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2.1 研究課題成果一覧
<資料編>
年報 23(平成 22 年度) 資料編 研究課題成果一覧 89
②地域研究課題:生命誌系 1(房総の分類学的多様性の特徴とその保全)
研究タイトル 研究者名 研究内容 H22 研究成果
1 房 総 の ハ チ 類
誌 宮野伸也
ハチ類について生息する種を調査することによ り、房総のハチ類の戸籍簿を作成する。
清澄山系などでハチ類を中心に採集を行い、
50 種約 300 個体を採集し、標本を作成した。
また、ハチ類やハチに寄生するネジレバネに 関する学術論文 4 編を発表した。
2 房総の魚類誌 宮 正樹
房総の生息する魚類を網羅的に収集し、種組成や 生態などを明らかにする
房総半島を含む日本ならびに世界のフナ属の 系 統 を 明 ら か に し 、 そ の 成 果 を BMC Evolutionary Biology 誌に発表した。
3 房総の昆虫誌 直海俊一郎
房総、特に南房総には固有の昆虫が多く生息して いるが、地域によってどのような種類が生息・分 布してるか、を甲虫を中心に調査・収集する。
日本昆虫分類学会誌にて、1 新種 Eupiestes iriomotensis ワタナベミナミヒラタハネカク シを記載した。
4 房総の貝類誌 黒住耐二
房総半島にどのような貝類が第四紀以降生息し ており、それが人間活動を含めた環境変化に対し て、どのように変遷し、また人間にどのように利 用されてきたか等について調査する
房総半島東岸で分布調査を貝類の行い、千葉 県新記録となるツブリボラ・ホソカゴメベッ コウバイ等を確認した。印旛沼周辺の沖積層 から得られたボーリングコア中の貝化石群に ついて報告した。千葉市生涯学習センターの
「ちばカレッジ」講師によって、一般県民に 広く知ってもらうよう努力した。
5 房 総 の 土 壌 動
物誌 萩野康則
房総に生息する多種多様の土壌動物について文 献調査と採集を行い、詳細な文献リストと生息種 リストを作成し、生息種の標本を収集する。
篠原圭三郎氏の多足類関連文献の一部約 200 点について、疑義のあった情報を補完しデー タ入力をした。
6 房 総 の 甲 殻 類
誌 駒井智幸
房総半島に出現する軟甲甲殻類相の解明を行う。
端脚目などは特に研究が遅れており、外来種の存 在の評価も困難な状況にあるので、現状の改善を 図りたい
東京湾に生息するヨコエビ類の分類学的研究 を東邦大学の学生と行い、約 20 種を同定した。
また、この研究の過程で得られた標本を当館 の資料として受け入れた。房総半島沖合の深 海調査で採集された資料からエビジャコ科
(1種)、オトヒメエビ科(1種)、コシオ リエビ科(2種)の新種を発見し、査読付き ジャーナルに公表した(Crustaceana, Natural History Research)
7 房総の菌類誌 吹春俊光
房総半島における大型菌類に関する研究。方法は 1)地域ごとの大型菌類のフロラ調査、2)森林 タイプ別の大型菌類のフェノロジー調査の2本 立でおこなう。大型菌類のフロラ調査は、これま で房総半島の自然の特徴を代表する地 域(千葉市、市原市など)で進めてきた。これか らも未解明の重点地域をもうけて継続する。現在 は君津市を中心に調査を継続中である。また必要 に応じて特殊な環境に発生する菌類(糞生菌な ど)の調査もあわせておこなう。大型菌類のフェ ノロジー調査は、現在千葉市内で16年間、イヌ シデ・コナラ林の調査をおこなっており
今年度は新たに 573 点の標本と 323 点の目撃 記録を追加し、房総産大型菌類のデータを収 集・整備した。採集された県内・国内の未報 告種や未記載種については、標本化をおこな い、継続して検討中である。
8 房 総 の 地 衣 類
誌 原田 浩
千葉県内の地衣類相を明らかにするために、既に 収集した標本資料の分類学的検討をおこなう。ま た、必要に応じ、主として千葉県南部(あるいは 銚子地域)において補足調査を行う。22 年度は、
千葉県新産種等について報告する。
市原市産の標本に基づき新種ノミノアオキノ リを記載し、南房総市よりシラチャウメノキ ゴケを千葉県新産として報告した。また共同 研究員、市民研究員等と共同研究を行い、リ トマスゴケ科、ウメノキゴケ科、レプラゴケ 類等について研究した。
9 房 総 の 蘚 苔 類
古木達郎
千葉県内に生育するコケ植物について、分類学的 な再検討を行い、併せて分布と生態を記述する。
前年に続き、船橋市の蘚苔類を市民研究員と 協働で調査し、ミヤコノケビラゴケなど3種
る食材性の昆虫であり、森林環境を指標する生物 群のひとつといえる。カミキリムシ相を調べるこ とで、その地域の森林の状況を推測するための資 料ともなる。
