ここで、各用法において、「複合体どうも」を使用する発話者の性別・年代を明らかに する。また、性別や年代により、それぞれ使用される場面・用法に違いがあるかを検討す る。
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表 41 用法による使用状況
用法 男 女 年代(人) 場面
強調 13 16
20 (11) 30 (9) 40 (10) 50 (2) 60 (1)
電話 15 打合せ 6
挨拶 4 雑談 3 応対 4 小会議 1
報告 1 相談 1
推量 5 1
20 (2) 30 (3) 40 (1)
雑談 2 打合せ 2 小会議 1 電話 1
フィラー 3 2
20 (1) 30 (2) 60 (2)
雑談 5
判断 0 4 20 (1) 30 (1) 40 (1) 50 (1)
雑談 2 打合せ 1 小会議 1
表 41 を見ると、まず、「強調」の用法において、男性は 13 例、女性は 16 例である。例 数は同じぐらいである。年代から見ると、20 代が 11 例で、最もよく使われている。その 次に使われるのは 30、40 代で、50、60 代の使用例はかなり少ない。「強調」の用法には 年代差があると言ってよいだろう。場面をみると電話の場面で一番多く、次に打合せの場 面で使われる。あまり使われていないのは「小会議」、「報告」、「相談」の場面である。場 面差が見られるといえる。
「推量」の用法において、男性は 5 例、女性は 1 例である。男性は女性よりよく用いる
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ことが分かる。使用年代は 20 代から 40 代である。使用場面は雑談も小会議もある。
「フィラー」の用法において、男性は 3 例、女性は 2 例で同じぐらいである。使用年代 は 20 代、30 代、60 代である。使用場面は全て雑談の場面で、「フィラー」の用法はフォ ーマルな場面で使わないことが分かる。
「判断」の用法において、男性の使用は見られず、女性には 4 例が見られる。性別差が あるといえる。使用年代は 20~50 代である。使用場面は雑談、打合せ、小会議である。
以上から、用法によって、性別・年代・場面が選択されることがはっきり分かった。
ここで、さらなる特徴を明らかにするために、比較的よく使われる形式を見る。
表 42 各形式における使用状況
形式 性別 年代 場面 用法
どうもありがとうございます (ました)
女 2 女 2 男 男 男 男 女 女 男
40 (2) 20 (2)
50 20 50 30 不明
40 40
電話 (2) 電話 (2)
応対 応対 応対 打合せ 打合せ 相談 報告
強調
どうもすいません(でした)
女 女 女 女 女 男
40 20 40 30 40 30
電話 電話 挨拶 雑談 小会議 打合せ
強調
どうもお世話になってます
女 女
40 40
電話
電話 強調
69 (おります) 女
男
20 20
電話 電話 きのうはどうもありがとうご
ざいます(ました)
男 女 女
30 20 30
電話 電話 挨拶
強調
表 42 から見ると、「どうもありがとうございます(ました)」、は 20 代から 50 代までの 人に使われている。女性では 6 回、男性では 5 回出現し、この形式は性別に関係なく用い ると言える。女性は電話、打合せ、相談の場面で用いるのに対し、男性は応対、打合せ、
報告の場面で使用している。また、女性は主に電話の場面に用いるのに対し、男性の使用 は「応対」の場面で多い。男女により場面差が見られる。「どうもすいません(でした)」
の形式は女性が 5 回使用したのに対し、男性は 1 回である。この形式は男性より女性のほ うがよく使う表現と言える。「どうもお世話になってます(おります)」は女性が 3 回使用 したのに対し、男性は 1 回である。使用される場面は全て電話の場面であることが観察さ れる。