演習問題1.
複素平面上で,点Pの座標は z=√
6 +i√ 2 である.また,
eπ4i= cosπ
4 +isinπ 4 = 1
√2+ 1
√2i
より,
z′= (√
6 +i√ 2
) ( 1
√2+ 1
√2 )
=√
3−1 +i (
1 +√ 3
) i
を得る.
(x, y) = (√
3−1,√ 3 + 1
)
演習問題2.
z= (1 +itanθ)3
= 1−3 tan2θ+i(3 tanθ−tan3θ) これより,
tan 3θ= Imz Rez
= 3 tanθ−tan3θ 1−3 tan2θ を得る.
演習問題3.
Machinの公式と同様に計算できる.
arg(2 +i)2
7 +i = 2 arctan1
2 −arctan1 7 また,
(2 +i)2
7 +i = 3 + 4i 7 +i
= (3 + 4i)(7−i) 50
= 1 +i 2
よって,
arg(2 +i)2 7 +i = π
4 を得る.以上より,
π
4 = 2 arctan1
2 −arctan1 7 が言える.
演習問題4.
1. (a)
−z¯=−√ 3 +i (b)
1 z =
√3−i (√3−i) (√
3 +i) =
√3−i 4 (c)
z¯z= (√
3 +i ) (√
3−i )
= 4
2.
z1=cであるので,z1=−1 +√ 3i z2= (−1 +√
3i)2−1 +√ 3i
= 1−3−2√
3i−1 +√ 3i
=−3−√ 3i
z2= 2√ 3
(
−
√3 2 − i
2 )
= 2√ 3
{ cos
(7 6π
) +isin
(7 6π
)}
よって,
argz2= 7 6π
|z2|= 2√ 3
おまけ マンデルブロ集合はWikipediaに掲載されて いる.図を確認することができる.
演習問題5.
1. 解を
z=reiθ とおく.1 =e2nπiより,
z3=r3e3θ=e2nπi
絶対値を比較すると,r= 1.偏角の比較を比較すると θ=2nπ
3 を得る.よって,答えは
z= 1, e23πi, e43πi となる.実部と虚部に分けて書くと
z= 1,−1 2 ±i
√3 2 となる.図示すると以下の通り.
2. 解を
z−1 =reiθ とおく.すると,問5と同様に,
r=√ 2, θ=nπ
2 +π 4 を得る.これより,
z−1 =±1±i 復号任意 を得る.よって
z= 2±i,±i
演習問題6.
1. 左辺はeiθ2とeiθ1を結ぶ弦(赤色)の長さ,右辺は 弧(青色)の長さであるので,明らかに不等式が成立 する.等号成立はθ= 2nπ(nは整数)のときである.
別解
eiθ2−eiθ1=i ˆ θ2
θ1
eitdt
θ2≥θ1として,両辺絶対値を取ると次式を得る.
eiθ2−eiθ1≤ ˆ θ2
θ1
eit dt=θ2−θ1
θ2< θ1の場合も同様の式を得る.よって,これよ り次式を得る.
eiθ2−eiθ1≤ |θ2−θ1|
2. 左辺は半径exの円とe−x円上の二点を結ぶ線分
(赤)である.右辺はその2つの円の最短距離であるの で,明らかに不等式が成立する.等号成立はy =nπ
(nは整数)のときである.
演習問題7.
問7で証明した指数法則を用いる.
1.
cos2z+ sin2z=
(eiz+e−iz 2
)2
+
(eiz−e−iz 2i
)2
= 1
2.
cosz1cosz2−sinz1sinz2
=eiz1+e−iz1 2
eiz2+e−iz2
2 −eiz1−e−iz1 2i
eiz2−e−iz2 2i
=ei(z1+z2)+e−i(z1+z2) 2
= cos(z1+z2)
演習問題8.
i=e(n+12)πiより,ii =e−(n+12)πを得る.nは整 数である.
演習問題9.
1.
f(x, y) =(x2+y2)(x−iy)
2 −x+iy
=
(x2+y2 2 −1
) x−i
(x2+y2 2 −1
) y 以下のように実部をu(x, y),虚部をv(x, y)とおく.
u(x, y) =
(x2+y2 2 −1
) x v(x, y) =−
(x2+y2 2 −1
) y
ここで,Cauchy-Riemannの関係式を満足する条件 を考える.
