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研究課題成果一覧

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2.1. 研究課題成果一覧

本館・大利根分館・大多喜城分館

(2)地域研究課題 50 件

①地域研究課題:地球誌系

研究タイトル 研究者名 研究内容 平成 23 年度の研究成果

1

房 総 半 島 の 地 層 の 堆 積 環 境 の 復 元

岡崎浩子 房総半島はそのほとんどが新生代の地層からで きており、この時代の日本の模式地層として位置 づけられている。したがってその地層の形成時の 堆積環境を復元することは、房総半島の成り立ち および日本列島の成り立ちを解明する上で大変 重要である。この堆積環境の復元を堆積相解析を 用いて地域ごとに行う。

九十九里浜における津波堆積物の現地調査を おこない、地層中に残されている同様の堆積 物との比較研究をおこなった

2

房 総 半 島 嶺 岡 帯 の 地 質 構 造 の 解 明

高橋直樹 嶺岡帯は無数の断層が発達したきわめて複雑な 地質構造を持っている。詳細な現地調査を実施す るとともに、構成岩石の岩石学的特長の検討を加 えて、これらの地質構造を明らかにする。

嶺岡帯内に分布する保田層群から産出した新 鉱物「千葉石」について、その成因を探る目 的で、母岩である保田層群の岩石学的な検討 を行い、きわめて火山砕屑物に富む岩石であ ることが明らかとなった。

3

房 総 半 島 の 脊 椎 動 物 化 石 の 分 布 調査

伊左治鎭司 房総半島に分布する上総層群と下総層群から産 出する脊椎動物化石は多種多様であり、化石密集 層から産出する例も知られている。脊椎動物化石 を多く含む地層について、産出化石と堆積環境に ついて調査する。

市民研究員の協力のもと、上総層群万田野層 の脊椎動物化石について調査を行い、海生ほ 乳類の下顎及び尺骨化石を採集した。

4

房 総 の 十 脚 甲 殻 類化石相

加藤久佳 中生代白亜紀前期~完新世に及ぶ、千葉県産の十 脚甲殻類化石の分類、記載を行う。この中には、

未記載種をはじめとして、学問上重要な意義を持 つもの、房総の古環境復元に寄与すると思われる もの、一般に対してアピール度が高いと思われる 化石(保存の良いカニ化石など)などが含まれる。

白亜系銚子層群、上総層群市宿層、下総層群 地蔵堂層・上泉層など各層準からの十脚甲殻 類化石を採集・分類している。

5

房 総 周 辺 の 花 粉・環境誌

奥 田 昌 明 ( 分 担 : 館 外 研 究 者)

房総とその周辺で以下のような花粉調査を実施 する。(1) 上総・下総層群相当層に対し花粉分析 をおこない日本列島中軸部の過去 100 万年の環 境変動を解明する。(2) 房総とその周辺で表層花 粉資料の収集整備に努める。(3) 千葉市周辺の歴 史時代の古環境を復元する。

左欄(3)の一環としておこなった、千葉市 中央区における古墳時代〜平安時代の花粉分 析結果について、本館2階ホールにおいて研 究紹介展示をおこなった(2011 年 9-10 月)。

また『ちば歴史フォーラム』において普及講 演をおこなった(2011 年 12 月 3 日、千葉市民 会館)。

6

房 総 丘 陵 に お け る タ ゴ ガ エ ル の 産 卵 場 所 に 関 す る 環 境 地 質 学 的 研究

大木淳一 タゴガエルの産卵場所および越冬場所である湧 水箇所を環境地質学的に解明する。

養老渓谷の支流にてタゴガエルの産卵場所3 箇所について、地質学的な手法を用いて地下 水の湧出機構を解明した。

7

房 総 丘 陵 に お け る 河 川 の 発 達 と 河 道 の 変 遷 に 関 する研究

小田島高之(分 担:島立理子)

房総丘陵における河川の発達と河道の変遷を解 明し、河川環境と人との関わりについて考察す る。

小櫃川上流域の踏査、古地図、迅速図、過去 の地形図等による解析、古文書の解析を行っ た。

8

植 物 珪 酸 体 化 石 に よ る 古 環 境 復 原

江口誠一 千葉県内の地域における古植生を植物珪酸体化 石によって空間的に復原する。その基礎研究を進 めると共に、他の研究資料を含めた総合的な古環 境復原を目指す。

千葉市中央区のボーリング試料からイネ及び 水田雑草植物珪酸体が産出し、その地での景 観復原のための重要なデータが得られた。

9

南 房 総 周 辺 に 分 布 す る 化 石 サ ン ゴ の 分 類 と 種 の 生態環境の解明

新 和宏

沼層産出の化石サンゴを分類し、礁形成時の古環 境復元とその検証を行うとともに、現生サンゴの 分布、礁形成にともなう環境との比較を行う。

現地の実態調査と文献調査を行うと共に、現 生種との比較検証を行った。

②地域研究課題:生命誌系 1(房総の分類学的多様性の特徴とその保全)

研究タイトル 研究者名 研究内容 H23 研究成果

1 房総のハチ類

誌 宮野伸也

ハチ類について生息する種を調査することによ り、房総のハチ類の戸籍簿を作成する。

県内各地でハチを採集し、標本を作製した。

「宮野伸也・菊原久美、千葉県で 52 年ぶりと なるシブオナガコマユバチを松戸市で採集.

