処方箋医薬品 向精神薬 医療用麻薬
拮抗薬 ナロキソン
トラマドール リン酸コデイン
(100倍散)
ブプレノルフィン ペンタゾシン
モルヒネ フェンタニル オキシコドン リン酸コデイン
(10倍散)
タペンタドール メサドン
ケタミン
オピオイド
オピオイド鎮痛薬
ナーシングケアQ&A11一般病棟でできる緩和ケアQ&A(堀夏樹他編)より一部改変
病態による鎮痛薬(鎮痛補助薬)の選択
侵害受容性 疼痛
• アセトアミノフェ ン
• NSAIDs
• オピオイド
神経障害性 疼痛
• プレガバリン
• 抗うつ薬
• SNRI
• オピオイド
非器質性 疼痛
• 各症例ごとに 検討する
• オピオイドは使
用しない
アセトアミノフェンか NASIDs か
リスクの有無
・腎機能障害
・消化性潰瘍の既往
・高齢
・ステロイド、抗凝固療法
NSAIDs の必要性を評価 いずれも使用可能
NSAIDs を抗潰瘍薬とともに使用する
COX-2 選択薬を考慮
アセトアミノフェン
あり なし
あり なし
神経障害痛に対する薬物療法
•
プレガバリン•
デュロキセチン•
三環系抗うつ薬 第一選択薬•
ノイロトロピン•
トラマドール 第二選択薬•
強オピオイド 第三選択薬日本ペインクリニック学会 神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン.改訂第2版 2016 を改変
効果と副作用の指標 NNT と NNH
NNT(number needed to treat)
その薬剤を何人に投与すれば、疼痛軽減(50%以上)が得られるか
NNH(number needed to harm)
何人にその薬剤を使うと一人に副作用がでるか
NNT NNH
デュロキセチン 5−7 10−15 三環系抗うつ薬 2−4 15前後 プレガバリン 3−8 10−20 トラマドール 5−7 10−15 強オピオイド 2−5 15−20
Finnerup.NB,et.al. Pain.2010/150(3).573-81
Finnerup.NB,et.al. Lancet Neurol.2015:14:162-73 より改変
神経障害痛に対する各薬物の NNT と NNH
神経障害性疼痛に対する薬物療法の注意点
• 薬物療法の鎮痛効果は限定的
–
少量から始め忍容性を確認しつつ、効果・副作用のバランスを計りな がら増量–
鎮痛のみならずQOL
、ADL
の改善を評価する必要あり• ガイドラインの根拠になっている論文の研究期間は4週から13週 –
漫然と投与しない、徐々に減量中止• 自動車運転などの制限・注意について IC 必要
• 副作用に関心を払う
–
プレガバリン:霧視、意識消失、体重増加–
デュロキセチン:セロトニン症候群–
トラマドールなどのオピオイド:依存、便秘サインバルタ ® の使い方
• SNRI (セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
• 適応
• うつ病、うつ状態
• 疼痛:糖尿病性神経障害、線維筋痛症、慢性腰痛症
• 副作用(国内臨床試験では発現率 73 %):傾眠、便秘、悪心、頭痛、
不安
• 20mg から開始 60mg まで増量可
• 例)サインバルタ(20)1T/分1朝
• トラマドールとの併用注意(セロトニン症候群)
• 適応以外の病態に対する効果の可能性
• 化学療法誘発性末梢神経障害
• 中枢性神経障害性疼痛
• 運動器の痛み(侵害受容性疼痛)
リリカ ® の使い方
• 興奮性前シナプスの Ca チャネルに結合して Ca の流入を抑制し神経 伝達物質の放出を抑制する
• 適応:神経障害性疼痛・線維筋痛症
• 転倒・ふらつき・健忘・失神に注意。気分の高揚・食欲増進・体重 増加、末梢性浮腫、霧視など特異な作用あり
• 使い方の例(東大痛みセンター)
睡眠効果が期待できる眠前25−50mg
から開始し、増量 375mg
までは眠前で使用する
日中の眠気がある場合は夕、眠前で使用する
抗うつ効果、抗不安効果を期待する• 腎排泄
腎機能を常に勘案する必要あり、高齢者では腎機能低下が潜在してい る
オピオイドの使い方
• 急性痛の強い痛みに対して短期間使用する
強オピオイドが必要な強い痛みは病院紹介の適応• 慢性痛に対しては、オピオイドの使用は慎重に検討する
トラマドールを検討する
強オピオイドの使用は専門医に任せた方が良い• 契約
• 患者の依存リスクの評価
• 上限の設定・レスキューの禁止・効果の評価・減量中止
• がん病変による痛みには積極的に使用する
緩和医療の方法で行う。特に終末期で痛みが強くなる時期には注射 剤を含め積極的に使用していく
治療が奏功した場合等では、減量・中止などの調整が必要• がん治療による痛みには慎重に検討する
がんの病名のみで、オピオイドを選択してはならない• 非がん性疼痛では依存は高頻度に発生
50
%という報告もある• Jette Hojsted,et.al.Addiction to opioids in chronic pain patients:
a literature review.European J of Pain,2007
• 過量投与の報告も多い
ワシントン州(人口
600
万人)で年間450
人以上が医療用麻薬の過量 服用によって死亡(2007
年)• http://emergency.cdc.gov/coca/pdf/AGReportFinal.pdf
9940例中6件の死亡例を含む51件の過量投与が同定された
• Kate M.Dun,et,al.Opioid Prescriptions for Chronic Pain and Overdose:A Cohort Study. Annals of Internal Medicine 2010
モルヒネ
1
日100mg
以上投与、過剰摂取による死亡リスクはがん患者で
12
倍、慢性疼痛患者で7倍• Bohnert AS,et.al.Association between opioid prescribing patterns and opioid overdose-related deaths.JAMA. 2011 Apr 6;305(13):1315-21.
