(1)取組の体系
目指すべき汚水処理の実現に向けて,構想期間に,基本方針に基づき行う取組の体系は,次の とおりです。
基本方針 取組
基本方針基本方針 取組取組
基本方針 取組
【2】効率的な処理の実施形態の構築
【1】最も経済的な処理区域の設定
【3】安定した施設管理の実施
【4】資源・エネルギーの利活用の促進
計画区域の見直し
イ 共同処理による事業間の連携 ア 集合処理区の連携
ウ 自治体間を超えた共同処理
ア 長期的・計画的な維持管理の推進
イ 維持管理費の節減
ウ 使用料収入の確保
エ 人材の確保と技術の伝承
オ 防災・減災の取組
汚水処理施設の有する資源の有効利用の促進
(2)取組の内容
取組の内容について,以下に示します。
なお,以降,時期を示す場合においては,構想の中間年度(平成32年度)までを「構想前期」,
中間年度から目標年度(平成37年度)までを「構想後期」と表記します。
①取組の方向 計画区域の見直し
土地利用計画等を反映した適切な人口設定のもとで,集合処理の適正規模を見極め,個別処理 区域を設定し,また,大型団地の老朽化した処理施設の現状を踏まえ,下水道区域への編入を検 討するなどにより,計画区域を見直します。
②取組一覧
自治体等 内容
広島市 土地利用状況や人口推計から,公共下水道,特定環境保全公共下水道,農業集落排水及び市営浄 化槽の4つの事業の中から,地域に適した最も効率的な事業を適用し,各事業の計画区域を見直し た。
呉市 土地や家屋の利用実態を考慮し,下水道の一部処理区の区域を縮小した。
福山市 人口減少を見据え,市街化区域以外の区域を対象として,適正区域を検討し,下水道区域を見直 した。
庄原市 人口減少,土地利用状況などから,下水道の一部処理区の区域を縮小した。
東広島市 ・人口減少,土地利用状況などから,下水道の一部処理区の区域を縮小した。
・工業団地を下水道区域へ編入した(処理施設の老朽化対応)。
廿日市市 ・大型団地を下水道区域へ編入した(処理施設の老朽化対応)。
・人口減少,土地利用状況などから,下水道の一部処理区の区域を縮小した。
・人口減少,過疎化を見据え,下水道の津田処理区を友和処理区に統合し佐伯処理区とした。
安芸高田市 人口減少,過疎化を見据え,向原南処理区を向原中央処理区に統合し向原処理区とした。
熊野町 土地利用状況などから下水道区域を一部見直した。
大崎上島町 土地や家屋の利用実態を考慮し,下水道区域を一部見直した。
③具体的事項
今回の構想の見直しにおける,各市町の区域の見直しの状況は,取組一覧に示すとおりです。
「最も経済的な処理区域の設定」は,汚水処理施設を効率的に整備する上で,基本となること です。各市町においては,今回,計画区域を見直した市町も含めて,地域や情勢の変化に応じ,
適宜検討することが求められます。したがって,引き続き,「計画区域の見直し」について,取 り組んでいきます。
最も経済的な処理区域の設定
基本 方針
【1】
参考 計画区域の見直しのイメージ
集合処理予定区域の縮小集合処理予定区域の縮小集合処理予定区域の縮小集合処理予定区域の縮小 大型団地大型団地大型団地大型団地
集合処理予定区域 集合処理予定区域集合処理予定区域 集合処理予定区域
団地内処理施設の廃止
⇒集合処理区域に接続
メモ
※人口減少などから家屋間距離が拡大し,経済的に 集合処理が不利となる区域を個別処理に転換するな
どにより,集合処理予定区域を縮小 ※大型団地などの団地内処理施設を,老朽化
などに伴い廃止し,集合処理区域に接続
※区域の縮小や処理水量の減少のある,近接 した処理区域を統合
危機管理の観点による区域の見直し
近年,地震や津波,“経験したことのないような”大雨による災害が多発しており,下水道等の施設も 多く被害を受けています。汚水処理施設の被害は,水洗トイレの使用を制限するだけでなく,地域の衛生 環境の悪化から健康被害の誘因ともなるため,その対策は重要です。
したがって,今後は,計画区域の見直しに当たって,被災時にも,できるだけ汚水処理施設の機能を維 持し,影響の最小化を図るような,『危機管理の観点』からも検討することが求められるようになると思 われます。
個別処理である浄化槽は,東日本大震災などにおける被害状況などから,施設そのものも耐震性が優れ ていると考えられているため,一般に「災害に強い」と言われています。各家庭ごとに設置されている場 合が多いことから,被災時の影響の拡大は小さいと考えられます。被災時や復旧時の対応では,各々の状 況に合わせて対応できる反面,個々で行わなければ復旧等が進まないという課題があります。
