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災害時の自治会活動の成立要因

3-1 防災活動と災害時の自治会活動の関係性

3-2 日々の自治会活動と災害時の自治会活動の関係性 3-3 日々の自治会活動に影響をもたらす地域の特色 3-4 まとめ

2章では多くの自治会が災害時に活動したことを明らかにした。3章では、活動出来な かった自治会の要因を知るために、災害時に活動できた要件が何であったのかからみる。

自治会が「人のつながりを育む場」として機能していることについて「日々の自治会活 動の活発さ」が災害時の自治会活動を可能にした要因指標として用いることが妥当か考察 する。さらに、何が日々の自治会活動の活発さに影響を及ぼしているのか、自治会の地域 の特色からみる。

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3-1 防災活動と災害時の自治会活動の関係性

2章で、自治会が災害時に有効に機能したことを明らかにした。3章では、一部の活動 が出来なかった自治会の要因を知るために、活動できた要因から探る。本節では、「対策 本部立ち上げ」を「自治会が災害時に機能する要件」と捉え、自治会のこれまでの防災活 動(震災前の平常時の防災活動を指す)程度との関係性を見る。これまでの防災活動内容 と、災害時に役に立たなかったことをまとめる。

(1)防災活動の内容

浦安市地域防災計画によると、災害時はもとより、平常時においても「自主防災活動の 実施」を自治会は求められている。平常時の防災活動が、災害時の活動に繋がると期待さ れているからである。

これまでの自治会の防災活動の内容と頻度を表8に示す。毎年行われているのは、「自 治会役員の連絡網作成」、「防災訓練」、「防災備品の購入・保管・点検等」であった。

防災活動として行っていないのは「AED等の救急医療の設置」、「自治会独自の災害重 備金」、「高齢者・障害者の所在把握」であった。

表 8 防災活動の内容と頻度

表 9 これまでの防災活動の程度(回答自治会数,カッコ内はパーセント)

特に力を入れて活発に防災活動を行っていた 6( 10.2)

活発に防災活動を行っていた 8( 13.6)

活発ではないが継続的に防災活動を行っていた 36( 61.0)

あまり防災活動は行っていない 9( 15.3)

回答総数 59(100.0)

これまでの防災活動について

これらの防災活動について、活動の程度を表9に示す。活動頻度まで回答しているもの を集計しているので、表8で取り扱っている回答数と差が生じている。特に力をいれて活

防災活動の内容 毎年 ある ない

自治会役員の連絡網作成 89% 8% 1%

防災訓練 75% 17% 8%

防災備品購入・保管・点検等 71% 23% 5%

避難場所や避難経路の確認 39% 41% 17%

自治会独自の災害準備金 31% 13% 52%

防災セミナーや講習会の開催 27% 29% 40%

高齢者・障害者の所在把握 23% 25% 48%

防災小冊子等を住民に配布 12% 41% 41%

AED等の救急医療の設置 - 28% 68%

回答数

25% 53% 20%

75 防災マニュアル作成など

災害時の体制・計画の整備

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発に行っていた、活発に行っていたを合わせても 23%しかなかった。多くの自治会は、活 発ではないが継続的に行う程度であった。

(2)対策本部立ち上げと防災活動

今までに防災活動を活発に行っていた自治会は、実際の災害時にも活動ができるのでは ないかとの仮説を用いた。

丸茂(2011)は地域の自主防災活動の程度についての住民からの評価を指数の1つに用い ている。岡西(2006)では防災活動の項目数を用いて活発さをみており、市古(2011)は防災 訓練の頻度を用いて活発さをみている。しかし、住民からの活動評価や防災活動の項目数 が、防災活動の活発さが関係しているかは判断が難しい。住民からの評価が低く、活動項 目数が少なくとも、活動への参加人数が多く賑やかである場合も考えられる。

そこで本研究では、これまでの防災活動の活発さを自治会の評価を用いて「活発に活動」

と「あまり活発に活動はしていない」の2段階に分けた。

対策本部立ち上げを「自治会が災害時に機能する要件」と捉え、日々の自治会活動が活 発な自治会ほど対策本部立ち上げがなされているのかみた。

実際に自治会が行った活動のなかでも、災害時に自治会が活動すべきこととして、対策 本部を立ち上げることを規定している自治会もあった。対策本部は、災害対応にあたる為 の拠点となり、情報収集や復旧のために行う「トイレの手配」「給水の手配」の必要性の 決断を行う組織となりうるからである。また、住民からの情報や要望を得る拠点ともなる。

この様な理由から自治会が災害時に組織的な体制がとられたか否かに注目して、指標とし て比較可能な「災害本部の立ち上げ」を用いた。さらに、対策本部が立ち上げられたかど うかを評価するため、「必要無かった」との回答を抜き、「対策本部を立ち上げた」と「対 策本部は立ち上げられなかった」を分析に用いる。

表 10 対策本部立ち上げと防災活動の関係性(回答自治会数,カッコ内はパーセント)

※χ2検定5%で有意な結果は得られず

表 10 より、防災活動が活発であれば、対策本部を立ち上げている自治会の割合が大きい。

防災活動の活発さが対策本部の立ち上げと関連があると明らかにするため、χの有意性検       対策本部立ち上げ

これまでの防災活動

立ち上げた 立ち上げ

られなかった 合計

活発に防災活動 10( 90.9) 1(  9.1) 11(100.0)