∂u
∂x =3
2x2+y2 2 −1
∂v
∂y =−x2 2 x−3
2y2+ 1 より,∂u
∂x =∂v
∂y となるのは,
x2+y2= 1 のときのみである.また,
∂u
∂y =−∂v
∂x =xy より,∂u
∂y =−∂v
∂xは常に満足する.
よって,微分可能となるのは複素平面上の単位円上 のみである.
別解
∂f(z)
∂z¯ =zz¯−1 よって,微分可能となるのは,
|z|= 1
のとき.
2.
単位円上の点を含む開集合は存在しない.つまり,
いかなる開集合も微分可能でない点を含むため,正則 ではない.よって,正則となる領域はない.
演習問題10.
1. パス上でzは,z = (1 +i)tとパラメータ表示で きる.
|z|2=z¯z= 2t2 dz= (1 +i)dt これより,
I1= ˆ 1
0
2t2(1 +i)dt= 2 3(1 +i) となる.
2. x軸上ではz=tと表すことができる.
|z|2=t2 dz= dt
また,y軸上ではz= 1 +itと表すことができる.
|z|2= (1 +it)(1−it) = 1 +t2 dz=idt
よって,
I2= ˆ 1
0
t2dt+ ˆ 1
0
(1 +t2)idt
= 1 3+4
3i となる.
3. |z|= 1軸上ではz= cosθ+isinθと表すことが できる.
Rez= cosθ
dz= (−sinθ+icosθ) dθ これより,
I3= ˆ 2π
0
cosθ(−sinθ+icosθ) dθ
=i ˆ 2π
0
cos2θdθ=πi となる.
演習問題11.
パスを変更してからパラメータ表示を使う.
パスを図のように実軸上に移動させる.実軸上では z=xであるので,
I1= ˆ 1
−1
x2dx= 2 3
別解 原始関数を使う.
F(z) = z3 3 であるので,
I1=F(1)−F(−1) = 2 3 2. パスを円弧で表す.
z=eiθ, dz=ieiθdθ
I2= ˆ 0
π
ieiθ
eiθ dθ=−πi
注意 パスの変更は正則な範囲で可能である.1/zは z = 0で正則でないので,z = 0を通過するパスや z= 0をまたいで移動させたパスへの変更は出来ない.
3. 円のパスに変更する.
I3= ˆ 2π
0
ieiθ e2iθdθ
=i ˆ 2π
0
e−iθdθ= 0
別解 z = 0以外の点で正則であるので,パスを大き な円に変更することができる.その円の半径をRと おく.
|I3|= ˆ
|z|=1
dz z2
≤ ˆ
|z|=1
|dz|
|z2|
=2π
R →0 (R→ ∞)
演習問題12.
1. f(z) = sin(πz)
2 ,α= 12をコーシーの積分公式に 代入すると,
f (1
2 )
= 1 2πi
‰
|z|=2
sin(πz)/2 z−12 dz を得る.よって,
I1=2πif (1)
=πi
2. 解は,z= 0, z= 1を中心とする小さな円上での 積分Ia, Ibの和で表される.
z = 0を中心とする小さな円の積分の値は,コー シーの積分定理で
fa(z) = cosπz+ sinπz
z−1 , α= 0
とおくことにより,得られる.
Ia= 2πifa(0) =−2πi
同様にz= 1を中心とする小さな円の積分の値は,
fb(z) =cosπz+ sinπz
z , α=1
とおくことにより,得られる.
Ib= 2πifb(1) =−2πi
I2=Ia+Ib=−4πi
演習問題13.
パスは下図の通りである.
f(z) = 1
8(z−1),α=−12,n= 2とおく.パスの内 部でf(z)は正則である.
f′′
(
−1 2
)
= 2 2πi
‰
|z+1|=1
{ f(z) z−(
−12)}3dz
I=πif′′
(
−1 2
)
f′′(z) = 1 4(z−1)3 より,
f′′
(
−1 2
)
=−2 27 となる.よって,
I=−2 πi
を得る.
演習問題14.
