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測定結果と期待値

ドキュメント内 ポジトロニウム 5 光子崩壊事象探索実験 (ページ 65-68)

UNI III 実験

5.5 測定結果と期待値

図5.6 イベント選択で排除されない3光子崩壊事象偶然同時バックグラウンド。1つの陽電子が検出されない場合。

イベントの排除で抑制されるが、2光子崩壊をする陽電子が検出されなかった場合、この事象は排除されな い。このバックグラウンド事象が検出される際の概念図を図5.7に記す。

この事象が5光子崩壊事象として検出される事象数は、各測定ランごとに検出される事象数の足し合わ せで、

BKG3γ(2γ+trans.γ)=∑

run

R×R2γ+trans.γ×2∆te+×(1−ϵe+)×RunT ime×ϵ×(2γ+trans.γ) (5.13)

で計算される。ここでRR2γ+trans.γはそれぞれ3光子崩壊事象、2光子崩壊事象のレートで、観測さ れた陽電子トリガー数、オルソポジトロニウム生成率、測定時間より求まる。∆te+は陽電子トリガーの時 間分解能で、ϵe+は陽電子の検出効率で、測定で得られたトリガー数より60%としている。ϵ×(2γ+trans.γ)

はこの事象が5光子崩壊事象として検出される確率で、シミュレーションの結果より求まる[22]。これ らの値より、このバックグラウンド事象が5光子崩壊事象として検出される数の上限を68%信頼区間で BKG×(2γ+trans.γ)<0.17と求めた。

図5.7 イベント選択で排除されない3光子崩壊事象と2光子崩壊事象の偶然同時バックグラウンド

期待値は0.97±0.06、主なバックグラウンド事象の混入数は0.32 +0.440.24 となった。ここでバックグラウ ウンド混入数の誤差は、3光子崩壊由来のバックグラウウンド事象の見積もりによるものが支配的である。

今後この事象のバックグラウンドシミュレーションをさらに行うことで、混入数をより精度高く見積もる ことができる。この見積もりをもとに、5光子崩壊事象およびバックグラウンド事象が検出される数ごとの 確率は、ポアソン分布に従って計算すると、表5.6のようになった。これより見積もりと無矛盾な測定結果 を得たといえる。

表5.5 5光子崩壊事象観測結果と期待値および主なバックグラウンド事象の混入数の見積もり(実験結 果以外は全てシミュレーションによる)

実験結果 2

5γ検出期待値 0.97±0.06 BKG <0.67 BKG× <0.16 BKG×(2γ+trans.γ) <0.17 全BKG <0.70

表5.6 5光子崩壊事象およびバックグラウンド事象の各検出数における確率

検出数 5光子崩壊事象検出確率(期待値0.97) バックグラウンド事象検出確率(見積もり0.70)

0 38% 50%

1 37% 35%

2 18% 12%

3以上 7% 3.4%

第 6

考察と今後の計画

我々は、改良を加えた多光子崩壊検出器UNI IIIを用いて、オルソポジトロニウムの5光子崩壊事象の 観測を2017年1月から2018年12月(線源強度380 kBqから220 kBq)の間で約568日間行った。その 結果、2つの5光子崩壊事象候補を得た。GEANT4シミュレーションによる見積もりでは、5光子崩壊 事象の検出期待値は0.97±0.06イベント、主なバックグラウンド事象の混入数の上限は0.70イベントと なっている。

ドキュメント内 ポジトロニウム 5 光子崩壊事象探索実験 (ページ 65-68)

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