Ⅰ.教育委員会の業務執行状況 1.予算執行管理
予算の調整・予算の執行に関する権限は市長に属するものであるが(自治法第149条第2 号)、事務の効率性および合理性を確保するために、事務委任や補助執行の手法(自治法第 180条の2)により、市教委において処理されている。
教育費の予算概要については前述しているが、平成20年度の事業予算の執行が適切に行わ れているかどうかについて検討した。具体的には人件費以外の教育経費当初予算8,677百万 円(決算額9,247百万円)のうち、事業予算単位で概ね50百万円以上の項目(幼稚園費につ いては予算額のうち最も金額が大きい項目)を対象としている。その内容は以下のとおりで ある。
(5千万円以上、単位:百万円)
金額
教育総務費 事務局費 学校園警備経費(※1) 136
各種補助金(※2) 607
小学校費 小学校管理費 施設管理経費 79
施設維持補修工事費 256
運営経費 (注) 761
小学校コンピュータ機器等更新経費 86
耐震補強事業経費 50
学習環境整備事業経費 1,840
西長尾小学校校舎増築事業経費 65 枚方第二小学校校舎改築事業経費 417
小学校教育振興費 就学援助費(※3) 305
中学校費 中学校管理費 施設維持補修工事費 112
運営経費 (注) 364
中学校コンピュータ機器等更新経費 55
耐震補強事業経費 90
学習環境整備事業経費 919
中学校教育振興費 就学援助費(※3) 119
幼稚園費 幼稚園費 運営経費 (注) 48
社会教育費 文化財保護費 史跡九頭神廃寺保存整備事業 75
留守家庭児童対策費 運営経費(※4) 232
児童会室建替経費(※4) 50
図書費 図書館資料購入費 113
中央図書館管理運営費 83
人件費以外の教育経費 内容
執行状況の検討にあたって確認すべきと判断した事業予算については上記の一覧表に計上さ れていない場合でも別途検討している。
なお、表中(注)を付している「運営経費」の中には、はあらかじめ一定の基準で予算が 算定され、各学校園に対して予算が割り当てられ、校園長の権限で執行されるものがふくま れており、それらについては、「Ⅱ.学校園の業務執行状況」においてその詳細について検 討している。それ以外の経費については、「Ⅰ.2.契約管理」、「Ⅰ.3.施設管理」お よび「Ⅲ.教育委員会所管の施設および出資法人における業務執行状況」において検討して いる。
(1)学校園警備経費(※1)
学校園警備経費は、学校園の警備を行うための経費であり、具体的には、機械警備に係る 委託料の他、宿直等に配置される人員に係る賃金や児童の安全確保のために学校園の校門近 辺を見回るボランティアに対する謝礼等である。
学校園警備経費の平成20年度決算額の内訳は以下のとおりである。
(単位:千円)
項目 内容 予算 決算
臨時代行員等(75校園分)経費 賃金等 40,485 37,281 機械警備委託料 44,350 42,844
報償費 委託料 他
14,384 29,274 1,516
13,388 28,111 1,431 安全監視事業経費
小計 45,174 42,931 合計 136,006 123,057
1)臨時代行員等経費
臨時代行員等経費は、臨時職員等に支払われる賃金であり、主として土日祝日を対象とし て半日直もしくは日直を伴う警備業務である。これらの業務に対する賃金の支払は学校長が 作成する出勤集計表および業務従事者による勤務報告に基づき行われている。
担当者へのヒアリング、関係資料の確認および学校園監査において提示された資料等を閲 覧した結果、特に問題となる事項はなかった。
2)機械警備委託料
3)安全監視事業経費
安全監視事業経費の内容は、ボランティアに対する謝礼および社団法人シルバー人材セン ター(以下「シルバー人材センター」という。)に対する委託料である。
ボランティアに対する謝礼は、校長が校区コミュニティ協議会やPTAを通じて、主に午前 中の時間帯に安全監視ボランティアに対して協力依頼した際に支払うものである。また、シ ルバー人材センターに対する委託料は、午後の時間帯に安全監視業務を委託していることに よって支払うものである。
これらの業務の履行確認は、各学校においてボランティア等に安全監視日誌を記載させる とともに、各学校で業務実績に基づいて作成した安全監視ボランティア活動日数報告書を事 務局に提出することによって行っている。
これらに関する書類を閲覧し、担当者へヒアリングを行った。その結果、特に問題となる 事項はなかった。
(2)事務補助等臨時職員経費他
事務局の臨時職員および交通指導員等の業務執行状況を検討するにあたり、平成20年度予 算として計上されていた以下の項目それぞれについて平成20年度決算額を確認の上、それら の内容を検討した。
(単位:千円)
項目 内容 予算 決算
