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社会歯科学研究室

プロフィール

1. 教室員と主研究テーマ

教  授  石井 拓男  歯科分野における診療ガイドラインの評価とその普及に関する研究

  眞木 吉信  特定および要介護高齢者の口腔環境・機能のアセスメントと改善・向上プログラムの構築、

フッ化物応用の総合的研究

准 教 授   岡田 眞人  歯科医学教育における医療倫理に関する研究

講  師  平田創一郎  歯科医師臨床研修における研修歯科医の地域分布に関する研究

大学院生  酒寄 孝治  自立老年者および要介護老年者の口腔保健および機能の実態とその改善・向上プログラ ムの検討

2. 成果の概要

1)歯科衛生士の業務範囲、都道府県でみた医療計画と歯科医療費

歯科衛生士の業務範囲は、近年、急速に歯科界の注目を浴びるようになった。その第1の原因は、歯科衛生士 教育が3年制以上となったことにある。平成 22 年 (2010) の4月に入学した全国の歯科衛生士学校・養成所の新入 生は、全員3年以上となった。看護師の業務が再検討されることとなった理由は、訪問看護における看護師業務の 静脈注射についての議論から始まった。在宅歯科医療では、歯科衛生士が診療室で通常行うことのない業務が出 てくることから、考え方の新たな整理が必要となってきた。

都道府県にみた医療計画と歯科は、4疾患(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)について連携の中の歯科 に関する調査を行った。結果、医療計画概略図に歯科に関する記載および実施に関与するのが歯科医療機関であ ることを明記してあったのは、各都道府県庁に在職する歯科医師の有無という要素が関連している可能性が示唆さ れた。都道府県による歯科医療費について、歯科医療費の地域格差について経年的に分析を行うとともに、乳幼児 および学童期のう蝕有病状況等にも着目し、歯科医療費との関連を分析することを目的とした。小児の口腔状況が 良好な都道府県では、住民1人当たり外来歯科医療費が高いという結果が得られた。

日本歯科評論70巻6号  日本歯科医療管理学会45巻1号

2) 特定および要介護高齢者の口腔環境・機能のアセスメントと改善・向上プログラムの構築 フッ化物応用の総合的研究

2006 年に介護予防の一環として地域支援事業が位置づけられ、生活機能の低下が認められた者を特定高齢者 として選定し介護予防プログラムを実施している。本年度は、介護予防特定高齢者施策における口腔機能の向上プ ログラムの効果を研究対象とした。その結果、口腔機能評価において、介入前の一般高齢者と特定高齢者の間に 明確な差は認められなかったが、介入によって特定高齢者の口腔機能の向上に効果が認められた。特に介入前の 値が低い者ほど大きな改善傾向を示した。今後の課題としては、プログラム介入前後に口腔機能の改善または維持 が認められた特定高齢者における、口腔機能トレーニングの習慣化が挙げられる。

歯科疾患は適切な予防処置の継続を停止すれば再び発病することも良く知られている。このような事実からすると、

「歯科疾患の予防とは発病リスクの先送りに過ぎない」とも言える。したがって、歯科疾患の予防は1回の処置で解 決できるものではなく、常に発病のリスクをモニタリングしながら対応する必要がある。現在のう蝕発病リスクに対し、

どのような予防手段で対応するかが問われ、このリスクを回避して健康な口腔を保持増進していくことが求められて いる。従って、予防も治療も定期的にリスクを判定し、そのリスクに適応した適切な処置を継続していくこと「Risk  Control Dentistry」が重要となることが判明した。

文部科学省科学研究基盤B「特定および要介護高齢者の口腔環境・機能のアセスメントと改善・向上プログラムの 構築」平成22年度実績報告書 

厚生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究」平成22年度総括研究報告書

3) 歯科医学教育における医療倫理に関する研究

平成 16 年度より開催している日本歯科医学教育学会の教育研究集会をふまえて、平成 18 年においてはカリキュ ラムWSを開催し、行動目標及び学習方略について論議した。また平成 22 年度までに歯科大学で医療倫理にかか わる教員による医療倫理教育におけるPBLのあり方と学習評価について検討したところ、「 医療倫理教育は存在す るが、臨床教育との具体的な関連付けがない 」、「 複数の学年・講座で教育しているが連携が十分でない 」、「 適 切な教員・専門的知識をもつ教員がいない 」、「 医療倫理教育・評価の基準がない 」 といった問題点が明かとなっ た。一方、第 25 回日本歯科医学教育学会総会のサテライトシンポジウム「 歯科大学における医療倫理教育 」 にて 提言された歯科大学における医療倫理教育の学習目標・方略・評価に基づき、Jonsen の 4-Box Case Analysis  Method を倫理的判断の手順を学ぶためのツールとして用いることで、学生の学習レベルに応じた医慮倫理に関す る知識・態度を評価できる可能性が示唆された。本年度は 4-Box Method を用いたカリキュラムを実施した。

