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研究事例とサンプル

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 64-67)

本章では引き続き,組織成員は,公式仲介人を通じて伝達された情報を活用 していく際,何が促進要因となっているか(SRQ2)という研究課題を解く.

前章で明らかにした通り,組織成員(受け手)の情報活用への影響が統計的に 有意だったのが,公式仲介人の情報賛同であった.そのため本章では,送り手 からの情報伝達における公式仲介人の情報賛同の促進要因を分析する.

図5-1 組織図上におけるR&D部門から全部門への情報伝達

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本章で取り扱うのは,図5-1 の組織図上における R&D部門から,全社各部 門への情報伝達の事例である.なお,R&D 部門はスタッフ部門であり,伝達 される各部門はライン部門であると位置づけることができる.

図5-2 本章の事例における部門間情報伝達のイメージと該当者・人数

本事例の情報伝達のプロセスは,図5-2のようになる.R&D部門が全社各部 門に情報を伝達し普及させるため,R&D 部門の 4 名の担当者が研修講師とな

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り,全社各部門から組織代表として研修受講者を募り,安全研修を開催する.

この研修受講を通じて,ヒューマンファクターに関する情報をまず公式仲介人 である 98 名の研修受講者に伝達する.その後,研修受講者が指導者となり,

所属組織に伝達情報を展開することが前提として期待され,設計されている.

この事例も前章の事例同様,送り手から公式仲介人を通じ,受け手に情報が 伝達される官僚制組織の典型的な情報伝達プロセスである.

本章で取り扱う安全研修は,2014年2月から2015年3月までに実施された 計 5 回分(各回とも同内容)を対象とする.この安全研修は,R&D 部門のう ちヒューマンファクター分野の研修講師から,ヒューマンファクターの考え方 が付与される研修である.約2日間のカリキュラムで講義・演習により,ヒュ ーマンエラーに関連する事故やトラブル事例についての分析手法を,対話形式 で学ぶ座学研修である.ここでは,分析の基礎となる以下の情報が最も重要だ として,各職場の指導者としてこの情報を普及する役割を期待される研修受講 者に伝達される.

情報:ヒューマンエラーは引き起こされる

これは,ヒューマンエラーが原因で事故やトラブルが起こるのではなく,ヒ ューマンエラーが発生すること自体が,人間の特性と,その人を取り巻く周辺 要因の特性とが不調和であった結果であるということを意味する.事故やトラ ブル事例の調査・分析の際に重要なのは,手法の中身である具体的方法論より も,その事故やトラブル事例をヒューマンエラーは引き起こされるという考え 方(観点)に基づいて捉えることの方が,より重要だという立場である.した がって,仮にヒューマンエラーを起こした当事者だけを責めるような分析は,

組織全体にとっての改善策とならないため,よろしくないというメッセージを 含んでいる.

なお,この安全研修の講師業の運営体制は,各回とも2名体制が基本である.

今回の対象である計5回の安全研修においては,計4名が研修講師を務めた.

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