か、千葉県初記録の移入種のカメムシについ ても「房総の昆虫」に報告した。
11 房 総 丘 陵 の 両 生爬虫類相
大木淳一
(尾崎煙雄、小 田島高之)
千葉県の中でも最も多くの両生爬虫類が生息す る房総丘陵の両生爬虫類相を解明し、1kmメッ シュ単位の分布図を作成する。
養老川中流域においてタゴガエルの産卵場所 を重点的に調査した。その結果、市原市古敷 谷で産卵場所を新たに発見したことで、タゴ ガエル分布域の北限を更新することができ た。
12 房 総 丘 陵 の 昆 虫・クモ類相
尾崎煙雄
(大木淳一)
「房総三角帯」に属し特有の昆虫およびクモ類が 生息する房総丘陵の昆虫・クモ類相を解明し、標 本および生態写真のデータベースを作成する。
昆虫標本約500点、クモ標本約30点を収 集し、生態写真約100点を撮影した。
13 房 総 丘 陵 の 維
管束植物相 尾崎煙雄
千葉県の中でも特有の植物種を多く擁する房総 丘陵の維管束植物相を解明し、1kmメッシュ単 位の分布図を作成する。
東京大学千葉演習林管内(清澄山系)の調査 を実施し、約40メッシュの維管束植物を記 録した。
14
千 葉 県 の 鳥 類 相 に 関 す る 研 究
桑原和之
千葉県を中心とした文献を基礎的資料として、千 葉県全域の鳥類相を把握する。期間は 4-6 年間を 予定している。千葉県全体の鳥類相を知る目的か ら、はじめに海岸部の鳥類相の状況などを現地調 査により可能な限り把握し、過去の文献と比較す る。
千葉県を中心とした文献を閲覧し、千葉県全 域の鳥類が約 400 種であることを確認した。
また、海岸部の鳥類相の状況などを把握する ため現地調査を行った。
15 房 総 の イ シ サ
ンゴ類誌 立川浩之
房総半島沿岸は有藻性イシサンゴ類の太平洋岸 における分布北限域として知られるが、実際に分 布する種については十分に解明されていない。ま た、これまで房総半島周辺の無藻性イシサンゴ類 に関するまとまった報告はない。本研究では、標 本収集および分類学的研究に基づき、房総のイシ サンゴ相を明らかにする。
房総半島周辺を含む南日本海域のツツミサン ゴ科の分類学的検討を行い、一新種と一日本 初記録種を報告した。また、勝浦沖から分布 北限となるニホンアワサンゴとキクメイシモ ドキを報告した
16
房 総 半 島 周 辺 の 刺 胞 動 物 相 の解明
柳 研介
房総半島周辺海域の刺胞動物相の解明は進んで おらず、基礎データの蓄積のみならず、生物多様 性研究を中心とした広い分野の研究での活用が 期待されることから、本研究課題では、文献調査、
標本収集・調査を進め、リストを作成するととも に、その生物誌について研究する。
房総半島を含む日本におけるイソギンチャク 類について、特に他の生物との関係性を重点 に検討し、この成果を学術誌 2 編、学会発表 2 件、普及書 1 編にまとめ公表した。
17 房 総 の 維 管 束
植物誌 天野 誠
千葉県鴨川市周辺の維管束植物相を調査し、合わ せて標本を収集する。この地域は植物相が豊かで あり、過去の記録と照合することで植物相の変遷 を知ることができる。
東大演習林のスタッフと共同で、2010年 度10回の1泊2日調査をほぼ毎月行い、4 2メッシュすべてを調査した。大まかな演習 林内の分布がわかるようになった。記録種数 は、822分類群であり、千葉県全体の種数 2786分類群の約30%にあたる。標本は 309点採集し、収蔵庫に納めた。
③地域研究課題:生命誌系 2(房総の生態学的多様性の特徴とその保全)
研究タイトル 研究者名 研究内容 研究成果
1
生 態 園 の 生 態 系 変 遷 に 関 す る 野 鳥調査
大庭照代
( 野 鳥 調 査 員
(友の会))
野鳥のカウント調査(開館以来継続)から生態園 における野鳥の生息状況を記録し、生物多様性を はかる基礎資料とする。
平成 22 年度(2010 年 4 月‐2011 年3月)、
生態園一周ルートを歩く早朝野鳥調査(7:
45-8:45)を全 73 回、野鳥観察舎から見え る範囲で行う日中調査(8:45-16:15)を土 日祝日に実施し、データ入力を 2009 年 1 月 から 2010 年 12 月まで完了させた。2009 年 が 64 種 9224 羽、2010 年は 62 種 9067 羽と なり、2008 年 62 種 8353 羽と比べ個体数は 増傾向であった。
2
房 総 半 島 に お け る ニ ホ ン ジ カ の
保 護 管 理 の た め 浅田正彦
房総半島において旧来から生息している孤立し たニホンジカ個体群のために、個体数や栄養状態 のモニタリングを行う
個体数推定やモニタリングを行い、千葉県生 物多様性センター研究報告で公表した。