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県内事前調査の概要

ドキュメント内 2 (ページ 54-64)

 

(1)防犯・テロ対策   

  調査日  11月18日(木) 

  調査先  横須賀警察署・川崎市幸区鹿島田駅東部地区・ 

長者町セーフティステーション   

第1  調査先    横須賀警察署生活安全課  清水課長等 

調査内容  本県における生活安全条例と防犯対策について 

  本県では「神奈川県犯罪のない安全・安心のまちづくり推進条例」が県議会 12 月定 例会で制定され、本年4月から施行される。同条例には、共同住宅等の建築に際し、

警察が防犯上の助言を行うことが定められており、警察庁でも建物計画による事前対 策重視を打ち出している。 

英国では既に「防犯環境設計」の考え方を取り入れ、警察官が住宅建築やまちづく りに際し、地域の自治体と協力しながら、防犯対策を指導する「防犯設計指導官(建 築連絡指導官)」と呼ばれるスペシャリストを養成している。 

本県では現在、11 市2町で生活安全条例等があり、この条例に基づき、警察との事 前協議を努力義務化している。これにより県警では、英国の「防犯設計指導官」にあ たる「生活安全アドバイザー」を指名し、一定の建物等を建築する場合に建設業者等 との事前協議を行い、今までの経験や知識等から適切なアドバイスを行っている。 

平成 16 年4月から始まった「生活安全アドバイザー」の配置は、「神奈川方式」と 呼ばれ、警察署長の推薦で指名された生活安全課の防犯担当の警部補または巡査部長 が研修などを受けて、53 署の警察署に各一名ずつ配置されている。 

生活安全条例の中でも、川崎市と横須賀市は全国で初めて罰則規定を設けている。

このうち、6月以下の懲役又は 50 万円以下の罰則規定を設けている横須賀市の場合は、

平成 14 年 10 月1日に「特定建築等行為に係わる基準及び手続き並びに紛争の調整に 関する条例」を定め平成 15 年2月1日より施行している。建設業者等に対し、建築前 に事前協議を行い防犯対策に取り組んでいる横須賀警察署に行き、調査を行ってきた。 

1000 ㎡以上、共同住宅、大規模住宅、特定用途建築物等の建設の際に、建設業者等 と生活安全アドバイザーに指名されている清水係長が事前協議を行っており、16 年度 は、26 件の事前協議があった(平成 16 年 11 月 18 日現在)。 

当該市条例として建設業者等に認知されつつあり、現在まで罰則行為が適用される ような行為を行った者はいない。但し、提出された資料を入念にチェックすることが 大切であり、今後は横須賀市に対して、協議後の報告を十分行っていくとのことであ った。 

 

第2調査先    川崎市幸区鹿島田駅東部地区(サウザンドシティ) 

調査目的  スーパー防犯灯について 

  英国では犯罪そのものの機会を無くしていくという発想から、330 億円の国家予算 を投入し、防犯カメラを世界一多く設置している。 

警察庁では平成 14 年度から、全国 10 の都府県を対象に、「街頭緊急通報装置(スー パー防犯灯)」の整備を開始した。国の安全・安心まちづくりのモデル地区に、川崎市 幸区にある鹿島田駅東部地区(サウザンドシティ)が選ばれ、現在では本県で初めて のスーパー防犯灯がこの地区に5基設置をされて、警察の指導のもと、平成 15 年4月 より地域住民と管理会社が連携をして、運用をしている。本県では 16 年度、およそ1 億円の予算でJR相模原駅周辺、小田急本厚木駅周辺、小田急大和駅周辺の3か所(1 か所につき5基)に設置を進めている。 

スーパー防犯灯は、自動的に録画される防犯カメラとは違い、事件等に遭遇した場 合に、管轄の警察署に直接通報できるシステムで、人が通報ボタンを押して初めて作 動し、360 度周囲を録画できるドーム型防犯カメラが設置されている。また、1台の カメラが始動すると、設置されている全てのカメラが作動し、パトカーのサイレンと 同じように赤色灯が点灯し、音を出す構造となっている。高い防犯効果があり、被害 の未然防止などにつながると期待されている。 

調査を行った鹿島田駅東部地区(サウザンドシティ)では、共同住宅であるマンシ ョン周辺に設置されており、防犯効果が期待できる住居のモデルとして人気が高い。

また、スーパー防犯灯の他にも防犯カメラが設置されており、24 時間体制で管理会社 が責任をもって、管理室で監視している。最近では、車上荒らしなどがあったため、

特にマンション街の地下にある駐車場の整備に心掛けている。まさに安全をお金で買 うような時代になってきているとも感じられる。 

スーパー防犯灯の運用にあたっては、通報ボタンを押して初めて作動するといった ことが防犯カメラとは違うので、使い方の周知徹底が必要である。 

 

第3調査先    長者町セーフティステーション(横浜市中区) 

調査目的  NPO法人として治安活動を行っている「ガーディアン・エンジェル ス」を調査した。 

 

  赤いベレー帽が特徴で市民の防犯活動のスペシャリストである「ガーディアン・エ ンジェルス」に関して調査を行った。 

この団体は、1979 年にアメリカ・ニューヨークの犯罪多発地区において、地下鉄や ストリートのパトロールを行い、「Dare to Care」(見て見ぬふりはやめて、手を差 し伸べよう)の精神をモットーに、若者が中心となった防犯活動から始まった。 

日本では、1996 年に東京支部が開設され、幅広い世代に支えられ、繁華街などを中 心に防犯活動・環境美化活動・緊急救援活動・麻薬撲滅活動等を行っており、地域住 民が安全で安心した生活ができる環境づくりに貢献している。 