4)  歯科医師臨床研修における研修歯科医の地域分布に関する研究

研修歯科医の全国的な在籍分布状況について、すべての研修プログラムを対象に調査を行った結果、1 年目の研 修歯科医の総数は 2,434 名であった。月平均の都道府県ごとの研修歯科医数は、最大が東京都で 425 名(16.7%)、

最少が鳥取県の 1.0 名(0.1%)であった。中断例は 13 例(うち死亡退職 1 名)であった。昨年度同様、中断・休 止例は少ないまま推移しており、採用時のマッチングや群内マッチング及び研修実施中の指導等の充実が伺われた。

一方、研修歯科医数の都道府県格差は拡大し、都市部への集中傾向もあわせて認められたことから、今後、継続 した調査が必要と考える。一方、歯科診療所において臨床研修が 4 分の 1 強実施されていることが明らかとなった。

平成22年度厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)「歯科医師臨床研修施設である診 療所を中心とした医療連携体制に関する研究」総括・分担報告書

5)自立老年者および要介護老年者の口腔保健および機能の実態とその改善・向上プログラムの検討

2006 年に介護予防の一環として地域支援事業が位置づけられ、生活機能の低下が認められた者を特定高齢者 として選定し介護予防プログラムを実施している。本年度は、介護予防特定高齢者施策における口腔機能の向上プ ログラムの効果を研究対象とした。その結果、口腔機能評価において、介入前の一般高齢者と特定高齢者の間に 明確な差は認められなかったが、介入によって特定高齢者の口腔機能の向上に効果が認められた。特に介入前の 値が低い者ほど大きな改善傾向を示した。今後の課題としては、プログラム介入前後に口腔機能の改善または維持 が認められた特定高齢者における、口腔機能トレーニングの習慣化が挙げられる。

3. 学外共同研究

担当者 研究課題 学外研究施設

研究施設 所在地 責任者

眞木 吉信 歯科疾患予防のための日本人のフッ 化物摂取基準とフッ化物応用プログ ラム

神奈川歯科大学・歯学部・社 会医歯学系 健康科学講座  口腔保健学分野

横須賀市 荒川 浩久

平田創一郎 歯科診療所を中心とした臨床研修施 設群を構築するための歯科医師臨床 研修実施体制構築に関する研究

日本歯科大学新潟生命歯学部 新潟市 藤井 一維

4. 科学研究費補助金・各種補助金

研究代表者 研究課題 研究費

眞木 吉信 特定および要介護高齢者の口腔環境・機能のア セスメントと改善・向上プログラムの構築

文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(B)

眞木 吉信 歯科疾患予防のための日本人のフッ化物摂取基 準とフッ化物応用プログラム

厚生労働省科学研究費補助金

5. 研究活動の特記すべき事項

学会・研究会開催

主催者名 年月日 学会・研究会名 会場 開催地

石井 拓男 

(副会長)

2010. 6.27 第4回社会歯科学研究会・総会・

研究集会

日本歯科医師会大講堂 東京都  千代田区 平田創一郎 

(事務局・司会)

2010. 6.27 第4回社会歯科学研究会・総会・

研究集会

日本歯科医師会大講堂 東京都  千代田区 酒寄 孝治 

(事務局)

2010. 6.27 第4回社会歯科学研究会・総会・

研究集会

日本歯科医師会大講堂 東京都  千代田区 石井 拓男 2010. 7.27 日本歯科医史学会・歯学史教育

カリキュラムワークショップ

東京歯科大学  水道橋校舎

東京都  千代田区 平田創一郎 

(主催者事務局)

2010. 7.27 日本歯科医史学会・歯学史教育 カリキュラムワークショップ

東京歯科大学  水道橋校舎

東京都  千代田区 石井 拓男 

(副会長)

2010.10.9-10 福島の地で平成22年度社会歯科 学研究会

ふくしま中町会館 福島市

平田創一郎 

(主催者事務局)

2010.10.9-10 福島の地で平成22年度社会歯科 学研究会

ふくしま中町会館 福島市

平田創一郎 

(主催者実行委員)

2010.11.27 東京都歯科医師会 

平成22年度の健康力推進歯科医 師等養成講習会ワークショップ

日本歯科医師会館 東京都  千代田区

眞木 吉信 

(主催者実行委員)

2011. 2. 9 医療法人社団徳風会髙根病院  摂食・嚥下講習会

髙根病院 山武郡

芝山町 石井 拓男 

(主催者実行委員)

2011. 2.15-16 日本歯科医学教育学会倫理教育 改善委員会 

歯科医療倫理教育に関するワー クショップ

クロス・ウェーブ船橋 船橋市

平田創一郎 

(主催者実行委員)

2011. 2.15-16 日本歯科医学教育学会倫理教育 改善委員会 

歯科医療倫理教育に関するワー クショップ

クロス・ウェーブ船橋 船橋市

シンポジウム

シンポジスト 年月日 講演演題 学会・研究会名 開催地

眞木 吉信 2010. 7. 2 フッ化物のう蝕予防効果と栄養として の考え方

第19回日本臨床環境医学会 東京都 港区 学会招待講演・特別講演・教育講演

講演者 年月日 演題 学会・研究会名 開催地

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