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Fig.4−11剛性体と弾塑性体の水槽底面の圧力波形比較 (円錐形水槽を使用)
下段の図より,被成形材の粒子速度(板の分割要素の速度)が圧力 媒体のそれよりも高くなり両者が分離し始めると作用する圧力はゼ
ロになり,それは変形し易い板の方が早くゼロになる(Fig.4−9).被成 形板と圧力媒体の水とが分離し,板の近傍でキャビテーションが発生 することは古くから知られていたことであるが4−12),ここでもその可 能性が再確認できた.一旦作用圧力がゼロになった後,低い圧力が再 度作用しているのは,被成形板と水の間にできた空洞を満たすべく再 度水粒子が加速され板に衝突した結果によると考えられる.
図より,圧力が負荷されるに伴い板は加速され,その後ほぼ一定の 速度で運動していることが分かる,板に作用する圧力の力積を求める と,それは,一定速度で運動する板の運動量にほぼ等しくなる.すな わち,衝撃液圧による板の高速成形は,圧力の作用により高速に加速
された板がその運動エネルギーを変形エネルギーに変換しながら進 行すると言えよう.
Fig.4−11は, Fig.4−9およびFig.440で示した圧力履歴をまとめ,
さらにそれらを被成形板の位置に剛体的に設置した圧カピックアッ プで測定される圧力と比較したものである.圧カピックアップで測定
される圧力は,被成形板の代わりに剛体板を設定し数値解析により求 めたもので代用した.この図より,圧力ピックアップで測定された圧 力と実際に被成形板に作用する圧力とは異なり,測定された圧力値を そのまま被成形板に作用する圧力として取り扱うと適正な成形予測 ができないことが分かる.
第4.5節 結論
1.新たに開発した円錐形水槽の収束性能は,円筒形水槽に回転放物 面レンズを接続したもののそれよりも非常に優れている.
2.LS・DYNAは,衝撃液圧による小型製品の高速成形加工について も,高精度で成形予測を与えることが分かった.したがって,今後は,
予備実験を省略して,数値解析により必要な成形条件を予測すること が可能であろう.
3.LS・DYNAにより,被成形板と圧力媒体の運動を連成して取り扱 い,実際に被成形板に作用する圧力は,剛体的に設置した圧力ピック アップで測定された圧力とは異なることを定量的に明らかにした.
参考文献
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第5章 総 括
本研究は,金属材料の主な加工法である塑性加工法の中の高エネル ギー速度加工法に関するものであり,その中で,忌中を伝播する衝撃 圧力を被加工品に負荷して行う加工法の新たな応用分野を開拓する ために明らかにしておかなければならない問題を採り上げ,解明した ものである.すなわち,最近,機械部品の小型化,多種少量生産等へ の要求が強く求められているが,高エネルギー速度加工法は本来的に 多種少量生産には好適な加工法であるため,小形製品加工への応用が 可能になれば,この加工法の金属加工への貢献度を高めることができ
る,
衝撃液圧を負荷して行う高エネルギー速度加工法において,小型製 品を成形加工する場合,小さな圧力負荷面へ,二二を伝播する衝撃圧 力波を如何に収束させて負荷するか,また,収束して高圧になった衝 撃液圧を負荷された被成形材がどのような変形過程を経て金型形状 に成形されて行くかを明らかにし,成形に必要な負荷圧力を見積もる 方法を見いだす必要がある,寸法が数mrn程度の製品の成形への適用 の試みは,従来皆無である.小型製品を成形する場合,負荷面積が狭 いので高圧力の:負荷が必要になる.本研究では,高強度の高圧設備を 用いなくて高圧力を得る方法として,反射板(レンズ)を用いて衝撃 圧力波を収束する方法の開発を試みた.どのような形状をした反射板
(レンズ)を用いれば効率良く収束できるか.まず,この問題につい て実験,理論の両面から検討した.
次に,収束した衝撃高液圧を負荷した回忌形材がどのような変形過 程を経て金型通りの形状に成形されていくかの問題について検討し た.この問題についても,系統的に行われた先行研究は皆無に等しい。
それは,この問題を的確に取り扱うためには,圧力媒体である液体と 被成形材の運動を連成して取り扱わねばならないという理論的な難 しさにある.本研究では,この問題の解明を衝撃問題を取り扱えるソ フトの導入により理論的に取り扱う方法で取り組んだ.従来,この間
題の取り扱いには大型計算機が必要で,かつ,計算ソフトの導入に莫 大な研究予算が必要なため取り組めなかった.最近,小型計算機の発 達とそれに伴うソフトの改良により可能になってきた.
以下,本研究により得られた成果を各回毎に要約する.
第一章では,緒言として研究の目的,研究の背景,先行研究,本 研究の進め方などについて述べた.