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海洋構造物に対する舶用機器の潜在需要

ドキュメント内 オフショア産業向け舶用市場調査 (ページ 108-114)

4. 海洋構造物・オフショア作業船への我が国舶用機器導入可能性

4.1 海洋構造物に対する舶用機器の潜在需要

1

) 掘削リグ

前述のように、オフショア石油ガス掘削は、さらに大水深へと向かっているが、その技 術課題としては次のようなものがあげられている

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地層圧力と地層破壊圧力の関係

地層温度および海水温度の影響

大水深の浅部地層の特徴

水深の影響

リモートエリアであること

掘削コストへの影響

これらの課題を克服する為に、様々な技術開発への努力が続けられている。例としては 次のものがある。

① MPD

managed pressure drilling

掘削時において、坑壁と掘管の間(アニュラス、泥水の柱)の圧力を正確に制御できる 適応性のある掘削プロセスのこと。坑井内環境の限界を把握して、それに対応したアニュ ラスの圧力プロファイルを掘削ウインドウ内に収めるのが

MPD

の目的。

MPD

には次のような機器が使われる

RCD

: アニュラスの圧力をしっかりと保持した上で、掘管の上げ下げができる。即ち坑 井内圧力をコントロールするバリアとして機能する。

Non Return Valves

: 掘削中に坑井内流体の戻りを制御することで坑井内圧力をコント ロールする。掘管接続時にも坑底圧を一定に保つ働きをする。掘管編成に随時取り付ける。

Choke Manifold

: アニュラスにかかる背圧をコントロールすることで、掘削に必要な 坑底圧のコントロールへ結びつける。手動と自動のチョーク操作法がある。

CCS

Continuous Circulation System

の略。掘管接続時のアニュラスの圧力

ECD: Equivalent Circulating Density

等価泥水比重に掘削泥水の摩擦圧力損失を加え たもの)を制御する装置のこと。泥水温度を維持できるので、高温・高圧下で有効とされ る。

Continuous Circulation Device

CCD

)とも呼ばれる。

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ケーシング計画

ケーシングとは掘削の進行に伴って、掘られたままで地層が露出している坑井(裸坑)

に内枠をつけること。ケーシング材料としては丈夫な鋼管(ケーシング・パイプ)が使用 される。ケーシングに際しては、その強度、長さを決めるために、石油会社は地質専門家 や掘削技術者の提案や地球物理学的情報をもとにして、ケーシング計画を作成する。使用

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特集:深海へ向かう世界の石油・天然ガス開発事業 掘削分野の技術革新―水深

3,000m

を克 服。

JOGMEC 2006

9

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掘削技術の進歩:

Managed Pressure Drilling

MPD

JOGMEC2009

3

される情報で一番確かなのは近くに掘られた井戸の記録で、それがない場合には似たよう な地域での記録が使用されたり、物理探査で得られたデータなどが利用される。ケーシン グ計画を大きく左右するものは、坑の直径、目的層の深さ、そしてその潜在産出能力など である。これらはケーシングのサイズ、タイプ、材質の選択に大きな影響を与える。井戸 が深くなり、掘進に日数がかかると、上部の坑壁は長期間裸坑のままにされ崩壊の可能性 が高くなる。このため坑井の掘進にあたっては、ある深度あるいは日数まで掘進した後に いったんそこまでケーシングおよびセメンチングを施して、その後そのなかを通る径のビ ットでさらに下部を掘り進み、第

2

段のケーシングをする、というように、ケーシング は大口径から次第に径を減ずる複数段となるのが通常である

97

大水深掘削ではオペレーションウインドーが狭いため、このケーシング計画の面からの 対策がなされる。正攻法としてはケーシングの段数を増やすことになるが、当然限界があ り、ケーシング段数の増加は作業時間およびコストの増加につながる。できるだけ海底下 深い深度までライザーレスで掘削

