器へ充填するハロン消火剤はクリティカルユースとして取り扱い、当該消火設備・機器が設置されている防 火対象物の部分等において大規模な改修等が行われる機会に適宜見直しを行われたいこと。
② 消防法令に基づく義務設置の消火設備・機器のほか、消防法令に基づく他の消火設備の代替として設置さ れるもの、任意に設置されるものも、これらの考え方にクリティカルユースの当否の判断を行い、該当しな