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第 3 章

4.4 構造特性

4.4.8 総リンク長

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4.4.1 可視化

可視化結果は初期ネットワークサイズN0=1000の結果であり,パケット送受信要求 の発生確率の割り当て方とパケットルーティングの違いによらず,図4.2のガブリエル グラフが初期構成である.各図のノードの大きさはパケット送受信要求の発生確率に 対応しており,細い黒線は初期構成のガブリエルグラフに含まれているリンク,太い黒 線は後に付加されたショートカットである.

図4.2 初期構成のガブリエルグラフ

まず,パケット発生及び宛先になる確率の割り当て方にFS とEXP を用いた場合,

ルーティングの違いによる大きな差はなく,図4.3,4.4,4.5,4.6のLSネットワーク に注目すると周辺部分は淘汰されているが中心部分はほぼ初期構成のまま残っている.

これはパケット送受信要求発生確率が高いノードが空間的に分散しているためである.

岐阜‐滋賀エリアの人口分布に応じてパケット送受信要求の発生確率の割り当てた 場合もルーティングの違いによる大きな差はない.図4.7,4.8のLSネットワークの右 下にある岐阜市周辺の人口密度が高い領域(ブロックの色が赤に近い部分)及び左上の 福井市周辺はほぼ初期構成のまま残っている.しかし,左下の琵琶湖周辺及び福井県と 岐阜県の県境は山沿いであり人口密度が低いため初期構成のリンクは淘汰され,人口 密度が高い福井市周辺と岐阜市周辺を繋ぐパスのみが生き残っている.

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金沢-福井エリアの人口分布に応じてパケット送受信要求の発生確率の割り当てた 場合もルーティングの違いによる大きな差はない.図4.9,4.10のLSネットワークの 右上の金沢市周辺と左下の福井市周辺は人口密度が高いため 初期構成のリンクは 残っている.一方,左上の日本海の部分と右下の山沿いの人口密度は低いため,金沢市 周辺と福井市周辺を繋ぐパス以外のリンクは淘汰されている.

京阪エリアの人口分布に応じてパケット送受信要求の発生確率を割り当てた場合も ルーティングの違いによる大きな差はない.図4.11,4.12のLSネットワークの真ん中 下の人口密度が高い大阪市周辺から真ん中右の京都市周辺は初期構成のリンクが多く は残り,左上の山沿いのリンクはほぼ淘汰されている.

名古屋エリアの人口分布に応じてパケット送受信要求の発生確率の割り当てた場合 もルーティングの違いによる大きな差はない.人口密度が高い名古屋市周辺は初期構成 に含まれるリンクが多く残っている.

全体的な傾向として,パケット送受信要求の発生確率が高いノードが空間的に分散 している場合は初期構成に含まれるリンクが多く生き残るという結果となった.

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LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.3 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:FS パケットルーティング:Greedyルーティング+Self-Avoiding

40

LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.4 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:FS パケットルーティング:Compassルーティング+Self-Avoiding

41

LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.5 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:EXP パケットルーティング:Greedyルーティング+Self-Avoiding

42

LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.6 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:EXP パケットルーティング:Compassルーティング+Self-Avoiding

43

LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.7 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:岐阜-滋賀エリアの人口分布 パケットルーティング:Greedyルーティング+Self-Avoiding

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LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.8 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:岐阜-滋賀エリアの人口分布 パケットルーティング:Compassルーティング+Self-Avoiding

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LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.9 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:金沢-福井エリアの人口分布 パケットルーティング:Greedyルーティング+Self-Avoiding

46

LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.10 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:金沢-福井エリアの人口分布 パケットルーティング:Compassルーティング+Self-Avoiding

47

LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.11 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:京阪エリアの人口分布 パケットルーティング:Greedyルーティング+Self-Avoiding

48

LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.12 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:京阪エリアの人口分布 パケットルーティング:Compassルーティング+Self-Avoiding

49

LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.13 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:名古屋エリアの人口分布 パケットルーティング:Greedyルーティング+Self-Avoiding

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LS RNG

PR 10% RS 10%

PR 30% RS 30%

図4.14 可視化図

パケット送受信要求の発生確率の割り当て方:名古屋エリアの人口分布 パケットルーティング:Compassルーティング+Self-Avoiding

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4.4.2 生き残ったノード数Nt

本項では初期ネットワークサイズ N0が LS ネットワークで生き残るノード数 Ntに 与える影響を調べる.図 4.15 は横軸に初期ネットワークサイズ縦軸 N0,縦軸に生き 残ったノード数Ntをとったグラフである.