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することによってケーシング計画に余裕を与えるとい う考え方もあるが、次に述べるジオハザード(

geo-hazard

99

を考慮に入れたケーシン グ計画が重要である。

最新の

LWD/PWD

logging whiledrilling 100 /pressure while drilling 101

)ツールを 使って坑内圧力管理を厳密に行い、

MPD

の実践を前提にすれば、ケーシング計画時の安 全マージンを小さく取ってケーシング計画を楽にすることも可能になった。

ジオハザード(

geo-hazard

)対策 →シャローガス、シャローウォーターフロー、天 然メタンハイドレート層などの浅部トラブル層を避ける。検地できない、避けられな い場合の対策

97 Weblio

ウェブサイト

98

ライザーレス掘削は、二重比重(デュアルグラディエント)掘削システムに対して提案された 最初のコンセプトで、海底上部の海水による水頭圧と坑内のアニュラス圧力を等しく制御するた め、海底にマッドリフトポンプを使用するものである。これは裸坑部のオーバーバランスを維持 するため、海底下には比重を高めた泥水を使う。

99

地質学上の観点から見られる危険因子。シャローガスやシャローウォーターフローは、ジオハ ザードに含まれる。(特集:深海へ向かう世界の石油・天然ガス開発事業 掘削分野の技術革新

―水深

3,000m

を克服。

JOGMEC 2006

9

月)

100 MWD

measurement while drilling

:掘削同時計測伝送システム)技術を用いて、掘削作 業中に坑内センサーで地質データを取得し、リアルタイムで地表に取得データを伝送するシステ ム。掘削作業の効率化および安全性向上に有効なシステム。(特集:深海へ向かう世界の石油・

天然ガス開発事業 掘削分野の技術革新―水深

3,000m

を克服。

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月)

101 MWD

技術を用いて、掘削作業中に坑内センサーで坑内圧力データを取得し、リアルタイムで 地表に取得データを伝送するシステム。掘削作業の効率化および安全性向上に有効なシステム。

(特集:深海へ向かう世界の石油・天然ガス開発事業 掘削分野の技術革新―水深

3,000m

を克 服。

JOGMEC 2006

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月)

パイロットホールの掘削

LWD/PWD

ツールを用いたトラブル層の検知

ライザーレス掘削での加重泥水の使用

特別な設計の海底坑口装置(異常高圧層や出水層中でのケーシングセメン チング)

サブシー機器

大水深掘削に用いるサブシーシステムは、海底面から海上の掘削リグへ向かう順に、サ ブシーウェルヘッド(

subsea well head

102

、サブシー

BOP

スタック(

subsea BOP stack

103

、 ラ イザー パ イ プ (

riser pipe

104

、 ラ イザー テ ン シ ョナー (

riser tensioner

105

、サブシー

BOP

コントロールシステム(

subsea BOP control system

106

などがある。これらの機器も大水深に対応したものが必要となる。

また、大水深でのサブシーシステムの運用には

ROV 107

が不可欠である。

なお、メキシコ湾での事故を受け、米国政府は

BOP

(原油流出防止装置)の機能強化 を義務付けており、新基準に沿った製品開発も大手メジャーが共同して実施中である。

掘削リグ上の掘削機器

掘削リグ上に装備される各種掘削機器に関する大水深対応のために、大型化・大容量化 および機械化・自動化される。長大なライザーパイプをはじめとするサブシーシステムの ためのハンドリング機器、泥水ポンプをはじめとする泥水循環のための機器やパイプライ ンなどは、そのすべてが重量・容量のより大きなものに変わってきている。

掘削リグの位置保持

ダイナミックポジショニングシステム(

DPS

)が主流だが、アンカー係留も有効なオ プションである。アンカー係留方式の掘削リグは大水深対応のためのアップグレードが施

102

通常の坑口装置とは、坑井の地上部分をコントロールするために、ケーシング頭部に取り付 けられる装置をいう。坑口装置は、図に示されるように、ケーシング・ヘッド、ケーシング・ス プール、チュービング・スプール、クリスマス・ツリーなどから構成されている。

