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VI. 貧困に影響を与えている国内外の要因

1. 短期・長期的要因、リスクとショック

56

57

加者の43.8%が個人によるビジネスである。また、極貧の個人営業は47.3%まで上がる。

貧困層の24.7%は無給の家族労働者であるほか、27.0%を占める賃金労働に関しては、そ

の83.7%が零細企業(従業員数1~5人)または小規模企業(従業員数6~10人)での就労

に集中している。厚生・福祉手当の対象となる大企業における就労は、貧困層で5.8%、極

貧層で1.9%と非常に限られている。

図表 65 貧困度別就業セクター(2011年)

(出所)INEI(2012).p. 62 を元に作成

図表 66 雇用全体におけるインフォーマル雇用率(2000‐2010年)

(出所)Aramburú & Delgado p.9 0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

極貧層 それ以外の貧困層 非貧困層

サービス 交通・通信 商業 建築業 製造業 農業/漁業/採鉱

極貧層

(15-24) (25-64) (65以上) 農村部 都市部

2000 67.6 74.4 63.3 83.8 74.1 54.3 83.6 66.0 37.1 82.8 53.5 80.0 70.1

2001 67.6 73.5 64.0 81.2 73.8 56.0 83.4 63.7 14.2 82.4 54.4 79.7 68.9

2002 66.9 74.2 62.7 82.3 72.4 55.1 83.7 62.6 15.1 82.6 52.3 78.5 71.0

2003 68.7 77.1 64.3 81.8 73.0 57.2 84.2 64.8 17.4 84.6 53.9 82.8 72.8

2004 67.4 75.3 63.0 81.0 72.4 55.4 84.5 63.5 15.5 83.3 52.6 79.4 72.1

2005 67.1 75.3 62.3 82.5 72.1 54.7 84.0 63.8 13.5 82.3 52.0 81.0 70.7

2006 66.2 74.6 61.4 81.8 70.8 53.9 83.8 61.4 13.3 82.1 50.8 80.5 70.1

2007 65.5 72.5 60.9 82.8 71.3 52.3 82.5 62.4 13.9 81.4 50.4 78.8 67.8

2008 63.7 70.7 59.1 82.5 68.7 51.1 83.8 60.0 13.4 81.7 48.1 76.2 66.2

2009 63.7 68.3 59.5 84.1 68.8 51.6 83.5 61.0 13.7 80.7 48.9 75.0 63.1

2010 63.2 68.3 58.8 83.8 68.7 50.2 83.2 60.8 12.2 80.8 47.9 74.8 63.3

平均 66.1 73.1 61.8 82.5 71.5 53.8 83.7 62.7 16.3 82.2 51.3 78.8 68.8 全体

25歳―64歳 25歳―24歳

年齢 性別 教育レベル 地域 性別

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図表 67 貧困度・地域別労働市場参加率(2011年)

(出所)INEI(2012c)p.57

図表 68 貧困度別就業先の規模(2011年)

(出所)INEI(2012c)p.59

59

図表 69 貧困度別雇用状況(2011年)

(出所)INEI(2012c)p.60

(3) 実質賃金の傾向

近年の経済成長においては、国富全体は増大したが、賃金労働者の給料割合は、2000年 から2009年にかけて24.4%から 22.0%に減少し、総じて縮小方向に向かっている。ペル ーのGDPにおける賃金の割合は、ラテンアメリカ地域内で比較できる他の産業国であるブ ラジル(40.1%)、チリ(38.4%)、アルゼンチン(34.1%)と比べて低いレベルであるのみ ならず、原油資源に頼った経済のベネズエラ(30.5%)と比べてもかなり劣る77

実質最低賃金の推移からみてもペルーの傾向は特異である。過去10年間の年平均成長率 は、ペルーがラ米地域平均を2.2ポイント上回るが、最低賃金の伸び率はラ米地域の方が高 い。実質最低賃金はラ米地域で平均 50%増加したのに対し、ペルーでは 9%の増加に留ま っている。

77 UNDP(2012)各国のデータはそれぞれ、ペルー2007‐2009年、ブラジル2004‐2006年、アルゼン チン2005‐2007年、チリ2007‐2009年、ベネズエラ2005‐2007年。

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図表 70 実質最低賃金の変動傾向(2000年賃金=100米ドル)

(出所)UNDP(2012)p. 34

図表 71 GDP配分(2000‐2009年)

(出所)Aramburu & Delgado(2012)

(4) 人口要因

ペルーにおいては、人口構造も貧困変化を説明する要因となりうる。2000 年から 2010 年の間に、320万人の若年層が新たに労働就労年齢に達し(12%増)、人口ボーナスによる 恩恵がもたらされる時期にある。さらに、各世帯の規模が縮小したことと、労働市場に参 加する大人の数が増加したことにより依存率が下がり、世帯所得の増加との相乗効果の結 果、1人当たりの消費上昇に貢献したとの指摘がある。

101.2 101.0 102.2 106.9 105.2

112.1 111.8 114.5

111.2 110.1 105.1 105.3 106.3

112.6 120.4

130.6 137.3

141.8 151.2

158.0

90 100 110 120 130 140 150 160

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 ペルー ラテンアメリカ地域平均

24.4 25.1 25.0 25.0 23.9 23.1 21.9 21.7 20.9 22.0 9.5 9.0 8.8 9.1 9.3 9.5 9.2 9.1 9.4 8.3 59.1 58.4 58.8 58.7 59.7 60.3 62.0 62.3 63.0 62.8 7.0 7.5 7.4 7.2 7.1 7.1 6.9 6.9 6.7 6.9

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 給料支払 税金(国庫) 投資家利益 資産の減価償却

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図表 72 貧困の程度別一世帯構成人数の推移(2007‐2011年)

(出所)INEI(2012)p.47

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