2.2 法令上の施設基準
(1)人(放射線診療従事者等)が常時立入る場所(管理区域内)
放射線診療従事者等の外部被ばく線量および内部被ばく線量の合計:実効線量が 1 週間 につき1mSv以下
(2)管理区域
1)外部放射線に係る線量:実効線量が3月間につき1.3mSv以下
2)空気中の放射性同位元素の濃度:3月間における平均濃度が規則第18条の2第1項 に規定されている空気中濃度限度の1/10以下
3)放射性同位元素によって汚染されている物品の表面の放射性同位元素密度:規則第18 条の2第6項に示されている表面密度限度の1/10以下
(3)施設内に人が居住する区域
外部放射線に係る線量:実効線量が3月間について250μSv以下
(4)施設の敷地の境界
1)外部放射線に係る線量:実効線量が3月間について250μSv以下 2)排気:規則第18条の2第1項に規定されている空気中濃度限度以下 3)排水:規則第18条の2第1項に規定されている排水中濃度限度以下 2.3 核医学診療施設に必要な室等
(1) 準備室
(2) 診療室(陽電子断層診療の場合は操作室を区画)
(3) 収容室 (4) 処置室
(5) 動物用汚染検査をする場所(または区域)
(6) 人の汚染検査をする場所(または区域)
(7) 貯蔵施設(あるいは貯蔵庫)
(8) 保管廃棄施設
(9) 排気設備
(10) 排水設備
(11) その他(機械室など)
2.4 設計上の注意点
汚染の拡散防止を考慮しながら、貯蔵、標識、診療動物の収容、投与、測定、診療動物 収容、保管廃棄という放射性医薬品と診療動物の流れに沿って、検査室等をレイアウトす ることが重要である。汚染除去を容易にするための法的規制(平滑で液体などが浸透しに くく腐食されにくい等)に基づく構造、管理区域の設定が必要である。
3. 放射線診療従事者等の被ばく線量評価(参考文献)
各施設の検査手順書に基づき、1年間の検査数を予測し、評価を行う。放射線診療従事者 等の線量限度を超えないことはもとより、「抑制すべき線量」を超えそうな場合、追加のし ゃへい物や放射線診療従事者等のローテーションおよび検査数の考慮も必要となる。
3.1 法令の基準
放射線診療従事者等の実効線量限度:1年間について20mSv(100mSv/5年)
3.2 外部被ばく線量の評価
必要最低限の人数で核医学診療を実施することとし、手順書に定められた担当する役割 ごとに評価する。主たる線源からの直接被ばくおよび、作業を行う上で他の線源から受け る被ばく線量を合計する。担当する役割としては、以下のようなことが考えられる。
(1) 担当獣医師:放射性医薬品の搬入・準備・運搬、診療動物への投与、撮像、退出時 の測定
(2) 保定を行う放射線診療従事者等:動物の準備・移動・保定 (3) 診療補助者:飼養管理
3.3 外部被ばくの線量評価に用いる計算式
外部被ばくの線量評価には動物の自己吸収は考慮せず、放射性医薬品等を点線源と仮定
ただし、診療馬からの外部被ばく線量評価は、点線源と考えず、実測値に基づくシミュ レーションによる計算値を使用する。
3.4 放射線診療従事者等の吸入摂取による内部被ばく
吸入摂取による内部被ばくの線量評価は、放射性医薬品および汚染物による被ばく線量 E=A×Γ×Ft×T/r2
E:計算地点における実効線量(μSv) A:放射能(MBq)
Γ:線源の実効線量率定数(μSv・m2・MBq-1・h-1) Ft: 実効線量透過率
T:使用時間(h)
r:線源から計算点までの距離(m)
E=S×Ft×T
E:計算地点における実効線量(μSv)
S:実測値に基づく線源から計算点までの距離におけるシミュレーション計 算値(μSv・h-1)
Ft: 実効線量透過率 T:使用時間(h)
を考える。可能性のあるのは、準備室、診療室および収容室と考えられる。
吸入摂取による内部被ばくの計算式 E=e×I
E:内部被ばくによる実効線量(mSv)
e:吸入摂取時の実効線量係数
I:吸入摂取した放射性同位元素(Bq)
I=1.2×106×C×T
1.2×106:成人が1時間に吸入する空気の摂取量(cm3)
C:空気中の放射性同位元素濃度(Bq/cm3)
T:作業時間
C=A×飛散率×1週間の使用日数/(V×106×8×1週間の使用日数)
A:1日最大使用予定量(Bq)
V:室内の排気量(m3/h)
3.5 放射線診療従事者等の複合被ばくの線量評価
放射線診療従事者等の外部被ばく線量と内部被ばく線量を合計する。ここで、「抑制すべ き線量」を超えるようであれば、作業時に鉛エプロンを着用、あるいはしゃへい物を置く 等を検討、または放射線診療従事者等のローテーションを考慮し、手順書も改正する必要 がある。