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資料

瀧澤理穂 1 ,牧野智恵 2 ,洞内志湖 2

石川県における在宅緩和ケアに関する意識調査

− 一般県民を対象として −

概 要

 本研究の目的は石川県民の在宅緩和ケアへの認知状況,希望を把握することである.県民 235 名にがん 医療体制の認知状況,在宅緩和ケアへの希望等に関するアンケート調査を行った(回収率 59.6%).その結果,

1,石川県がん対策推進計画を全く知らない者は 67.9%,石川県在宅緩和ケア支援センターを全く知らな い者は 66.4% であった.2,希望の療養場所は『最期まで自宅』(20.7%),『最期は病院』(20.0%)の順で あった.また在宅療養の困難理由は『家族の負担』(72.2%),『イメージがつかない』(36.1%)の順であっ た.3,在宅緩和ケアに必要な要件は『経済的支援体制の整備』(55.0%),『一時的入所施設の整備』(51.4%)

の順であった.以上から在宅緩和ケアを推進するためには,在宅緩和ケア支援センターや在宅緩和ケアに 関する広報活動,一時的入所施設等の整備など,地域での在宅療養者支援体制の構築が必要であることが 示唆された.

キーワード 在宅緩和ケア,困難理由,要件,一般県民,意識調査

石川看護雑誌 Ishikawa Journal of Nursing Vol.9, 2012

厚生労働省の「終末期医療に関する調査等検討 会報告書」2)を参考に以下の自己記入式アンケー ト(無記名)を作成した.①回答者の属性につい て 9 項目(性別,年齢,医療圏,職業,学歴,生 活形態,がん検診の有無,入院経験の有無,身近 な自宅療養者の存在の有無)②がん医療及びがん 医療整備体制の認知状況について 4 項目(緩和ケ ア,石川県がん対策推進計画,石川県在宅緩和ケ ア支援センター,社会資源)③在宅緩和ケアへの 希望について 3 項目(末期がんを患った際の希望 療養場所,在宅療養が困難だと感じる理由,在宅 緩和ケアに必要な要件)である.

2.3 分析方法

統計処理には,Excel2003 と統計処理ソフト SPSS13.0J を用いて単純集計及びχ2検定を行っ た.度数が 5 以下の場合は Fisher の直接確率を 用いた.

2.4 倫理的配慮

本調査は,石川県立看護大学の倫理委員会の 承認を得て研究を開始した(看大第 239 号の 1). 対象者及び研究協力施設に対して,参加の自由,

匿名性,不利益が生じないこと,アンケートの回 収をもって研究への同意が得られたとすることを 紙面に明記した.またアンケート用紙は,封書に て回収することで,個人のプライバシーを保護し た.アンケート用紙の保管は厳重に行い,研究終 了後は裁断破棄することを約束した.研究協力施 設に対しては,葉書で調査協力の意思を確認して からアンケート用紙を郵送した.

3.結果

研究への協力が得られたのは,4 医療圏のうち 2 医療圏で,石川中央医療圏より 7 施設,能登中 部医療圏より 5 施設,計 12 施設であった.アン ケート用紙は 235 部配布し,140 人から回答が得 られ (回収率 59.6%),これらすべてを分析対象 とした(有効回答率 100%).

3.1 対象の属性(表 1)

医療圏の割合は石川中央 91 名(65.0%),能登 中部 48 名(34.3%)であった.

性別は男性 61 名(43.6%),女性 79 名(56.4%)

で あ っ た. 年 齢 は 20 歳 以 上 39 歳 未 満 44 名

(31.4%),40 歳以上 59 歳未満 47 名(33.6%),60 歳以上 49 名(35.0%),平均年齢 49.8 ± 15. 7(M

± SD)歳であった.就業の割合は,就業して いる者 83 名(59.3%),就業していない者 57 名

(40.7%)であり,そのうち医療職は 17 名(12.1%)

であった.最終学歴は中等学校 17 名(12.1%), 高 等 学 校 38 名(27.1%), 大 学 79 名(56.4%), 大学院 3 名(2.1%)であった.また,同居して いる者 120 名(85.7%),独居している者 19 名

(13.6%)であった.

がん検診については,受けたことがある者 83 名(59.3%), な い 者 56 名(40.0%) で あ っ た.

入院経験については,自分・家族を含めて入院経 験がある者 59 名(42.1%),ない者 69 名(49.3%)

であった.身近な在宅療養者の存在について,知 っている者 21 名(15.0%),知らない者 115 名

(82.1%)であった.

以下の文中の【】は設問,『』は回答項目,「」

は自由記載とする.

3.2  がん医療及びがん医療整備体制の認知状 況に関する項目(表 2)

1)緩和ケアの認知状況(図 1)

【緩和ケアという言葉をご存知ですか?(n= 

140)】では,『聞いたことがあるし,言葉の意味 も分かる』50 名(35.7%),『聞いたことはあるが,

言葉の意味は分からない』40 名(28.6%),『聞い たことがない』46 名(32.9%)であり,属性によ る有意差はみられなかった. 

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表1 対象の属性(n=140)

石川看護雑誌 Ishikawa Journal of Nursing Vol.9, 2012

2)石川県がん対策推進計画の認知状況(図 2)

【石川県がん対策推進計画をご存知ですか?

(n=140)】では『内容についても知っている』4 名(2.9%),『言葉だけ聞いたことがある』36 名

(25.7%),『全く知らない』95 名(67.9%)であり,

属性による有意差はみられなかった. 

3 )石川県在宅緩和ケア支援センターの認知状況

(図 3)

【石川県在宅緩和ケア支援センターをご存知で すか?(n=140)】では『場所や支援内容につい ても知っている』2 名(1.4%),『言葉だけ聞いた ことがある』41 名(29.3%),『全く知らない』93 名(66.4%)であり,属性による有意差はみられ なかった. 

4)社会資源の認知状況(図 4)

【在宅緩和ケアをサポートするサービスでご存 知のものはありますか?(n=140 複数回答)】で は『訪問介護』が 91 名(65.0%)で最も多く,

次いで『訪問看護』82 名(58.6%)『デイサービス』, 70 名(50.0%),『ショートステイ』55 名(39.3%),

『デイケア』54 名(38.6%),『福祉用具貸与』39 名(27.9%),『用具販売』29 名(20.7%),『居宅

療養管理指導』19 名(13.6%)であった.『その他』

には「配食サービス」があった.

3.3 在宅緩和ケアへの希望に関する項目 1)末期がんを患った際の希望の療養場所(図 5)

【あなたが末期がんと告げられたとき,どこで 療養生活を送りたいですか?(n=140)】では『最 期まで自宅で療養したい』が 29 名(20.7%)で 最も多く,次いで『できるだけ自宅で療養して最 期は病院に入院したい』28 名(20.0%),『なるべ く早く緩和ケア病棟に入院したい』22 名(15.7%),

『専門的医療機関で積極的治療を受けたい』16 名

(11.4%),『なるべく早く今まで通った(または 紹介された)病院に入院したい』14 名(10.0%),

『分からない』21 名(15.0%)であった.

2)在宅療養が困難だと感じる理由

末期がんと告げられた際に希望する療養場所 で『なるべく早く今まで通った(または紹介さ れた)病院に入院したい』『なるべく早く緩和ケ ア病棟に入院したい』と回答した 36 名に対して

【在宅での療養が困難だと思う理由は何ですか?

(n =36 複数回答)】と質問した結果,『家族に

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表2 「がん医療およびがん医療体制整備の認知状況」と「属性」の比較(n=140)

ドキュメント内 untitled (ページ 88-97)