一方,集合処理は,管路や処理場の被災により,これにつながる上流側の区域が広範囲にわたり影響を 受けることとなりますが,自治体の管理下にあるため被災時や復旧時には一括で広範囲の対応を行えま す。また,管路の複線化や処理場のネットワーク化等,災害時の影響の最小化に有効な施策もあります。
しかし,財政面や整備の効率化の面で課題が残るところです。
加えて,大規模災害発生時においては,他のライフラインも停止することや,住民生活全体が混乱状態 にあることなど,様々な要素が絡むため,一概に処理方式の優劣を結論付けることはできないことから,
地域の災害による被災想定や全国的な動向を勘案しながら,検討していく必要があります。
①取組の方向
ア 集合処理区の連携
集合処理の処理場や区域が比較的近い場合は,処理施設の更新時期などの機会に,今後の人口 減少などを考慮した上で,集合処理区の連携についても,検討の対象とします。
イ 共同処理による事業間の連携
施設の更新時期などを捉え,汚水や汚泥の処理について,下水道と集落排水,汲み取りし尿や 浄化槽汚泥を処理するし尿等処理施設の連携を検討,または,連携を図ります。
ウ 自治体間を超えた共同処理
汚泥の処理について,自治体間を超えた共同処理に取り組みます。
②取組一覧
項目 自治体等 内 容
ア 集合処理区の連携 市町 構想期間における具体的箇所はないが,近接する複数の集合処理区の ある市町は,処理施設の更新時期などの機会に,集合処理区の連携に ついても検討の対象とする 。
イ 共同処 理による事 業間の連携
イ-1 集落排水と 下水道
呉市 近隣の下水道との連携を視野に入れ,集落排水の計画を見直し,構想 前期に,その方向性を検討する。
東広島市 供用中の集落排水について,処理施設の更新時期に併せ,効率化の観 点から,下水道との連携を視野に入れ,構想前期に,その方向性を検 討する。
イ-2 し尿等処理 と下水道
尾道市 庄原市 廿日市市
し尿等処理施設の老朽化などに伴い,構想前期の,下水道処理場での し尿等の受入れを目指し,関係機関との調整に着手する。
ほか1市 し尿等処理施設の老朽化に伴い,下水道との連携を視野に入れ,施設更新の方向性について,構想前期に検討する。
ウ 自治体間を超えた 共同処理
広島県 尾道市 福山市
芦田川流域下水道芦田川浄化センターにおいて,3事業者で下水道の 汚泥固形燃料化事業を実施し,構想前期の供用を目指す。
上表は,構想における標準的な事例として整理するものであり,これにより,他の市町の取組 を制限するものではありません。
したがって,他の市町においても「取組の方向」に基づき適宜対応することが求められます。
県は,そのために必要となる情報収集及び提供などについて取り組んでいきます。
効率的な処理の実施形態の構築
基本 方針
【2】
③具体的事項
イ-1 集落排水と下水道の連携
次のとおり,事業間の連携について,方向性の検討を行います。
参考 福山市の例:農業集落排水事業により管きょを整備し,下水道に接続,下水道処理場で処理 している。
≪連携の例:集落排水を下水道に接続≫
集落排水区域
T:下水道処理場 下水道区域
接続管路
構想前期(~H32) 構想後期(~H37) (H37~)
東広島市呉市
方向性の検討
連携
イ-2 し尿等処理と下水道の連携
次のとおり,し尿等処理施設の老朽化等に伴い,構想前期の事業間の連携を目指し,関係機関 との調整に着手,または事業間の連携について,構想前期に方向性の検討を行います。
参考 し尿等処理と下水道の連携の例:
〇広島市では,し尿等処理施設の老朽化に伴い,下水道処理場内にし尿等受入れ施設を整備 し,し尿等の受入れをしている
〇大竹市では,し尿等処理施設の老朽化に伴い,同敷地内に前処理施設を整備,下水道処理 場に管きょにより送水し処理している
〇江田島市では,し尿等処理施設の老朽化に伴い,同敷地内に前処理施設を整備,下水道処 理場に管きょにより送水し処理している
≪連携の例:し尿,浄化槽汚泥を希釈し下水道に接続≫
構想前期(~H32) 構想後期(~H37) (H37~)
尾道市庄原市
廿日市市 関係機関との調整に着手
ほか1市
方向性の検討
連携 連携
下水道区域 し尿・浄化槽汚泥
処理施設 生し尿 浄化槽汚泥
前処理施設(し尿,浄化槽汚 泥希釈施設)に改造
接続管路 運搬搬入
T:下水道処理場