1
(z−2)(z−3) = 1
2−z− 1 3−z
= 1
1−(z−1) − 1 2−(z−1)
= 1
1−(z−1) −1
2 × 1 1−z−21
=
∑∞ k=0
(z−1)k−1 2
∑∞ k=0
(z−1 2
)k
=
∑∞ k=0
( 1− 1
2k+1 )
(z−1)k
2. 各項それぞれz= 0のまわりでTaylor展開をする.
sinz=z−z3 3! +z5
5! − · · ·
(初等関数(ez,sinz,coszなど)のTaylor展開は覚え ておきましょう.)
初項1,公比z2の等比数列の和と考えると 1
1−z2 = 1 +z2+z4+· · · を得る.
以上より,
sinz 1−z2 =
( z−z3
3! +z5
5! − · · ·) (
1 +z2+z4+· · ·)
=z+5
6z3+101
120z5+· · ·
演習問題15.
1.
1
R = lim
n→∞
√n
1 = 1 よって,R= 1
2.
1 R = lim
n→∞
n
√ 1 n2 = 1 よって,R= 1
別解
R= lim
n→∞
1 n2
1 (n+ 1)2
= lim
n→∞
( 1 + 1
n )2
= 1
なお,z= 2のとき,この級数は収束し,その値は以 下の通りである.
f(2) = 1 + 1 22 + 1
32+· · ·+ 1
n2 +· · ·= π2 6 この級数はバーゼル問題として知られ,その収束値の 計算は複素積分を用いて求めることができる.(収束値 の計算方法は他にもいくつかある.)
演習問題16.
1.(a)
sinz=z−z3 3! +z5
5! − · · · (3.1) より,
sinz
z = 1−z2 3! +z4
5! − · · · となる.よって,
(sinz z
)2
= 1−z2 3 +2z4
45 +· · · を得る.これは除去可能な特異点である.
(b) 式(3.1)より,
sinz z2 = 1
z − z 3!+z3
5! − · · · (3.2) となる.これは極であり,位数は1である.
(c) 式(3.2)のzに1/zを代入すると次式を得る.
sin1z
1 z2
=z− 1 3!z+ 1
5!z3 − · · · 真性特異点である.
2.(a) 1
z
<1,z 2
<1を利用して級数展開する.
1
(z−1)(z−2) =− 1
z−1 + 1 z−2
=−1 z
1 (1−1z)−1
2 1 1−z
2
=−1 z − 1
z2 − 1 z3 − · · ·
−1 2 − z
22 −z2 23 − · · ·
=−
∑∞ n=1
1 zn −1
2
∑∞ n=0
zn 2n
(b) 1
z <1,
2 z
<1である.
1
(z−1)(z−2) =− 1
z−1 + 1 z−2
=−1 z
1 (1−1z)+1
z 1 1−2
z
=−1 z − 1
z2 − 1 z3 − · · · +1
z + 2 z2 +22
z3 +· · ·
=
∑∞ n=2
(2n−1−1) 1 zn
演習問題17.
1.(a) z=−4はfaの一位の極である.
Res (fa(z),−4) = lim
z→−4((z+ 4)fa(z)) = 4 125 よって,z=−4における留数は 4
125 である.
z= 1はfaの三位の極である.
Res (fa(z),1) = 1 2 lim
z→1
d2 dz2
((z−1)3fa(z))
(z−1)3fa(z) = z
(z+ 4) = 1− 4 (z+ 4) より,
d2 dz2
z
(z+ 4) =− 8 (z+ 4)3 よって,
Res (fa(z),1) =− 4 125 (b) z=nπは単純な極.
Res ( 1
sinz, nπ )
= 1
(sinz)′
z=nπ
= 1
cosnπ = (−1)n
よって,z=nπにおけるfbの留数は(−1)n
2.(a) z =n(n̸= 0)はsinπzの1位の零点である.
また,cosnπ
n2 ̸= 0より,z=nは 1 z2
cosπz
sinπz の1位の 極.よって,
Res (f, n) = (cosπz)/z2 (sinπz)′
z=n
=(cosnπ)/n2
= 1
(b) z= 0はz2sinπzの3位の零点,cos 0π= 1よ り,z= 0は 1
z2 cosπz
sinπz の3位の極.よって,
Res (f,0) = 1 2 lim
z→0
d2 dz2
(z3f2
)
=1 2 lim
z→0
d2 dz2
zcosπz sinπz
=πlim
z→0
πzcosπz−sinπz sin3πz
=πlim
z→0
−13π3z3+· · · π3z3+· · ·
=−π 3 別解
cosπz= 1−(πz)2 2! +· · · 1
sinπz = (
πz (
1−(πz)2 3! +· · ·
))−1
= 1 πz
(
1 +(πz)2 3! +· · ·
)
これより,
cosπz sinπz = 1
πz −πz 3 +· · · よって,
cosπz z2sinπz = 1
πz3 − π 3z +· · · となり,留数が−π
3 であることが分かる.
