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海洋調査の推進

ドキュメント内 平成25年版年次報告(全体版) (ページ 36-39)

第2部 海洋に関して講じた施策

6 海洋調査の推進

わせた「多重防御」による「津波防災地域づくり」を推進するため、都道府 県の「津波浸水想定」の設定等の支援を行いました。また、高潮・高波によ る浸水被害の軽減を図るため、うち上げ高予報の実現に向けた、波浪やうち 上げ高の観測及びうちあげ高予測システムの技術開発を推進しました。

○巨大海底地震・津波への対応については、東南海地震の想定震源域に敷設し た海底ネットワークシステムを運用・整備するとともに、南海地震の想定震 源域にもより広範囲に海底ネットワークシステムを敷設するため、基幹ケー ブル・観測機器等の製作を行い、観測機器の設置場所に係るルート選定のた めの調査を行いました。また、日本海溝海底地震津波観測網の整備に向けて、

平成24年度には事前のルート調査や観測機器及び海底ケーブルの製作等を 行い、平成25年7月には千葉県房総沖での海底ケーブル敷設工事を開始し ました。

○沖合の波浪を観測するGPS波浪計について、衛星回線を導入してデータ伝 送経路を二重化するとともに、電源設備や情報提供用サーバーの強化を進め ました。また、観測データから、沿岸での津波の高さ・到達時刻を予測する 手法の検討を行いました。

○船舶、沿岸の安全を確保するため、海洋気象観測船、漂流型海洋気象ブイ、

沿岸波浪計、潮位計、衛星等を用いた観測、解析を通じた地域特性の把握及 び地域特性を踏まえた高潮・波浪モデル等の予測技術の改良等を行い、高 潮・高波に関する防災情報の提供等を引き続き実施するほか、海上予報・警 報の発表、気象無線模写通報(JMH)等を実施するとともに、台風予報の 精度の向上に取り組みました。

できるよう、調査計画情報の共有化を図るとともに、連携策の調整を行うな ど、海洋調査の推進を図っています。

・水産庁では、独立行政法人水産総合研究センター及び都道府県水産試験研究 機関等の連携した調査船運航により、我が国周辺水域や外洋域において、水 産資源の資源変動や分布回遊に影響を与える海洋環境等の調査を実施して います。また、水産庁に所属する漁業調査船により、北太平洋公海域等での 水産資源や生態系の調査等も実施しています。

・気象庁では、平成23年東北地方太平洋沖地震の震源域周辺に、ブイ式海底 津波計を3台設置しました。これにより、当該海域付近で発生した津波の場 合、地震発生後10分程度で検知可能となりました。また、北西太平洋海域 において高精度・高密度な海洋観測を実施しています。昭和59年以降の水 素イオン濃度指数(pH)の観測結果の解析を行ったところ、観測を行って いる東経137度、北緯3度~34度のすべての緯度帯においてpHが年々低下し、

「海洋酸性化」が進行していることがわかりました。

図4: ブイ式海底津波計の機器概要及びブイ式海底津波計設置時の写真

・海上保安庁では、精密な海底地形等のデータを効率的に取得するため自律型 潜水調査機器(AUV)「ごんどう」を導入し、またAUV搭載運用を可能とす るための測量船拓洋の大規模改修及び、測量船昭洋の観測機器更新等、海洋

津波による

水圧の変化

海底津波計 アンカー

音響による通信 海上ブイ

津波データ

衛星通信

気象庁

調査能力の向上を図りました。鹿児島県南方のトカラ群島近海においては、

測量船昭洋により、小型のカルデラと複数の火口を有する海底火山を新たに 発見しました。東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け策定された、「総 合モニタリング計画」に基づく福島県東方沖等の海域で、モニタリング調査 等の日本周辺海域における放射能調査を実施しました。

・(独)海洋研究開発機構では、潜水調査船「しんかい6500」や地球深部探査 船「ちきゅう」などの船舶・深海探査機を活用して海洋調査を進めています。

東北地方太平洋沖地震の震源海域では、従来、大きな地震性すべりが発生し たことを示す海底地形、および地下構造の変形を確認するとともに、大きな 応力(物体の内部に生じる力)の解放が起こったことを明らかにし、メカニ ズムに関する極めて重要な成果が得られました。南海トラフの掘削調査では、

過去の地震性破壊の痕跡を発見するなどの成果を得ました。海洋の世界最深 部であるマリアナ海溝に生息するカイコウオオソコエビから新規で有用性 の高い消化酵素の検出及び精製に成功しました。その他にも、ウナギの幼生

「レプトセファラス」の食性について、その栄養段階からマリンスノーが有 力であることを示しました。また、文部科学省の委託事業「海洋環境におけ る放射能調査及び総合評価」に係る、福島県・宮城県・茨城県沖の外洋海域 における海水試料の採取等を、公益財団法人海洋生物環境研究所より受託し 実施しました。

・(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構では、経済産業省からの受託事業で ある国内石油天然ガス基礎調査の一環として、平成24年4月から平成25年 3月にかけて、三次元物理探査船「資源」により日高沖海域、岩手沖海域、

宮崎沖海域、枝幸沖海域、奄美~沖縄海域における物理探査データを取得す るとともに、東部南海トラフ海域おいて、将来の天然ガス資源として注目さ れているメタンハイドレートの海洋産出試験を実施し、メタンハイドレート 層からのメタンガスの産出を確認しました。また、我が国周辺海域の海洋資 源の探査、開発を目的とした新海洋資源調査船「白嶺」が平成24年1月に 引き渡され、掘削装置など大型調査機器を用いた海底鉱物資源の賦存量調査 や海洋環境基礎調査等を実施しました。

・(独)産業技術総合研究所では、日本周辺海域の地質情報整備の一環として、

平成24年8月から9月にかけて沖縄久米島および鹿児島県沖永良部島周辺 海域の海底調査を実施し、久米島西方海域において新たな海底熱水活動域を 発見しました。

○政府関係機関が保有する海洋に関する情報の概要、入手方法等をインターネ

ット上で一括して検索できる「海洋情報クリアリングハウス(マリンページ)」 を、内閣官房と海上保安庁が関係機関と協力して構築し、運用しています。

平成24年度は約76,000件の利用がありました。

○海上保安庁では、海洋情報をインターネットでビジュアルに重ね合わせて見 ることができる「海洋台帳」の運用を平成24年5月に開始し、1年で約300 万件 の利用がありました。

○平成24年、我が国の排他的経済水域等において、海上保安庁では、外国海 洋調査船を30隻確認しました。このうち、我が国の同意を得ない調査活動 は5件あり、巡視船・航空機により中止要求等を実施するとともに、外交ル ートを通じた中止要求の伝達等、関係省庁が連携して的確に対処しました。

○我が国周辺海域における海洋環境保全対策を効率的かつ効果的に実施する ため、油分、重金属等の陸上・海上起因の汚染物質の海洋環境におけるバッ クグラウンド数値の経年変化の把握に取り組みました。

○海難事故の発生した際の巡視船や航空機による捜索救助活動や流出油の防 除活動を迅速かつ的確に実施するため、関係府省連携の下、海象データの不 足海域の解消、データを管理するシステムの強化、予測モデルの改良等によ る漂流予測手法の改善を進めました。

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