2. 実験装置及び実験手法
2.7. 燃焼速度の計算手法
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2.7.1. 層流燃焼速度
層流燃焼速度の計算はL EWISら[1987]の手法にしたがい、計測された燃焼室内圧力履 歴から密閉容器内を伝ばする球形火炎の計測法により次式を用いて算出した.
ここで、式(2. 13)中の 各記号の意味は以下の通りである .
ro .燃焼室体積の等価半径(A 燃焼器では8.53cm、B燃焼器では7.79 cm)
Po .初期圧力(本研究で、は大気圧)
Pm 断熱 燃焼最高圧力(化学平衡計算により算出) Pj 燃焼室内圧力(測定値)
K 比熱比(未燃ガスに対する計算値)
グ/ðt :圧力上昇率(測定値)
(2. 13)
速度計算は、圧力上昇がO.OlMPaから0.02MPa( 燃焼終了圧力の2""'-'40/0)まで2KPaご とに6点で行い、 その平均値を燃焼速度とした.
2.7.2. 乱流燃焼速度
乱流燃焼速度の定義には様々な議論がある[平野、1986,LEWIS and VON ELBE, 1987].
本研究では、乱流燃焼速度をBABKINら[1978]の考えに基づいて求めた. そこでは、定 容燃焼器内の伝ぱ火炎において、 言し流燃焼時の圧力上昇率と層流燃焼時の圧力上昇率の 比(δ�/ðt)r/( ðP/ðt)Lが層流燃焼速度と乱流燃焼速度の比Sr/SLO に等しいとされている.
したがって、乱流燃焼実験においても燃焼室内圧力履歴を計測し、式(2. 13)を用いる ことで乱流燃焼速度めが計算で、きる.
なお、 乱れ強さに対する消炎限界は、点火を行っても火炎伝ぱに至らない実験回数が 500/0以上となった条件と定義した.
2.8. 実験手法
以下に、本研究で、行った各実験の手)1慎について概説する.
2.8.1. 燃焼速度計測実験
本節では、基本的な燃焼実験手)1慣について説明する.
燃焼器への混合気の充填は、 真空ポンプを用いて燃焼室内を真空にした後、 マノメー タを用いて分圧法により行った.
層流燃焼実験で、は、燃焼室内 に混合気を充填し、 ファンを回転させることによって境 祥を行った後、その流動が静止するまで待機し(本実験では待機時間を約60秒とした[中
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原, 1997])、 その後点火スイッチを手動で押すことにより点火を行った. 燃焼終了後、 圧 力ピックアップにより計測された燃焼室内圧力履歴はコンピュータに取り込まれ、 燃焼 速度計算プログラムを用いて燃焼速度を算出した.
乱流燃焼実験では、 ファン回転数を制御し所定の乱れを生成した後、 ファンスイッチ を切断することで自動点火を行った. ファンスイッチと点火スイッチの聞にはリレー回 路が組み込んである. ファンスイッチを切断すると同時に点火を行うのは、 圧力履歴に モータノイズが影響するのを防ぐためである. なお、ファン回転数の制御は相対誤差10/0 以内で、行った.
2.8.2. 光学計測実験
本節では、 主に光学実験に関する手JI慎について説明する. 火炎に対する光学計測であ るため、 混合気の充填、 乱れ強さの設定、 点火などの操作も行うが、 それらは基本的に 燃焼速度計測実験における手法と同一で、あり、 ここでは省略する.
以下ではまず、 レーザトモグラフ法による断層写真撮影原理を簡単に述べ、 各実験手 順及び画像処理手法について説明する. 処理後画像に対する解析手法については、 対応 する各章において説明する.
2.8. 2. 1. 断層写真撮影原理
燃焼室内にはあらかじめ適量の散乱粒子(Ti02)を添加しであり、 混合気を充填した後、
ファンによる乱れによって一様に浮遊させてある. ここにレーザを照射した場合、 その 散乱光は断面において一様である. しかし燃焼が発生すると、 未燃部と既燃部において 温度差が発生する. ここで、 圧力は音速で伝わるため未燃部と既燃部でほぼ等しいと仮 定でき、 この温度差が気体の濃度差、 すなわち散乱粒子の密度差に対応する. したがっ て、 火炎断層写真における散乱粒子光強度の濃淡が、 未燃部と既燃部の境界を示してい ることになる. 実際にはこの境界線が火炎の存在を示しているのかは定かではない. し かしながら、 それは火炎の実形状とほぼ相似であると考えられるため、 本研究ではこの 境界線を火炎面と仮定し、 断層写真撮影及び解析を行った.
2. 8. 2. 2. 瞬間断層写真撮影実験
用いたCCDカメラの設定は、 露出モードはマニュアノレ、 測光モードはマルチパター ン、 画質モード はノーマル、 ホワイトバランスは白熱電球モード、 感度 モードは HIGH(ISO 1600)、 フォーカスモードはマニュアル、 シャツタスピードは1/350、 絞りは F6.7とした.
以下、画像撮影手順を説明する. まず、パルスジェネレータプログラムL41を起動し、
レーザにFlashLamp信号を送り、 ヘッド温度の安定化を行う. その問に混合気充填を行 った後、 ファン回転数を上昇させ、 散乱粒子を一様に浮遊させる. その後、 ファンを所
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定の回転数に制御し、 点火スイッチを押す. 点火回路と連動しているコンピュータは、
レーザ及びカメラに対し、 Flash Lamp、 Q-Switch、 カメラシャツタの各信号をそれぞれ 所定のタイミング(2.4. 1.参照)で送信し、 撮影が完了する. 撮影された画像はPCカード メモリ内に保存されており、 実験終了後にパーソナルコンヒ。ュータに取り込む.
