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-1 高輝度白線材料の開発

本事業では、悪天候時や照度が急激に変化する環境下においても正確に白線を識別で き、かつコスト面にも優れた技術を開発することを目的とする。本技術によって車線維 持支援システムの性能を向上することにより、ドライバの運転負担を軽減し、車線逸脱 事故の大幅な削減に貢献することのできる高反射で認識が可能な素材並びにリブ形状 の最適化の検討、検証を行った。

-1.1 安定的に高反射で識別できる素材の検討

高輝度白線材料に含有させ、ミリ波レーダを安定的に高反射で識別できる金属素材を 検討する。

ミリ波レーダを安定的に高反射で識別できる素材として金属素材を検討したが、アル ミニウムが、電気伝導性が良く最も効果的であると考えられ、尚且つ金属素材としては 鉄 や 銅 に 比 べ 比 較 的 安 定 な 素 材 で あ る 事 か ら 高 輝 度 白 線 材 料 中 に ア ル ミ ニ ウ ム 粉 を 含 有させることで検討した。

但し、アルミニウムを含む金属粉は消防法で危険物に該当するため、危険物から除外 される粒度に限定して検討した。

-1.1.1 含有させるアルミニウム粉の粒度の検討

ミリ波レーダを高反射させるため、高輝度白線材料中に含有させるアルミニウム粉 の 粒度の検討を実施した。

但し、消防法では、150[µm]の網ふるいを通過する量が50[%]を超えるアルミニウム粉 を第2類危険物と定めており、粉末状のアルミニウム粉は使用できない。よって市場で 流 通 し て お り な お か つ 消 防 法 の 危 険 物 と し て 除 外 さ れ る 最 少 粒 径 の 粒 状 の ア ル ミ ニ ウ ム顆粒を検討することとした。

-1.1.2 含有させるアルミニウム粉の粒度の選定

市場で販売されアルミニウム顆粒の粒度が安定しており、入手できたアルミニウム顆 粒で最少粒径のものは下記の表2.1.1-1のものであった。

表2.1.1-1: アルミニウム顆粒の商品名及び粒径

製造会社 商品名 粒径[mm]

ミナルコ社

アトマイズアルミニウム#208SP 0.5~2.0 アトマイズアルミニウム#220SP 0.2~1.0

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-1.1.3 入手したアルミニウム顆粒の状態

図2.1.1-1 から図2.1.1-4 が入手したアルミニウム顆粒である。

入手したアルミニウム顆粒は粒状ではあるが、拡大写真にあるように球 形で はな い。

現時点で危険物から除外される最少の粒度はこの 2種類であった。

図2.1.1-1: #208SP(粒径 0.5~2.0[mm])

図2.1.1-2: #208SP拡大写真

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図2.1.1-3: #220SP(粒径 0.2~1.0[mm])

図2.1.1-4: #220SP拡大写真

上記のアトマイズアルミニウム#208SP(粒径 0.5~2.0[mm])とアトマイズアルミニウ ム#220SP(粒径 0.5~2.0[mm])を高輝度白線材料に配合し検討、検証した。

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-1.2 素材を配合しての高輝度白線材料の検討、設計

-1.2.1 塗料への含有量の検討

入手したアルミニウム顆粒を高輝度白線材料へ含有させる 素材として検討し、含有さ せることによる材料の流動性、施工性の確認を行った。

. 素材を高輝度白線材料へ含有させた際の影響の検討

入手したアルミニウム顆粒は粒状ではあるが、前項の通り、球形ではないため高輝度 白線材料の素材としてアルミニウム顆粒を含有させることで、材料の流動性や施工性に 影響するものと予測された。

-1 アルミニウム顆粒を含有させたことによる施工性、流動性への影響の確認試験方法

現 時 点 で ミ リ 波 レ ー ダ を 安 定 的 に 高 反 射 で 識 別 す る と 考 え ら れ る ア ル ミ ニ ウ ム 顆 粒 の含有量が決定されていないため、既存のリブ標示材へのアルミニウム顆粒の含有量を 5[%]とした。