最近、水深の大きな海域でドリル・シップやセミサブマーシブル・リグを使用して海洋掘削を行 う場合は、坑口装置を海底面に設置する。海底坑口装置(

subsea wellhead assembly

)と呼 ばれている。

103

浮遊式掘削リグ(セミサブ型掘削リグやドリルシップ)では、数種類の

BOP

(防噴装置)を 組み合わせて一体化させた形でサブシーウェルヘッドの真上に接続する。この一体化させた

BOP

軍をサブシー

BOP

スタックという。

104

サブシー

BOP

スタックから掘削リグまで連結されている大径のパイプをさす。

105

ライザーパイプの自重、ライザーパイプ内の泥水の重量、潮流などによる外力に見合った上向 きの力でライザーパイプを吊り上げる機器

106

サブシー

BOP

スタックを制御するための装置。電気信号や流体圧力を介して

BOP

及び各種バ ルブ

BOP

の種類の1つで

9-5/8

“または

13-3/8

”サイズのケーシングパイプを切断できるよう に開発された特殊なのの。一般的なシアラム

BOP

はドリルパイプの切断に限定される

107 Remotely Operated Vehicle =

船上・陸上から遠隔操作される 水中ロボット

されたものがほとんどであり、大水深での係留を可能にするために高把駐力アンカー、高 強度合成素材の軽量係留索、アンカー・係留索の事前設置(

pre-set mooring

108

などさ まざまな工夫がなされている。

一方、

DPS

掘削リグは大型化・大容量化だけではなく、あらゆる面で冗長性の追加が 施されて、信頼性が増している。

安全管理、環境保全

大水深での掘削作業は、浅水深掘削に比べて安全管理や環境保全上、より問題が大きい。

それらのリスクに対し ては、ハードウェアに高い冗長性を求め ること( 特に

DPS

BOP

コントロールシステムなど)、危険作業から人間を遠ざけること(ドリルフロアの パイプハンドリングの機械化・自動化)、体系的なリスク管理を日常のものとすること、

などにより対処している。

上述のような課題やその対策のための技術を取り入れた機器に対する潜在需要は高いと 考えられる。

しかし、掘削リグに関連する機器は現在のところ、欧米企業がほぼ独占している。掘削 パッケージは

1980

年代には三菱でも生産していたが撤退。その後の技術革新もあり、そ う簡単には参入できない。

また、上記のほかにリグに使われる機器としては(オフショア作業船にも使われるが)、

特殊な大型クレーンがある。ナックルブームクレーンというもので、重くて長尺もので、

支点が複数あるタイプのものである。掘削パイプなどを持ち上げるためのものである。業 界関係者によると、日本ではすぐに設計することは難しいのではないかとのことである。

掘削パッケージについては、前述のとおり、

2

社が独占している。

1980

年代には三菱 グループが

Continental EMSCO

のライセンス生産をしていた。業界関係者によると、

1980

年代の技術者が引退する前であれば、再参入も可能ではないかという。

その他、チェーンやポンプでは既に日本企業も参入している。(チェーン:浜中チェー ン、ポンプ:

SHINKO

2

) 浮体式生産システム

浮体式生産システムのトップサイドで使われているのは、石油化学などのプラントの技 術である。石油化学プラントでは日本のエンジニアリング会社も世界各国で活動をしてい る。

108

アンカー(

anchor

)および係留索(ワイヤロープやチェーンなど)を使用して位置保持を行う セミサブ型掘削リグでは、通常掘削ロケーションに到着してからアンカー設置のための作業を開 始する。プリセットムアリングは、掘削リグが掘削ロケーションに到着する前にアンカー設置作 業を終了しておく方法を指す。この方法を採用することにより、掘削リグはロケーション到着後、

事前設置したアンカーと係留索を接続するのみの作業となるため、作業時間を短縮することがで きる。

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