2. 8. 2. 3. 連続断層写真撮影実験
連続発振レーザは出力5Wで用いた . 高速度カメラは秒間1000コマ、シャツタスピー ド1/10000に設定し、画像撮影はCENTERモードで行った. また、 絞りはF2.0とした.
イメージインテンシファイアはゲイン4.0で用い、 ゲート幅は約18μsとした . ゲートタ イミングはカメラのシャツタタイミングと同期されている. なお、 イメージブースタは イメージインテンシファイアと連動しており、 自動で調整される.
カメラはCENTERモードに設定しであるため、 2度信号を送る必要がある. 1度目の 信号(ノレーフ。録画状態開始指示)は、 手動でスイッチを押す. 2 度目(録画中心ポイント指 示)は、 点火回路からTTL コネクタを介して点火信号を受け取る.
以下、 画像撮影手順を説明する. 混合気充填終了後、 レーザのシャツタスイッチを手 動で押し、 燃焼室への照射を開始する. ファンにより散乱粒子を浮遊させた後、 乱れを 所定の条件に設定、 点火を行う. 点火と同時に点火回路からカメラに信号が送られ、 撮 影が完了する. 最後に手動でレーザのシャツタを閉じる. 撮影された画像は、 ダウンロ ード用ソフトウェアREADCAM(Photoron、 高速度カメラに添付)を用いて逐次コンビュ ータに転送する.
2.8.2. 4. ピクセルサイズ計測
カメラのピント調整、 及びピクセルサイズの決定のため、 実験日毎にターゲットを燃 焼室内におき、 その撮影を行った. ターゲットには正確にメモリが記入されており、 撮 影されたターゲット画像をScion Image(Scion Corporation、h仕p:llwww.scion corp.colnJ)を用 いて計測することにより、 1ピクセルの実サイズが決定できる. 本研究で用いた各シス テムにおいては、 瞬間断層写真撮影システムでは約0.11mm!Pixel、 連続断層写真撮影シ
ステムでは約0.26mm/Pixelであった.
また、 撮影された画像上において中心部、 端部などの数点において上記計測を行った 結果、 そのピクセルサイズに大きな差異はなく、 周差の影響はほとんどないことが確認 できた.
2.8.2.5. 画像処理
本研究では、 上記各システムにおいて撮影された画像に対して解析を行う. しかしな がら、 画像には点火栓が写っていること また、 検出される未燃部と既燃部の境界には そのままではピクセルノイズが多数のっていることなどから、 以下に示す適切な画像処
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理を行い、 解析処理用画像を作成した.
まず、 Photo Shop(Adobe、 h抗p://www.adobe.co.jp乃を用いて点火栓の除去を行う. 瞬間 断層写真撮影実験においては、 解析に必要な領域を切り出しておく. 次に、Photo Shop の二値化機能を用い、 敷居値を任意に決定しながら画像の二階調化を行う. これにより、
未燃部と既燃部を分離することができる.
しかしながら、 この二値化画像中の境界線には上述したように多くのピクセルノイズ がのっている. そこで、 MacSCOPE(三谷商事、h社p://www.mitene.or.jp/mitani/)を用いてロ ーパスフィルタを施すことにより、 火炎面の平滑化を行った. ローパスフィルタはFFT を用いた処理であり、 そのフィルタ敷居値は詳細な検討を行い決定した. その経緯は付 録に記す. 本研究では敷居値として、 瞬間断層写真撮影実験においては8%、 連続断層 写真撮影実験においては11%を採用した.
次に、 フィルタ通過後の各画像に対して反転処理を行った. その結果、 未燃部が黒、
既燃部が白として画像は保存される. この画像を解析処理用フルサイズ画像と呼ぶ. さ らに、 各画像の高さを上端固定で半分にカットする. これは、 多孔板の穴配置調整の関 係によって、 燃焼室下方領域において火炎が若干噴流の影響を受けている可能性がある ためであり、 火炎形状特性、 局所燃焼速度特性などの解析は火炎の上半分に対して行っ た. この画像を解析処理用ノ\ーフサイズ画像と呼ぶ.
最後に、 画像保存形式の変更を行う. これまでの処理過程においては、 主にTIFF形 式で画像を保存してきた. しかしながら、 本研究で開発した形状特性、 局所燃焼速度特 性の解析ソフトウェアにおいては、 その取り扱いの容易さからPortable Gray Map形式を 採用してある. そこで、PaintShop Pro(P &A、h即://www.panda.co.jp/)の画像形式一括変換 機能を用いてTIFF 形式からPGM形式への変換を行い、 別名にて画像を保存した.
実験手法、 各種機器取り扱い及び画像処理に関する詳細は、 文献[古賀, 1999, 高木3 1999]に記載されている.
2.9. 混合気名
本研究で用いた混合気に対しては、統一的に名称、が付けられている. 次に一例を示す.
M07・15N
混合気名のうち、 最初の英字は燃料の種類を示しており、 Hは水素、 M はメタン、 p はプロパンを表す. 続く数字は当量比を表している. ハイフンに続く数字は層流燃焼速 度を表す. 最後の英字は添加している希釈剤の種類を示し、 Nは窒素、Aはアルゴ、ン、
Cは二酸化炭素、 Hはヘリウムを表している.
なお、 水素添加を行った混合気に関しては、 上記に加えてさらに水素添加割合を示す 記号が加えられる. 以下に例を示す.
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