6. 在席者の座席位置を考慮した照明と空調の省エネ制御方式
6.4. 評価
6.4.2. 空調制御に関する実証評価
90 度を与えるべきエリアを狭めるように制御できていることを確認した。
図 6.10は,従来手法で制御した時の平均調光率と,Advanced手法で制御した時の平均調 光率を示したグラフである。Advanced 手法のケースにおいては,エリア制御だけを実行し た場合と,エリア制御とピンポイント補正の両方を実行した場合の両方を示した。従来手 法の平均調光率は 39%,Advanced 手法でエリア制御だけを実行した場合の平均調光率は
37%,Advanced 手法でエリア制御とピンポイント補正を実行した場合の平均調光率は 35%
となった。これらの結果から,照明の消費電力量は調光率に比例する傾向を示すことを考 慮すると,Advanced 手法の方が従来手法よりも消費電力量を削減できていることを確認し た。
91 クで接続されており,1分毎に室温を計測している。さらに,4台の室内機と1台の室外機 には評価用の電力計が設置されており,消費電力量を5分ごとに計測している。
(2)評価条件
評価では,在室者を検知したエリアの空調を自動運転で制御した場合と,Advanced 手法 により在室者の位置をピンポイントに特定して在室者付近が目標室温を満たすように制御 した場合の,室温の推移と消費電力量を比較する。なお,何れのケースにおいても,在室 者は2名おり,その在室者の座席は室温計2と室温計4付近にある。
自動運転およびAdvanced手法ともに目標室温を24℃として制御する。そのため,自動運 転では室温計1~4 が24℃付近になるような設定温度で制御する。また,Advanced手法で
は室温計2と室温計4が24℃付近となるように提案するアルゴリズムで制御する。
(3)評価結果
図 6.13 は自動運転で制御した時の室温計 1~4 の値の変化を示しており,図 6.13 は
Advanced手法で制御した時の室温計1~4の値の変化を示している。図 6.13と図 6.13にお
いて,横軸は経過時間(分)であり,縦軸は室温計が計測した温度値(℃)である。
図 6.13 においては,実験を開始してから 12 分が経過するまでは室温が一気に上昇して いる。その後は室温を維持するように制御されている。13分経過後~25分経過後までの平 均室温は,室温計1が24.2℃,室温計2が25.4℃,室温計3が24.0℃,室温計4が25.6℃
であり,フロア全体では24.8℃である。また,図 6.13においては,実験を開始してから10 分が経過するまでは室温が一気に上昇している。その後は室温を維持するように制御され ている。11分経過後~25分経過後までの平均室温は,室温計1が23.1℃,室温計2が23.8℃,
室温計3が22.8℃,室温計4が23.7℃であり,フロア全体では23.3℃である。これらの結
果から,Advanced 手法が,目標室温と在室者の座席位置の室温との誤差が小さくなるよう に制御できており,適切な室温を与えるべきエリアを狭めるように制御できていることを 確認した。
図 6.14は4台の室内機と1台の室外機の合計の消費電力量を示している。横軸は経過時 間であり,縦軸は電力計が計測した値である。25分間のトータルは,自動制御で1.3kWh,
図 6.11 空調制御の評価環境
Indoor unit
Group B Group A
Thermometer
2 4
1
3
92
18 20 22 24
0 5 10 15 20 25 elapsed time [min]
room t em p er at ur e [ ℃ ]
Thermometer 1
18 20 22 24
0 5 10 15 20 25 elapsed time [min]
room t em p er at ur e [ ℃ ]
Thermometer 2
18 20 22 24
0 5 10 15 20 25 elapsed time [min]
room t em p er at ur e [ ℃ ]
Thermometer 3
18 20 22 24
0 5 10 15 20 25 elapsed time [min]
room t em p er at ur e [ ℃ ]
Thermometer 4
図 6.13 提案手法実行時の室温変化
19 21 23 25 27
0 5 10 15 20 25 elapsed time [min]
room t em p er at ur e [ ℃ ]
Thermometer 1
19 21 23 25 27
0 5 10 15 20 25 elapsed time [min]
room t em p er at ur e [ ℃ ]
Thermometer 2
19 21 23 25 27
0 5 10 15 20 25 elapsed time [min]
room t em p er at ur e [ ℃ ]
Thermometer 3
19 21 23 25 27
0 5 10 15 20 25 elapsed time [min]
room t em p er at ur e [ ℃ ]
Thermometer 4
図 6.13 自動制御実行時の室温変化
93
Advanced手法で0.9kWhとなった。これらの結果から,Advanced手法の方が従来手法より
も消費電力量を削減できていることを確認した。