そして、2002 年には「特定非営利活動法人」として認定を受け、全国的に活動が展 開され、本県においても神奈川支部が設立された。神奈川支部は今回調査を行った横 浜、横須賀、大和の3支部で構成されている。様々な職業を持った方々がボランティ アとして活動している。 

横浜支部では、長者町セーフティステーションを拠点にして、地域の商店街と共同 して防犯活動や環境美化活動を行い、地域の治安を守っている。例えば、タバコを吸 っている少年には、Dare to Care の精神で、怒るのではなく、まず「1本頂戴」と いった会話から入り、フレンドリーな関係をつくることに努めている。いわば、どん な場合も批判的な接し方をせず、仲間意識をその場につくることが肝心である。 

今回の調査で、警察力に頼らず、ボランティアで自主的に防犯活動を行っているこ とを知った。常にDare to Care の精神で活動している姿勢は、県民総ぐるみでこの 姿勢を持つことこそ、安全・安心まちづくりの確立に最も大切であることを教えてく れる。 

「見て見ぬふり」ではなく「手を差し伸べよう」を地域の防犯活動の合言葉にする ことが必要である。 

     

(2)教育改革   

調査先  10 月 15 日  県立麻生総合高校(川崎市麻生区)、 

県立市ヶ尾高校 (横浜市青葉区) 

県立新栄高校   ( 同 市都筑区)、 

            10 月 27 日  愛川町中津第2小学校 

大和市西鶴間小学校並び同市鶴間中学校   

今回の訪英に先立ち、生徒一人ひとりの個性を尊重するべく特色ある学校運営に取 り組んでいると評価されている県下の小、中、高等学校の現状をこの目で確認するた め、昨年 10 月 15 日に県立麻生総合高校(川崎市麻生区)、市ヶ尾高校(横浜市青葉区)、 新栄高校(同市都筑区)、同じく 27 日に中津第2小学校(愛川町)、西鶴間小学校並び 鶴間中学校(ともに大和市)を訪問し、それぞれの校長並びに教員と意見交換を行い、

授業風景や各施設等を視察した。 

 

麻生総合高校は平成 11 年 11 月に発表された「県立高校改革推進計画」に基づき、

県立柿生高校と同柿生西高校が統合再編することによって、本年4月1日に単位制の 総合学科高校として開校した。 

麻生総合高校の設置計画については、県教育委員会と柿生、柿生西両高校の担当職 員により新校準備委員会で3年にわたって綿密な協議を行い、必要な施設改修工事を

実施。また、地域の各界代表を委員とする「川崎北部方面総合学科高校(仮称)を考 える会」を6回にわたり開催したり、近隣の大学・短大・専門学校 12 校との教育交流 協会の締結を実施するなどして、広く様々な意見を反映させることによって、従来の 高校の枠を超えた総合的な教育活動の展開が可能になったという。 

岩村基紀校長は、入学した生徒一人ひとりに 10 年後の社会における自分自身の姿を 想像させ、新たな学びのシステムを展開することによってそれぞれの持つ可能性を大 きく展開させる教育を実践することが同校の理想であると述べた。また、新設の高校 ということから、既存の枠に縛られることなく新たなルールや体制を構築し学校運営 に臨めるメリットを強調した。 

 

一方、全日制の普通科高校として昭和 49 年に開校した市ヶ尾高校は、「人格の完成 を目指し、国家・社会の発展に貢献する心身ともに健康な人材を育成すること」を教 育目標に掲げ、大学への進学指導はもちろんのこと書道や陸上競技などクラブ活動に も積極的に力を注ぐなど、文武両道を基本とした教育を実践していた。 

同校の職員会議規定の第2章『職員会議の進行』の中には「(4)協議事項等に関す る決定は校長が行う。」との文言がある。職員会議は校長の召集のもと、原則として毎 月2回開催されることとなっている。同校の吉名震佐校長はこの一言が入っているこ とで、「市が尾高校は(校内における様々な諸課題について)すべての教員が問題を把 握し協力体制を敷いてくれるという安心から、自信を持ってリーダーシップを発揮で きる環境にある」と話された。 

新たな決意のもと、時代にあった教育に取り組もうと努力されている校長には、そ の熱意を消さないよう特段のサポートを付与することが重要であると実感した。 

 

新栄高校では「心豊かでたくましい人間を育む」との教育目標を掲げ、個々の生徒 たちの自立心を高める教育に注力してきた(工藤博明校長)と聞いた。 

本年で開校 20 年という節目を迎えるに当って、同校の スクールカラー とは何か を校長はじめ全教職員たちで徹底的に議論してきたという。その結果、「福祉教育の実 践」を校内外に対し全面的に打ち出すことを決定した。 

同校では従来から通常のカリキュラムにおいて福祉教育に力を入れてきた歴史があ り、高齢者や障害者など、いわゆる生活弱者と呼ばれる人たちの心情を思いやる人格 の形成に努めてきた。その活動をさらに充実させるため、2005 年4月から同校の空き 教室に県立みどり養護学校の分校を招致することになった。近年、少子化傾向の中に あっても障害のある児童の数は年々増加傾向にあり、みどり養護学校でもその受け入 れが困難になってきた。新栄高校がこの方針を打ち出した背景にはこうした事情があ ることも理解しているが、将来、介護の世界で活躍したいと願う子どもたちにとって は、結果として特色のある公立高校として人気が高まる可能性があると思われた。 

 

  今回、英国における教育改革を学ぶに当り、われわれが最も関心のある取り組みと

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