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4.1.1 次世代ネットワークアーキテクチャの動向

2000年11月27日に公表された日本政府の”IT基本戦略” [40]は、5年以内に世界で最も進んだイ ンターネットのネットワークの確立を目指すものである。この中では、必要な人すべてに対し、現 実的な料金にて超高速アクセス回線(30〜100 Mbps)を提供すること、高速常時接続を3,000万世 帯、超高速常時接続を1,000万世帯に提供することがうたわれている(図13)。

これには、xDSLやFTTHのような高速のアクセスシステムを必要とするであろう。さらに、IPト ラヒックの急速な増加に耐えられる光のインフラに基づいた光の大規模ネットワークが必要となる。

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図13: 日本政府の”IT基本戦略”における超高速インターネット

IPトラヒックの急速な増加に対応することのできる、光技術を用いた大規模ネットワークへの要 求に対応すべく、次世代ネットワークにおいて高度なサービスを提供可能なコールエージェントの 開発を行なってきた。これを、NGN-CAと呼んでいる。

NGN-CAはネットワークの構成要素を制御し、インターネット電話(VoIP)のような電話系通信サー

ビスやマルチメディアサービスを提供する。NGN-CAは、オープンAPI(application programming

interface)の採用により、オープンなアプリケーション開発を指向している。本章では、オープン

APIを適用したシステムにおける、呼救済時間、および、クラスタ切替え時間の評価結果を示すと ともに、これらを高いレベルで実現するための技術について説明する。

次世代ネットワークアーキテクチャとしては、MSFとIPCCという2つの標準化の流れがある。

4.1.2 次世代ネットワークの標準化— MSF

Multiservice Switching Forum(MSF) [41]は、広範囲なサービスを柔軟かつ経済的に実現するた めの次世代ネットワークアーキテクチャの体系化を目的に、1998年11月に発足した。

MSFのネットワークアーキテクチャの概要と各階層の説明を図14に示す。

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図 14: MSFネットワークアーキテクチャ

コントロールプレーンは大きく分けると、主にVoIP制御を行う基本機能と、ストリーム系/ポリ シー系のコネクティビティ制御等の各種機能とから構成される。このうち、VoIP機能については既 に検討が進んでおり、ソフトスイッチという名称にて呼ばれている。

MSFのRelease 1(1998〜2000年)では、主にATMネットワーク・従来電話関連サービス中心の 作業が行われてきたが、Release 2においては、IP・MPLSネットワーク、移動体サポート、および

4.1. 研究の背景 37 APIの整備を目指す方向で現在検討が進められている。

4.1.3 次世代ネットワークの標準化— IPCC

International Packet Communications Consortium (IPCC)、旧International Softswitch

Consor-tium (ISC) [42]はインターネット上でのリアルタイムなインタラクティブマルチメディア通信のた

めの標準の調整および相互運用を支援することを目的に1999年5月に発足した。

IPCCのアーキテクチャの概要を図15に示す。

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図15: IPCCアーキテクチャ

IPCCの定義によると、ソフトスイッチとは呼制御機能を提供するソフトウェアベースのエンティ ティである。ソフトスイッチについては内部の機能や、対向システムとの間のインタフェースは詳 細に検討されており、オープンAPIについても検討が進んでいる。

4.1.4 ソフトスイッチ

MSFおよびIPCCの考え方をまとめると、ソフトスイッチは各種サービスを実現するためネット ワークコントローラとしての役割を持ち、メディアゲートウェイの制御や各種通信プロトコル(ISUP、

H.323、SIP等)の終端をすることにより、呼制御、セッション制御、および各種ネットワーク機能

の制御を実現するものである。また、アプリケーション実行・管理環境、Parlay, JAIN等のアプリ ケーション実行用オープンAPIを提供する[43]。