図4.15 生き残ったノード数Nt

Greedyルーティング+Self-Avoiding(左),Compassルーティング+Self-Avoiding(右)

図4.15よりルーティングの違いによる大きな差はない.初期ネットワークサイズN0

に比例して生き残ったノード数 Ntも増加することがわかる.また,パケット送受信要 求の発生確率の割り当て方がFSとEXP場合と人口分布に応じて割り当てた場合のNt

の差は,パケット送受信要求の発生確率が高いノードが空間的に分散していることに より宛先に到達するまでに経由しなければならないノード数が増加したためである.

また,地域メッシュの違いによるNtの差もある.岐阜-滋賀エリアと名古屋エリア,

京阪エリア,金沢-福井エリアに分けられる.岐阜-滋賀エリアと名古屋エリアで Nt

が多い理由は人口密度が高い部分が離れているため,多くの経由ノードが必要となるた めである.金沢-福井エリアの場合も人口密度が高い部分が離れているが,それ以外の 部分が海と山に囲まれているため,利用できるパスが制限された結果Ntも尐なくなる.

京阪エリアは人口密度が高い部分が集中しているため,経由するノード数が尐なくて すむためNtも尐ない.

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4.4.3 生き残ったリンク数Mt

本項では初期ネットワークサイズ N0が LS ネットワークで生き残るリンク数 Mtに 与える影響について調べる.図4.16は横軸に初期ネットワークサイズ縦軸N0,縦軸に 生き残ったノード数Mtをとったグラフである.

図4.16 生き残ったリンク数Mt vs 初期ネットワークサイズN0

Greedyルーティング+Self-Avoiding(左),Compassルーティング+Self-Avoiding(右)

図 4.16 よりルーティングの違いによる大きな差はない.生き残ったノード数 Ntと 同様に初期ネットワークサイズ N0に比例して生き残ったリンク数 Mt も増加する.

また,パケット送受信要求の発生確率の割り当て方が人口に応じて割り当てた場合と 比較して,FS と EXP 場合の場合に Mtが大きい理由は,パケット送受信要求の発生 確率が高いノードが空間的に分散していることにより,多くのリンクを経由しなければ 宛先に到達できないためである.

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4.4.4 平均次数

本項では,後に述べる頑健性と密接な関係がある平均次数 を調べる.なお,平均 次数はノード数Nt及びリンク数Mtから以下の式で求めることができる.

図 4.17 及び 4.18 は縦軸に各ネットワークの平均次数 ,横軸に初期ネットワーク サイズN0に応じて生き残ったノード数Ntをとったグラフである.各グラフのショート カット付加率が10%のPRネットワークとRSネットワーク,ショートカット付加率が 30%のPRネットワークとRSネットワークはショートカット付加方法が異なるだけで ノード数とリンク数に違いがないため平均次数は等しい.また,パケット送受信要求の 発生確率の割り当て方とルーティングの違いによる大きな差はない.

全体的な傾向として,Ntが大きいネットワークにショートカットを付加した場合で も平均次数が4,5程度と大きな値ではない.これは初期構成であるガブリエルグラフ の平均次数が小さいためである.

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FS EXP

岐阜-滋賀エリア 金沢-福井エリア

京阪エリア 名古屋エリア

図4.17 平均次数

パケットルーティング:Greedyルーティング+Self-Avoiding

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FS EXP

岐阜-滋賀エリア 金沢-福井エリア

京阪エリア 名古屋エリア

図4.18 平均次数

パケットルーティング:Compassルーティング+Self-Avoiding

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4.4.5 次数分布

前項では次数の平均値に注目したが本項では,次数の分布について調べる.次数分布 は次数k(隣接ノードの数)に対するノードの存在確率 の分布である.図4.19と 4.20は初期ネットワークサイズがN0 = 10000の場合である.横軸はノードの次数kを,

縦軸にその次数を持つノードの存在確率 をとる.

図4.19,4.20からわかるようにパケット送受信要求の発生確率の割り当て方及び,

ルーティングの違いによる大きな差はない.次数が5より小さいノードの存在確率が 高い理由は平均次数が小さいガブリエルグラフが初期構成であるためである.

RSネットワークよりもPRネットワークの方が大きい次数のノードが存在している 理由はPRがショートカットの両端ノードを選択する際にパケットを利用しているため である.PRはショートカットを1本張るためにランダムに1つパケットを選択する ため,パケットが多く生成されるノード付近は必然的にショートカットが張られやすい.

その結果,次数が大きいノードも存在する.一方,RSは任意の2ノードを選択して ショートカットを張る方法であるため,ショートカットが張らやすいノードはない.

よって,PRネットワークと比較して次数が大きいノードが生まれにくくなる.

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