事務補助等臨時職員経費 賃金等 15,071 10,114 交通専従員経費 報償費等 12,901 12,455 6,938 3,365 3,425 小学校通学安全事業経費
(交通指導員等)
報償費等 委託料
計 6,938 6,790
1)事務補助等臨時職員経費
事務補助等臨時職員経費は、事務局に勤務する職員の産休・育児休業、1ヶ月以上の病気 休暇、年度途中の退職による欠員、事務繁忙のために、事務の執行に支障がある場合、所属 長からの依頼によって教育総務課で臨時職員を雇用した際の当該職員に対する人件費である。
2)交通専従員経費および小学校通学安全事業経費
いずれの経費も登校時および下校時において通学する小学校児童に対し、誘導を行うこと により、児童の通学路における安全を図るため、各校から推薦された交通専従員もしくは交 通指導員等を配置するものである。また、通学路の安全を確保するために特に配慮が必要な 小学校については、シルバー人材センターと契約し、当該業務に従事させている。
これらの経費の執行状況について担当者へヒアリングを実施し、関係資料を閲覧した。
① 交通専従員及び交通指導員に対する経費執行
交通専従員及び交通指導員は「枚方市交通専従員配置事業実施要綱」に基づいて執行され る。交通専従員及び指導員は学校ごとの配置となるため、学校から月次の活動報告があり、
その実績に基づいて報償金を支払っている。
具体的には枚方市臨時職員の賃金水準を参考に時間給が決定され、実際従事時間を乗じて 算出された金額を当該業務従事者へ支払っている。これら一連の手続について専従員の推薦、
配置に関する依頼、従事確認に関する書類を閲覧したが、特に問題となる事項はなかった。
② シルバー人材センターに対する経費執行(結果)
シルバー人材センターとの委託契約は氷室小学校、牧野小学校及び川越小学校の3校が対 象となっている。これらの小学校は近隣事情により特に安全面における配慮が必要になった ため締結されている。
当該契約は自治法施行令第162の2第1項に定めにより随意契約となっており、契約書、随 意契約理由書等を閲覧したが、契約手続きに関して特に問題となる事項はなかった。
契約は単価契約であり、派遣者の従事実績に対して、交通専従員及び交通指導員と同等の 水準の時間給を乗じた額を当該業者へ支払う。
従事実績については派遣先である学校の校長が従事確認をし、シルバー人材センターから 月末に一括してこれらに関する請求が事務局に対してなされる。事務局では業者から送付さ れる請求書および従事実績を確認し、会計課へ支払手続の依頼をする。
これらの一連の手続について請求書等を確認したが、派遣者の従事実績は派遣者の派遣予 定日に対して派遣者の個人印が捺印されているのみで、現場監督者である校長がそれらを確 認した証跡を認めることができなかった。業務従事場所における実績確認および承認行為は 業者からの請求内容を確認する上で重要な手続であるため、今後、シルバー人材センターと の協議により現場責任者である校長承認を得るべきである。
い、市立幼稚園への入園希望者をすべて就園させることができなかったため、私立幼稚園へ の就園を促進させるべく、公私の保護者負担の格差是正として昭和42年に制度化されたもの である。支給対象者は、私立幼稚園に在園する市に住所を有する幼児の保護者である。
当初は、5歳児を対象に月額200円を助成し、その後順次増額していき、平成10年度には3 歳児から5歳児のすべての幼児に対して月額2,000円の支給となった。
しかし、市の財政再建緊急対応策の一環として、平成12年度に一律年額20,000円に減額し たものの、平成15年度の市立幼稚園5園廃止により生じた財源を有効利用し、平成14年度に 年額25,000円に増額し、さらに、平成15年度からは幼稚園就園奨励費補助金交付算定非対象 者には、当該奨励費受給者との格差是正のため、年額25,000円増額し、50,000円としている。
2)根拠条文
枚方市私立幼稚園幼児保育助成金支給規則
3)助成金の支給状況
平成20年度の当該助成金の支給実績は以下のとおりである。
区 分 園 数 支 給 人 数(人) 給付額(円)
市内私立幼稚園 19園 満3歳児~
5歳児 5,144 164,321,000 市外私立幼稚園 32園 満3歳児~
5歳児 912 29,139,000 合計 51園 6,056 193,460,000 (注) 年度途中の入退園者については月割支給
平成20年度の助成金の支給が規則等に準拠して適切になされているかについて、助成金支 給申請書、助成の決定、支給の手続等に関する関係書類を閲覧し検討した。
また、年度途中の入退園に関する手続きやそれに関連して発生する助成金の返還の手続き についてもそれらが適切かつ速やかに行われているかについて関係書類を閲覧し、担当者へ ヒアリングを行い検討した。
その結果、特に問題となる事項はなかった。