アルミニウム顆粒を 5[%]含有させ溶解した材料を 170[℃]で高さからアルミニウム板 上に流し、材料の最大の長さを計測する。

流動性が良いと流れ出た材料の長さは長くなる傾向にある。

-2 試験結果

下記の写真のように流れ出た材料の最大の長さをノギスで計測する。

#208SP が最大長さ 100[mm]程度であったのに対し、#220SP は 120[mm]程度と長く、

#220SPを含有させた材料の方が、流動性が良いことが分かった。

図2.1.2-1: #208SP含有材料 図2.1.2-2: #220SP含有材料

また、写真の材料の盛り上がり方からも 170[℃]で流した材料のチクソトロピ-性も

#208SPの方が大きく#220SP は盛り上がり方が低いことから、#220SPを含有させた材料

の方が、流動性が良いことが分かった。

114 イ. 粒径の検討、確認

上記、2種類の粒径のアルミニウム顆粒を既存リブ標示材に 5[%]させ含有させ施工性 の確認を行った。

-1 試験方法

現在施工されている既存リブ標示材のフラット部分が塗膜厚さ 2[mm]であることから 試験用アプリケーターの塗膜厚さを 2[mm]に設定し、アルミ板上に材料を塗布した時の 塗膜表面の観察を行う。

-2 試験結果

試 験 用 ア プ リ ケ ー タ ー で ア ル ミ 板 上 に 材 料 を 塗 布 し た 結 果 、#208SP( 粒 径 0.5~ 2.0[mm])は図1.1.2-4のように塗膜上にスジ引きが見られ、#220SP(粒径 0.2~1.0[mm])

は図1.1.2-6のようにスジ引きが見られなかった。

図1.1.2-3: #208SP 5%含有の塗膜上

115

図1.1.2-4: #208SP スジ引きの状態

図1.1.2-5: #220SP 5%含有の塗膜上

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図1.1.2-6: #220SP スジ引きが無い状態

-1.3 まとめと今後の検討項目及び課題

本項では、既存リブ標示材にアルミニウム顆粒を含有させた際の流動性に対する影響 を検証した。

また、アルミニウム顆粒の粒度による差はアルミ板上の塗布状態から#208SP(粒径 0.5

~2.0[mm])は、塗膜上にスジ引きが見られた結果となった。

但し、今回の検証では#220SP(粒径 0.2~1.0[mm])では塗膜上のスジ引きは見られ ないが含有量次第ではスジ引きが発生する恐れも考えられる。

今後の検討課題としては、アルミニウム顆粒を含有させることにより流動性、施工性 に対して影響のある配合設計について、既存リブ標示材の配合設計を高反射率白線材料 用に見直す必要がある。

しかし上記は、ミリ波レーダを安定的かつ高反射で識別できるアルミニウム顆粒の含 有量とのトレードオフ関係にあるため、ミリ波レーダを安定的かつ高反射させるために 必 要 な ア ル ミ ニ ウ ム 顆 粒 の 含 有 量 の 検 討 と 並 行 し て 材 料 の 配 合 設 計 の 検 討 を 今 後 も 進 める必要がある。

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-2 白線識別用高輝度白線のリブ形状の最適化の検討

本事業で検討、検証している高視認性白線材料において、模擬的に作成したサンプル 試験板や、構内で施工機による本施工に近い状態でアルミ板上やアスファルトフェルト 紙上に施工したサンプル試験板において夜間における視認性を検討、検証した。

-2.1 リブ形状(幅、高さ、間隔)の検討

ミリ波レーダを安定的に高反射で識別する高輝度白線材料において、視認性において も最適な視認性を得るためにリブ形状、リブ間隔、リブ高さを既存リブ標示材の視認性 の確認と比較を行い、検討、検証を行う。