あまり活動していない 20( 74.1) 7( 25.9) 27(100.0)

合計 30( 78.9) 8( 21.1) 38(100.0)

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定を行ったが有意水準5%では帰無仮説の独立性は棄却されなかった。

よって、防災活動が活発であれば対策本部を立ち上げている傾向にあるが、統計的には 明らかにできなかった。

次に、防災活動と対策本部の立ち上げに統計的な関係性が得られなかったため、これま での防災活動が役に立たなかった理由をみる。

(3)防災活動が役に立たなかった理由

防災活動の活発さと災害時の活動について明確な関係性が得られなかったため、これま での防災活動内容が、実際の災害時の活動に繋がっていなかったのではないかと考えた。

表 11 では、実際の災害時に被害を受けた中町・新町の、これまでの防災活動が役に立たな かった理由をみた。多くの自治会が「想定外の出来事だった」と回答しており、これまで の防災活動では、東日本大震災での液状化被害に対応し難かったことを示している。

表 11 防災活動が役に立たなかった理由(複数回答,カッコ内はパーセント)

これまでに行っていた防災訓練や防災セミナーは、主に火災を想定しているものであっ た。そのため、消火訓練や避難訓練、救護方法のレクチャーが中心であり、火災などの被 害を拡がらせない・被害を減らすのが目的の内容であった。

浦安市での被災は液状化であり、今まで行っていた防災訓練で得ていた火災の危険や人 命救助の知識は生かされなかった。今回の災害時に必要だったのは「被災を受けた後に何 をするか」であり、今までの訓練は生かしきれなかったのであろうと考えられる。

また、「役員や担当者が被災・不在」だったことも理由であると回答されている。昼間 に被災したため、多くの人は都心に勤務中であった。そのため、役員や担当者が自治会地 域内に不在であった。さらに、役員や担当者の代理を務められる様な人が存在していない、

防災知識を持った人の不足していることも明らかになった。

このことから、実際の災害時に繋がる防災活動を行うには、考えうる様々な災害に対応 できる人が必要であること、そして、知識を持った人が様々な時間帯に地域に居る事が重 要であると考える。

これまでの防災活動が役に立たなかった理由 中町・新町 想定外の出来事だったので対応が難しかった 29( 60.4)

役員や担当者が被災・不在だった 20( 41.7)

計画・訓練通りにはいかなかった 16( 33.3)

事前の体制が整っていなかった 16( 33.3)

その他 9( 18.8)

どうすればよいか判断が出来なかった 8( 16.7)

情報が古くて使えなかった 4( 8.3)

回答自治会数 48(100.0)

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これまでの防災活動が「人の資質を向上させた」可能性があると考えられるが、役員や 防災担当者などの限られた人のみであった。知識が多くの人に広まっておらず、多くの人 に経験が蓄積されていなかった。

防災活動は、「人のつながり」を育む場であることを目的とした活動ではないからであ ろう。そのため関係性が得られなかったのではと考えた。

次節では、「人のつながりを育む場」として自治会が機能していると、災害時に有効に 活動できたのではないかとの観点から、自治会の日々の活動に注目する。

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3-2 日々の自治会活動と災害時の自治会活動の関係性

3-1では、これまでの防災活動が活発であっても、災害時にあまり有効な結果をもたら さなかったことがわかった。そこで3-2では、日々の自治会活動に着目した。「対策本部 立ち上げ」を「自治会が災害時に機能する要件」と捉え、自治会のこれまでの日々の自治 会活動(平常時の自治会活動の内、防災活動を除いた活動を指す)程度との関係性を見た。

これまでの日々の自治会活動内容と、災害時に役に立ったことをまとめる。

(1)日々の自治会活動の内容

浦安市における自治会の活動内容を把握するために、各自治会の平成 22 年度活動報告書 に記載されている内容を基に図 28 へまとめた。様々な種類の活動をそれぞれの自治会が行 っていることがわかった。

図 28 自治会の日々の自治会活動内容

表 12 日々の自治会活動の程度(回答自治会数,カッコ内はパーセント)

とても活発に自治会活動を行っていた 14( 20.3)

活発に自治会活動を行っていた 26( 37.7)

まあまあだった 22( 31.9)

あまり自治会活動を行っていなかった 7( 10.1)

回答総数 69(100.0)

これまでの日々の自治会活動について 自治会連合会定例会 子ども会夏祭り

定例役員会 自治会夏祭り

班長・副班長会議 納涼盆踊り・花火大会参加

総会 ふれあいサロン開催

地区連絡協議会 シニアおしゃべり広場開催

交番連絡会議 子育てサロン開催

広報発行 コーヒーサロン開催

ペンギンカフェ実施 貯筋体操実施 防犯パトロール 地区合同歩け歩け大会

防犯講習会 こいのぼり掲揚

平成の寺子屋開催 文化展開催

共同清掃 餅つき・焼きイモ大会

クリーンデー作戦参加 子供映画鑑賞会 資源ゴミ回収事業 肝試し・ラジオ体操実施 路上禁煙声掛け 手づくり味噌教室ツアー実施

花植え活動 紅葉と歴史探訪バスハイク実施

交流をはかる活動

美観に関する活動 運営に関する活動

防犯に関する活動

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