第
7章
性の低さ、GC の難しさが理解できる。また、リアルタイム性を加味することによって、
なおいっそう保守が難しくなることが分かる。加えて、GC APIを用いることで生じる問 題も発生する。つまり、6章で述べた通りセキュリティやポータビリティについても考慮 する必要がある。
本研究はまだまだ中途段階にあり、本研究の有用性は確認できていない。GC APIの実 装を完成させた上でGC APIによるリアルタイム性の改善の実例を示す必要がある。
7.3
今後の課題
メモリ予約の実装
メモリ予約の設計は終了しており、実装は可能である。
GC APIによるリアルタイム性改善の実例
リアルタイム性が改善された実例を挙げるために、GC自身のデバックを行い
GC API を稼働させる必要がある。また、GC API の有効性を証明するため、
実験用アプ リケーションが必要である。
セキュリティの問題
本論文ではセキュリティ面の問題よりも先に、1章で述べた以下の要求が充足 すべきであると考えている。
(1) リアルタイム性を満たすこと
(2) メモリを滞りなく供給すること
(3) コード が理解しやすく、保守しやすいこと
このため、本論文ではセキュリティの問題は無視している。
ポータビリティの問題
6章で述べたポータビリティ面での問題は、ネイティブ メソッド を用いること で発生している。本研究では、実現のしやすさに着目していることから現時点 では移植性が損なわれている。そこで、GC APIを標準化するなど移植性を高 める必要がある。
7.4
将来の展望
GCAPIの将来の展望として、GCのパラメータ自動調整がある。アプ リケーションや 動作環境ごとに自動的に GCの動作を調整できれば理想的であるが、現在の技術では難 しい。しかし、GC APIの実験を通じてアプ リケーションや動作環境ごとのパラメータ調 整が有効であると確認されれば、得られたデータからGCのパラメータ自動調整の足掛 かりとなると期待できる。
もし、GCのパラメータ自動調整が可能となればユーザはメモリ管理を気にすることな くリアルタイムアプ リケーションの使用・作成が容易に可能になると期待できる。
謝辞
本研究を行うに当たり、有益な御指導、助言および援助を頂きました権藤克彦先生に深 く感謝の意を表します。また、本研究についてさまざまな議論をして頂いた片山卓也先生 をはじめとするソフトウェア基礎講座のメンバーの皆様方に深く感謝致します。
参考文献
[1] Ito,T.andSasaki, H., Timed-GCforareal-time Lispsystem,Proc. ACMSIGPLAN
Workshopon Languages, Compilers and Tools in Real-Time Systems, 1997
[2] Richard Jones and Rafael Lins, Garbage Collection, John Wiley & Sons, ISBN
0-471-94148-4, 1996
[3] 岩井 輝男, 中西 正和, Snapshot型並列GCにおけるルート挿入時間の削減, 情報処 理学会論文誌プログラミング, Vol40, SIG4(PRO3)
[4] 組 み 込 み シ ス テ ム 用 基 板 ソ フ ト ウェア SMAF の 研 究 開 発 ホ ー ム ペ ー ジ
http://www.mkg.sfc.keio.ac.jp/smaf/
[5] James Gosling, Bill Joy, and Guy Steele, 村上 雅章 訳, The Java言語仕様.アジソ ン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン, 1997
[6] The Real-Time forJava Exp erts Group, Real Time Sp ecication for Javaver 0.8.1,
1999, http://www.rtj.org/rtj.pdf
[7] J Consortium, Real-Time Core Extension for the Java Platform (Draft 1.0.2),
http://www.j-consortium.org/spec.PDF
[8] A. Miyoshi, T.Kitayama,H.Tokuda: Implementationand Evaluation ofReal-Time
JavaThreads, 18th Real-Time Systems Symp osium, pp. 166-175, 1997
[9] TransvirtualTechnologies,Inc., Kae Op enVM, http://www.transvirtual.com/
[10] H. Tokuda, T. Naka jima, and P. Rao. Real-Time Mach: Towards a Predictable
Real-Time System. Pro c. USENIX1stMach Workshop, Octorb er1990.
[11] TaichiYuasa, Real-time garbagecollection ongeneral-purp ose machines, Journalof
Software and Systems, 11(3),pp.181-198, 1990.