房総の昆虫, (48): 59.」など、県内の昆虫 に関する記録を 4 編報告した。

2 房総の魚類誌 宮 正樹

房総の生息する魚類を網羅的に収集し、種組成や 生態などを明らかにする。

県内で計 14 回の魚類相調査を行った結果、16 目 63 科 104 種 164 個体の魚類を採集した。魚 類標本から DNA を抽出した後に博物館資料と して登録した。

3 房総の貝類誌 黒住耐二

房総半島にどのような貝類が第四紀以降生息し ており、それが人間活動を含めた環境変化に対し て、どのように変遷し、また人間にどのように利 用されてきたか等について調査する。

房総半島西岸において、約 30 年前に記録され た打上貝類相との比較調査を行い、東京湾奥 部を中心に土着種数の減少・移入種の増加・

南部海域でのより南に分布域を有する種の確 認等の成果が得られた。この時に得られた約 300 点の標本を登録中である。また、ほぼ同じ 地点で、陸産貝類・潮間帯貝類の調査も同時 に行った。

4 房総の土壌動

物誌 萩野康則

房総に生息する多種多様の土壌動物について文 献調査と採集を行い、詳細な文献リストと生息種 リストを作成し、生息種の標本を収集する。

千葉県内各地から採取した土壌試料からツル グレン装置で抽出した土壌動物試料約 30 点を 分類群ごと(概ね目または亜目単位)にソー ティングした。

5 房総の甲殻類

誌 駒井智幸

房総半島に出現する軟甲甲殻類相の解明を行う。

端脚目などは特に研究が遅れており、外来種の存 在の評価も困難な状況にあるので、現状の改善を 図りたい。

房総半島~伊豆諸島海域の生物相調査で蓄積 されたチュウコシオリエビ属の検討を行っ た。19 種が同定され、そのうち 10 種が新種、

1種が本邦初記録であった。論文は Natural History Research 12(2)に掲載された。

6 房総の菌類誌 吹春俊光

房総半島における大型菌類に関する研究。方法は 1)地域ごとの大型菌類のフロラ調査、2)森林 タイプ別の大型菌類のフェノロジー調査の2本 立てで行う。大型菌類のフロラ調査は、これまで 房総半島の自然の特徴を代表する地域(千葉市、

市原市など)で進めてきた。これからも未解明の 重点地域をもうけて継続する。現在は君津市を中 心に調査を継続中である。また必要に応じて特殊 な環境に発生する菌類(糞生菌など)の調査もあ わせて行う。大型菌類のフェノロジー調査は、現 在千葉市内で16年間、イヌシデ・コナラ林の調 査をおこなっており、その調査を継続する。

千葉県産大型菌類について、標本約 550 点、

目撃情報を約 250 点収集し、デジタル化をす すめ、房総産大型菌類目録のアップデートを おこなった。また絶滅危惧種の情報について も追加情報を継続して収集した。

7 房総の地衣類

誌 原田 浩

千葉県内の地衣類相を明らかにするために、既に 収集した標本資料の分類学的検討を行う。また、

必要に応じ、主として千葉県南部(あるいは銚子 地域)において補足調査を行う。22 年度は、千葉 県新産種等について報告する。

清澄山周辺の地衣類相を明らかにするため現 地調査を実施した。勝浦市産の標本に基づき、

ヒメアオキノリを新種記載した。日本産淡水 生アナイボゴケ属分類研究の中で、千葉県産 標本に基づきボウズアナイボゴケとコナアナ イボゴケを新種記載した。

8 房総の蘚苔類

誌 古木達郎

千葉県内に生育するコケ植物について、分類学的 な再検討を行い、併せて分布と生態を記述する。

重点地域は特にこれまで調査研究があまり行わ れていなかった下総台地とする。

市民研究員とともに主に市川市の蘚苔類を調 査し、約 100 種の生育を確認した。その中に は千葉県新産も含まれている。

9

千葉県の甲虫 相に関する研 究

斉藤明子

本研究は、房総地域に生息する昆虫の戸籍簿の作 成を目的とするもので、昆虫の内、カミキリムシ 科を中心とする甲虫類の調査を行う。カミキリム シ科甲虫は幼虫が生木あるいは枯れ木を餌とす る食材性の昆虫であり、森林環境を指標する生物 群のひとつといえる。カミキリムシ相を調べるこ とで、その地域の森林の状況を推測するための資 料ともなる。

長柄町、長南町、大多喜町、鴨川市の甲虫類 の記録の少ない地域で調査を行い、千葉県の 甲虫相を明らかにするための基礎資料を収集 した。

10 房総丘陵の両 生爬虫類相

大木淳一(分 担:尾崎煙雄、

小田島高之)

千葉県の中でも最も多くの両生爬虫類が生息す る房総丘陵の両生爬虫類相を解明し、1kmメッ シュ単位の分布図を作成する。

養老渓谷の支流に生息するタゴガエルの産卵 時期及び清和県民の森におけるヤマアカガエ ルの産卵時期を明らかにした。

11 房総丘陵の昆 虫・クモ類相

尾崎煙雄(分 担:大木淳一)

「房総三角帯」に属し特有の昆虫およびクモ類が 生息する房総丘陵の昆虫・クモ類相を解明し、標 本および生態写真のデータベースを作成する。

昆虫類を中心に約400点の標本採集と資料 登録を行った。また、500点以上の生態写 真を撮影し、データベース化を行った。

12 房総丘陵の維

管束植物相 尾崎煙雄

千葉県の中でも特有の植物種を多く擁する房総 丘陵の維管束植物相を解明し、1kmメッシュ単 位の分布図を作成する。

清澄山系のフロラ調査を実施し、同時に1k mメッシュ単位の分布調査を行った。H25 年度まで継続の予定。

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