現在、施工されている既存のリブ標示材を含め路面標示には夜間の視認性向上、維持 のために塗膜表面に微細なガラスビーズを散布している。

このガラスビーズが車のヘッドライトの光を人間に目に反射させることで夜間でも路 面標示が視認できる構造となっている。

図2.2.1-1: ガラスビーズの再起反射原理

-2.1.1 既存リブ標示の視認性確認と高輝度白線材料の視認性の検証

ア ル ミ 板 上 に 塗 布 し た 既 存 リ ブ 標 示 と 通 常 標 示 材 の 視 認 性 確 認 と 高 輝 度 白 線 材 料 サ ンプル試験板にリブの設置間隔や設置形状変え暗室にて夜間の視認性を検証した。

. 試験方法

今回の検証ではアルミ板上に塗布したサンプル試験片を暗室に持ち込み、ライトを照 射し撮影を行い、また反射輝度測定を行った。

暗 室 内 で の 目 視 で の 視 認 性 確 認 の 方 法 と 使 用 し た 反 射 輝 度 測 定 器 及 び 測 定 機 構 は 下 記の通りである。

表2.2.1-1: 暗室でのサンプル板の撮影状況

撮影位置 高さ1.25[m]

ライトの位置 高さ0.9[m]

撮影位置から

サンプル板までの距離 5[m]

118 1.25[m]

0.9[m]

サンプル板

5[m]

図 2.2.1-2: 暗室内での撮影略図

図 2.2.1-3: サンプル板を照射するライト

表2.2.1-2: 反射輝度測定機材

製造会社 ポッターズ・バロティーニ社

名称 MX‐7 平成25年 5月購入

図 2.2.1-4: 反射輝度測定器 MX‐7

測定器の反射輝度の単位:mcd/m2lx(ミリカンデラ/平方メートル・ルックス)

反射輝度は、簡易測定器を用いてそれぞれのレーンマークに対して、乾燥状態の反射 輝度を測定する。

測定評価:測定の数値が高いほど、再帰反射の状態が良く、夜間の視認性が高い。

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図2.2.1-5: 反射輝度の測定原理

. 既存リブ式標示の視認性と反射輝度測定結果

既存のリブ式標示材を実施工機で長さ600[mm]アルミ板上に3枚施工し、サンプル試 験片を暗室でライトを照射し視認性を確認した。

図 2.2.1-6: 暗室内で撮影した既存リブ標示材サンプル試験片(塗布幅 200[mm])

図2.2.1-7: 暗室内で撮影した通常標示材サンプル試験片(塗布幅150[mm])

受光センサー       

受光センサー 入射角

LED光源 LED光源 観測角

測定器 測定機構

120

既存の施工幅 200[mm]リブ式標示はフラット部分の塗膜厚さ2[mm]、リブ高さ 6[mm]

で施工されており、リブが設置される事により通常の路面標示と比較し、光と影のコン トラストがあるため視認性は非常に良いのが分かる。

また、反射輝度の測定結果は下記の通りである。

表2.2.1-3: 反射輝度の測定結果 単位:mcd/m2lx

種別 測点No.1 測点No.2 測点No.3 平均 既存リブ標示材 353 325 341 340

通常標示材 279 285 261 272

通常の路面標示は 200~300[mcd/m2lx]であり、今回測定したサンプル板は300~350

[mcd/m2lx]程度であることから非常に良い視認性であることが確認できた。

-2.1.2 高輝度白線材 料のリブ形状とリブ間 隔の違いによる視認性 と反射輝度の検討

と検証

現時点でミリ波レーダを安定的に高反射で識別する高輝度白線材料のリブ高さ、リブ 形状、リブ間隔は決定されていないが、試験用に作製したリブ試験片を用いて、リブ間 隔、リブ形状による視認性及び反射輝度の検討、検証を実施した。

. 試験方法

既存リブ標示材と通常標示材の視認性及び反射輝度と同様の試験方法で行った。

リブ形状とリブ間隔は表 2.2.1-4に示す。

表2.2.1-4: リブ試験片のリブ間隔とリブ形状

試験状況 リブ間隔 100[mm]、300[mm]

リブ形状 リブを平行設置、斜め45°設置

※リブ高さは10[mm]で統一

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