演習問題18.
z= 1は1位の極である.
Res
( 1
(z−1)(2z+ 1)3,1 )
= lim
z→1
1
(2z+ 1)3 = 1 27 z=−12 は3位の極.
Res
( 1
(z−1)(2z+ 1)3,−1 2
)
= 1 2 lim
z→−12
d2 dz2
( 1 8(z−1)
)
= 1 2 lim
z→−12
( 1 4(z−1)3
)
=−1 27
パスの内部にある極はz=−12 のみ.よって,
I= 2πiRes
( 1
(z−1)(2z+ 1)3,−1 2
)
=− 2 27πi を得る.
演習問題19.
‰
CR
z2 1 +z4dz=
ˆ R
−R
x2 1 +x4dx+
ˆ
ΓR
z2 1 +z4dz
R→ ∞のとき,式(3.3)の左辺は積分定理より変わ らない.右辺一項目はIになり,二項目は z2
1 +z4 ∼ O
( 1
|z|2 )
より0になる.
よって,
I=
‰
CR
z2 1 +z4dz を計算すれば良いことが分かる.
上半面にある特異点はz=e14πi, e34πiである.特異 点αkにおける留数は以下の通り計算できる.
Res ( z2
1 +z4, αk
)
= z2 (1 +z4)′
z=αk
= 1 4αk
よって,
I1= 2πi ( 1
4e14πi+ 1 4e34πi
)
= πi 2
(
e−14πi+e−34πi )
= π
√2
演習問題20.
x=tとおく.これより,求める値は I=
ˆ ∞
−∞
xe−iωx 1 +x2dx
である.下図のように半円のパスを考え,積分する.
(被積分関数の中のe−iωtは,指数部にマイナスがあ るので,下半面に半円のパスを取る.)閉曲線のパス Cは時計まわりにとると,次式を得る.
−
‰
C
zeiz 1 +z2dz=
ˆ
ΓR
zeiz 1 +z2dz+
ˆ R
−R
xeix 1 +x2dx 左辺は留数定理より求まる.右辺第一項は,Jordanの 補題より,R→ ∞で0になる.右辺第二項は,R→ ∞ でIになる.
左辺を留数定理を用いて計算する.z=e1+2n4 πi(n= 0,1,2,3)は, zeiz
1 +z2 の単純な極である.このうち,閉 曲線のパスCの内部にあるのは,z =eπi4, z =e3πi4 である.
ˆ よって,∞
−∞
xeix 1 +x2dx
= 2πi [
Res ( zeiz
1 +z2;eπ4 )
+ Res ( zeiz
1 +z2, e3π4 )]
= 2πi×???
よって,
I= π e
演習問題21.
z = eiθ とおくと,cosθ = z+z−1
2 ,dθ = dz iz と なる.
I=
‰
|z|=1
( dz
a2−2az+z−1 2 + 1
) iz
=i
‰
|z|=1
dz
az2−(a2+ 1)z+a 上の積分の被積分関数の極はz =a,1
a の2つで,そ れぞれ単純な極である.このうち0 < a < 1より,
z = 1
a > 1は閉曲線|z| = 1の外側にある.一方,
z=aは閉曲線|z| = 1の内側にある.これより,留 数定理より次式を得る.
I=−2πRes
( 1
az2−(a2+ 1)z+a, a )
= 2π 1−a2
演習問題22.
演習問題23.
z−1 =r1eiθ1, z+ 1 =r2eiθ2 とおくと,
√ 1
(z−1)(z+ 1) =
√r1r2
e
−iθ1 +2θ2
となる.fA=√
3なので,点Aにおける偏角と絶対 値は以下の通りである.
r1= 1, r2= 3, θ1= 0, θ2= 0