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6.20で示すように干渉の影響を考慮していないため,スループットが0 Kb/sになるSTAが存在し ている.一方,提案手法(b)では,APが所属するネットワークを分けた場合においても,スループッ トが0 Kb/sにならずどのSTAも300 Kb/s程度のスループットを得ていることが分かる.また,表 6.4に示す最大・最小・平均スループット特性でも,既存の(1)(2)の手法では,干渉の影響を考慮せ ずにAPを選択するため,STAが獲得するスループットが大幅に低下する恐れがあることが分かる.

それに対して,(b)では干渉の影響を避けスループットの低下を防ぐことができている.以上から,

より現実的なモデルとしてAPが異なるネットワークに所属した場合においても,(b)を用いた提案 手法により電波干渉によるスループット特性の低下を防ぎ,効果的に通信を行えることを示した.

0 0.05 0.1 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4

0 500 1000 1500 2000

probability density function

average throughput [Kb/s]

(1)radio

0.15

図6.19: 平均スループット確率分布(I)受信電力を基にAPを選択.

0 0.05 0.1 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4

0 500 1000 1500 2000

probability density function

average throughput [Kb/s]

(2)MLT

0.15

図 6.20: 平均スループット確率分布(II)MLTを基にAPを選択.

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4

0 500 1000 1500 2000

probability density function

average throughput [Kb/s]

(b) smooth

図6.21: 平均スループット確率分布(b)緩やかなエラーテーブルを使用.

表6.4: 各AP選択手法におけるスループット特性.

スループット特性[Kb/s]

AP選択手法 最大 最小 平均

(1)受信電力 657 44 337

(2)従来のMLT 686 0 339

(b)緩やか 562 211 344

7 まとめ

現在,広く普及している無線LAN IEEE 802.11a/b/gでは,チャネルのオーバラップや空きチャ ネル数が充分でないことから電波干渉が発生する可能性がある.このような状況において,既存の AP選択手法を用いると,干渉を考慮していないため効率の良い通信が妨げられる可能性がある.そ こで,本研究ではそのような問題を解決するために,各STAが干渉を考慮して自律的にAP選択を 行う手法を提案しその評価を行った.まず,IEEE 802.11b環境において干渉が通信に及ぼす影響に ついて調査い,その結果を基に,各STAが干渉を考慮したエラーテーブルを持つAP選択手法を提 案した.シミュレーションにより評価を行った結果,提案手法は既存の受信電波強度のみを指標と したAP選択手法よりも,スループット特性とSTA間の公平性を改善できることが分かった.また,

各STAが無線通信のエラー状況を予め高く見積もり,通信品質の悪化を事前に予測するエラーテー ブルを持つことで,干渉の影響を避け最も効率的な通信を提供できることを示した.

今後の課題としては,実環境において本手法の評価が上げられる.また,マルチホップ無線LAN においては従来通りのAP選択では,干渉の影響を受け良好なスループットが得られない可能性が 示されている[11][12].そのため,今回得られた干渉の情報をマルチホップ無線LAN環境において AP選択や経路選択に適用し,提案手法の特性評価とその改善手法の検討を行う.

謝辞

本研究を進めるにあたり,多くの方々御指導と御教授を頂きました.最後になりましたが謝辞を述 べさせて頂きます.まず,研究のチャンスと忍耐強い御指導を頂きました尾家 祐二教授に深く感謝 致します.そして,本研究に当たり多大な時間と労力を割いて頂き,最後まで粘り強く御指導を頂い た福田 豊助手に心より感謝致します.さらに,多忙にも関わらず研究に関して有益なアドバイスを して頂いた塚本 和也氏と山本 寛氏を始めすると尾家研究室の方々に感謝致します.また,研究や私 生活の面まで御指導頂いた川原 憲治助教授や鶴 正人助教授,田村 瞳氏を始めとする川原研究室と 鶴研究室の方々に感謝致します.また,研究室内の繁雑な事務処理を快く引き受けてくださった,竹 村 眞奈美事務補佐員と吉木 智絵事務補佐員にお礼申し上げます.また,本研究にあたり技術的な面 から支援してくださったパナソニックコミュニケーションズ(PCC)社の方々,とりわけ本庄 一法氏 に深く謝意致します.本研究の一部は,日本学術振興会における科学研究費補助金若手研究(B) (課 題番号17700071),及びNICT JGN2プロジェクトの支援を受けております.ここに記して感謝致 します.

参考文献

[1] M Cesana, D Maniezzo, P Bergamo, M Gerla,“Interference Aware (IA) MAC: an Enhance-ment to IEEE802. 11b DCF,” Proceedings of IEEE Vehicular Technology Conference-VTC 2003 Fall,2003.

[2] IEEE 802.11 WG,“Part11: Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) specification,Higher-Speed Physical Layer Extension in the 2.4 GHz Band,”

IEEE802.11 Std.,Sep.1999.

[3] IEEE 802.11 WG,“Part11: Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) specification,Amendment 4: Further Higher Data Rate Extention in the 2.4 GHz Band,”IEEE802.11 Std.,Sep.2003.

[4] IEEE 802.11 WG,“Part11: Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) specification,Higher-Speed Physical Layer Extension in the 5 GHz Band,”

IEEE802.11 Std. 802.11a,Sep.1999.

[5] Masami Kato, Hirotsugu Okura, Kiyoshige Ito and Shuji Tasaka,“Experimental Assessment of Media Synchronization Quality in IEEE 802.11b under Bluetooth Interference,” in Proc,

IEEE PIMRC 2003,Sep. 2003.

[6] Yasushi Matsumoto,Masanobu Nakatsuka,Takahide Murakami,Katsumi Fujii and Akira Sugiuchi,“Reduction of Microwave Oven Interference in DS-SS WLAN Systems by Using Adaptive Filters,”International symposium on Electromagnetic Compatibility,Sep.2004.

[7] 齋藤 一賢,井上 保彦,佐藤 明雄,近藤 彰,守倉 正博,“他システム干渉存在時のIEEE 802.11b 無線LANスループット特性,”社団法人 電子情報通信学会 総合大会P.B-5-255,2002.

[8] Yutaka Fukuda,Takamitsu Abe and Yuji Oie,“Decentralized Access Point for Wireless LANs,”In the Proceedings Of WTS 2004,SA3,May 2004.

[9] Yutaka Fukuda,and Yuji Oie,“Decentralized Access Point Selection Architecture for Wireless LANs -Deployability and Robustness-,”Proceedings of the IEEE VTC2004-Fall, Los Angeles,

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