非がん性疼痛治療におけるオピオイドは
オピオイド乱用の危険因子
Webster LR.Risk factor for opioid abuse.North Branch,Sunrise River Press,2007,69-85
① 薬物乱用の既往や乱用の家族歴
② 若年である
③ 精神疾患
④ 心理的ストレス
⑤ 生活環境・家族関係が悪い
⑥ たばこ・アルコール依存
⑦ 痛みの慢性化と過度の訴え
⑧ 原因不明の痛み
オピオイドの慢性痛に対する効果
•
慢性腰痛ではエビデンスがない– Curr Med Res Opin 2005:21:1819-1828
•
非がん性疼痛に対するオピオイドのRCT
は短期すぎる– Arthritis Res Ther 2005:7:R1046-R1051
•
慢性疼痛の長期治療(16w
以上)の有用性にエビデンスがない– Ann Intern Med 2007:146:116-127
•
慢性非がん性疼痛において、QOL
や身体活動低下などの不良なアウトカ ムが認められる– Pain 2006:125:172-179
•
労災補償の患者には逆効果– Spine 2007:33:2127-2132
•
治験対象者と診療現場の患者との間に乖離?– J Pain Symptom Manage 2008:36:280-288
•
米国のような誤用・乱用・流用・過量投与関連死を起こさないために科学 的検証が急務– J Pain 2009 :10:131-146
トラマドールの使い方
•
処方箋医薬品扱い(麻薬ではない)であるがオピオイド→
痛み診断、効果・副作用の評価を厳密に行う必要がある
•
オピオイドの等鎮痛力価換算:トラマドール300mg
=モルヒネ60mg
•
ワントラム®など大量のトラマドールでは依存の可能性あり•
自動車運転禁止• NSAIDs
等が無効な侵害受容痛、NSAIDs
長期投与や副作用例が適応•
60歳以上で鎮痛効果が高く、また高齢者では依存が少ないといわれて いるので、比較的高齢の症例に有用•
副作用:便秘、嘔気はよく見られ、場合によっては強い症状のことあり。セロトニン症候群注意
•
導入は眠前25mg
から開始、嘔気時屯用制吐薬・緩下剤併用する数日か ら1週間で忍容性を確認し、必要であれば2T/
分2へ増量ノルスパンテープ ® の使い方
• ブプレノルフィン
• μ
受容体の部分作動薬•
モルヒネの25−40
倍の鎮痛作用• ノルスパンテープ
®• 5mg 10mg 20mg
=5μg/hr 10μg/hr 20μg/hr
=モルヒネ換算で
5mg/
日10mg/
日20mg/
日•
72時間で血中濃度が安定•
7日ごとに貼付• e-learning
受講が必要• 悪心嘔吐、便秘、傾眠、掻痒、めまい
担がん患者:
背中が痛い(特に体動時)下肢にしびれ痛み
がん性疼痛(腰椎骨転移)
骨侵害受容性疼痛・腰髄神経障害性疼痛
骨侵害受容痛に対して NSAIDs+ オキシコンチン ®
+ ビスフォスフォネート(ゾメタ ® )開始
腰髄神経障害痛に対して リリカ ® 開始
60代女性 昨日転倒後
診断:腰椎圧迫骨折
背中が痛い(特に体動時)下肢にしびれ痛み
急性痛
(新たな椎体骨折)
骨侵害受容性疼痛 腰髄神経障害性疼痛 80代女性
3ヶ月前転倒後から 軽減あるも痛み持続 診断:腰椎圧迫骨折
慢性痛
(陳旧性の椎体骨折)
骨侵害受容性疼痛 腰髄神経障害性疼痛
骨侵害受容痛に対して NSAIDs+ ノルスパンテープ ® もしくは、トラムセット ® またはトラマール ®
腰髄神経障害痛に対して リリカ ® 開始 いずれも経過を見て減量へ
骨侵害受容痛に対して カロナール ®2000mg/ 分 4
腰髄神経障害痛に対して まずは経過観察
帯状疱疹に関連する痛み
侵害受容性疼痛 神経障害性疼痛
急性期に NSAIDs+ アセトアミノフェン
さらに必要なら、トラマール ® 追加
神経障害痛に移行したらにリリカ ® 開始
NSAIDs 等徐々に中止
慢性期には抗うつ薬併用など検討
痛みと向き合う
緩和医療やロコモティブシンドロームの認知、新薬の登場など痛み診療の 社会的な広がりがある
TVCM
では 痛みに負けるな!
早く効く!
痛みは我慢しない!
神経障害性疼痛かもしれません。お医者さんに相談してください!
良い点もあるが、その一方で