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図3・4−2 回折ピークの回折角と単位厚さ当りの回折強度の基板温度依存性
3−4−2−2フーリエ変換赤外分光(FT・IR)法によるVOPc薄膜の評価 図3・4−3に種々の基板温度で作製されたVOPc薄膜のFT・IR結果を示す。
FT−IR(RAS)は基板に対する垂直成分の振動モードが検出される。前章と同様に VOPc分子面の基板に対する平行配向度を表す面外モード737cm−1とVOPc分子面の 基板に対する垂直配向度を表す面内モード1080cm−1の比を求め、各種基板温度で蒸 着されたVOPc薄膜の基板温度に対する分子配向を検討した。
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波 数 (cm−1)
図3・4・3 各種基板温度で作製されたVOPc薄膜のFT・IRスペクトル
46
面内モードを基準として面外モードとの比を表3・4−2に示す。
表3・4・2モード比
基板温度Ts(℃)
面内モード:面外モード
(1080cm−1:737cm』1)
0
1:6.4125 1:10.17 50 1:12.85 100 1:17.12 150 1:1440
表3−4−2より、基板に対して垂直配向度を表す面内モードを基準としたとき、基 板温度が高くなるにつれて、基板に対して平行配向成分が増加し、Ts:100℃でその 割合が最大となり、それ以上の基板温度では平行配向成分が減少する結果が得られた。
これは、XRD観測結果と良い一致が見られ、基板温度が100℃で作製された試料が 最もVOPc平面分子が基板に対して平行配向した膜であることを示した。
3・6まとめ
VOPcのような有機材料を機能性材料として電子デバイス等に用いようとするとき、
金属電極を介する必要がある。さらに、有機分子を金属基板上に分子レベルで結晶、
配列を制御することが非常に重要である。
(1)基板の表面状態を検討した結果より、吸着水がVOPc分子の配向を決めている要 因の1つであることが分かった。この吸着水によって、基板が大気中および多湿中に 長時間暴露されているほど、VOPc分子が基板面に対し平行配向から垂直配向へと変 化する。これは、VOPcが疎水性であることに起因する。このように基板の表面状態 を変化させることによってVOPc分子の配向を制御することが可能であることが分
かった。
(2)基板温度依存性より、基板温度の上昇にともなってVOPc分子の配向が垂直から 平行へと変化することが分かった。
以上のように、真空蒸着法によってVOPc薄膜を作製しようとするとき、基板温度 の制御、基板の表面状態を制御することによって目的とするVOPc薄膜を作製できる ことが分かった。また、超高真空中で基板温度の制御を的確に行えば、より吸着水の 影響を取り除くことができ、分子の配列および配向性の制御がさらに効果的であると 思われる。
参考文献
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2)H.Hoshi,andY M:auyama:」1App1.Phys.,69,3034(1991)
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