SQP Step
8.4 水槽試験結果 .1 伴流計測結果
Table8.4.1 Experimental Condition of wake measurement at 3rd time.
LWL [m] 7.9874
Water Temperature [℃] 19.1
VM [m/sec] 1.315
RnM 1.024×107
8.4.2 プロペラ単独試験結果
Table8.4.2 Comparison of propeller performance at J=0.250. (Tank test)
KT KQ O
Case0 0.2260 Base 0.2471 Base 0.3639 Base
Case3 0.2302 1.9% 0.2491 0.8% 0.3677 1.1%
Case4 0.2323 2.8% 0.2506 1.4% 0.3688 1.4%
8.4.3 自航試験結果
Table 8.4.3 Self-propulsion test result at Fn=0.1456.
Case0 Case3 Case4
EXP. EXP. diff. [%] EXP. diff. [%]
O 0.377 0.359 -4.8% 0.371 -1.6%
R 0.994 0.975 -1.9% 0.980 -1.4%
1-WQ 0.474 0.432 -8.8% 0.450 -5.0%
1-t 0.818 0.818 0.0% 0.816 -0.2%
H 1.726 1.894 +9.7% 1.813 +5.0%
0.646 0.662 +2.5% 0.658 1.9%
BHP[PS] 0.1586 0.1548 -2.4% 0.1557 -1.8%
124
8.4.4 キャビテーション試験結果
Table 8.4.4 Dimension of test section.
Length 2600 mm
Section 600×600mm
Contraction ratio 1:3
Table 8.4.5 Test conditions of cavitation test.
Case0 Case3 Case4
KT 0.2211 0.2273 0.2268
Cavitation Numberσn 1.8079 1.8079 1.8079
125
Appendix 最適化用格子の不確かさ解析
ここでは、最適化計算に用いた格子の密度が推定結果に与える影響を不確かさ解析により 確認した結果について示す。これは、計算時間を短縮するために、本最適化に用いた格子 が一般的に用いられる格子と比べて格子密度を小さく設定しているため、その影響を確認 したものである。伴流中最適化用に用いている格子設定をGrid-1として、Grid-1より粗い
格子をGrid-0、Grid-1より密な格子を Grid-2~Grid-4と計5種類の格子を作成し、不確
かさ解析を実施した。計算に用いた格子は非構造格子であり、構造格子の場合のようなシ ステマティックな格子細密化を適用できないため、Eçaら12)による最小2乗法に基づく不 確かさ解析を適用した。なお、各格子の格子サイズは式(A-1)にて定義する示す格子サイ ズに基づいて決定した。
2 1 1 2
i
i h
h
式(A-1) ここで、
h1:Grid-1格子サイズ
hi:Grid-i格子サイズ(i=0、2、3、4)
である。 2
1
2
i
が格子サイズ比(Grid Size Ratio)を表し、Grid-1の格子サイズ比は1とな る。供試プロペラは最適化の母型に供したCase0のプロペラを用いた。各格子を用いて推 定した各種推定値をTable A-1~Table A-3に示す。なお、各推定値はJ=0.250で推定した 値を直接用いている。
TableA-1 Estimation result of thrust coefficient.
Grid Size Ratio KT Diff(%)
Girid-0 1.414 0。2266 0.9%
Girid-1 1.000 0。2247 0.0%
Girid-2 0.707 0。2221 -1.2%
Girid-3 0.500 0。2216 -1.4%
Girid-4 0.354 0。2219 -1.2%
TableA-2 Estimation result of torque coefficient.
Grid Size Ratio 10KQ Diff(%)
Girid-0 1.414 0.2454 0.8%
Girid-1 1.000 0.2433 0.0%
Girid-2 0.707 0.2401 -1.3%
Girid-3 0.500 0.2396 -1.5%
Girid-4 0.354 0.2405 -1.2%
126
TableA-3 Estimation result of propeller open efficiency.
Grid Size Ratio ηo Diff(%)
Girid-0 1.414 0.3675 0.0%
Girid-1 1.000 0.3674 0.0%
Girid-2 0.707 0.3680 0.2%
Girid-3 0.500 0.3681 0.2%
Girid-4 0.354 0.3672 -0.1%
TableA1~TableA3の結果を用いて不確かさ解析を行った。なお、不確かさ解析の実行手
順は以下に示すとおりである。
(ⅰ)スラストおよびトルクの不確かさ解析について
最初に、不確かさ解析の対象とするスラスト等の推定値を格子サイズに応じて(i)i
として式(A-2)に示すSREが最小となる、、pを定める。
0
21
0, , i ip
n
i i
RE p w h
S
g
式(A-2)
ここで、ngは不確かさ解析に用いた格子サイズの数を示し、本解析ではng=5となる。ま た、wiは格子サイズに応じた重みを示し、重みなし解析では式(A-3)で、重みあり解析で は式(A-4)にて求められる。
i ng
w 1 式(A-3)
ng
i i
i
h wi h
1
1 1
式(A-4)
重みなし及び重みありで行った解析のいずれかで、算出された p が0.5p2となれば、
格子に起因する誤差は式(A-5)より求められる。
ip
h
式(A-5)
また、pがp2となった場合は式(A-6)と式(A-7)に示す、1次項および2次項を用い た単項展開式が最小となるおよびを、重みなし解析と重みあり解析により各々求め、得 られた各係数を用いて式()および式()に示す標準偏差を算出する。なお、式()
が次項の単項展開、式()が次項の単項展開に対応する。ここで得られた標準偏差 が最も小さい時のおよびを用いて推定誤差を求めることとなり、およびが次項の単 項展開から求まる場合は式()を用い、次項の単項展開から求まる場合は式()
127 を用いて推定誤差を求める。
0
21 0
1 , i i
n
i
i h
w S
g
式(A-6)
0 2
21 0
2 , i i
n
i
i h
w S
g
式(A-7)
2
1
0 2
1
g n
i
i i
i
n
h nw
g
式(A-8)
2
1
2 2 0
2
g n
i
i i
i
n
h nw
g
式(A-9)
hi
式(A-10)
i2
h
式(A-11)
次に式(A-12)を用いてを求める。
1 min
max
g i i
n
式(A-12)
この時、0.5 p2.1かつ を満たせば安全係数 Fs=1.25 とし、 を満たし 1
. 2 5 .
0 p を満たさない場合はFS=3として式(A-13)より各格子サイズに対して不確かさ を求める。また、上記条件のいずれも満たさない場合は式(A-14)で不確かさを求める。
i FS
i i fitU 式(A-13)
i
i i fit
U
3 式(A-14)
上記の解析方法に基づいて得られたスラストおよびトルク推定値の不確かさを TableA-4 およびTableA-5に示す。
128
TableA-4 Uncertainty analysis result of thrust.
Grid KT U
KT /KT Girid-0 0.2266 0.9%Girid-1 0.2247 0.0%
Girid-2 0.2221 -1.2%
Girid-3 0.2216 -1.4%
Girid-4 0.2219 -1.2%
TableA-5 Uncertainty analysis result of torque.
Grid 10KQ U
KQ /KQ Girid-0 0.2454 0.8%Girid-1 0.2433 0.0%
Girid-2 0.2401 -1.3%
Girid-3 0.2396 -1.5%
Girid-4 0.2405 -1.2%
(ⅱ)プロペラ単独効率の不確かさ解析について
プロペラ単独効率はスラストおよびトルクの推定値に基づいて算出される為、両推定値の 持つ不確かさを合成して単独効率の不確かさを算出する必要がある。式(A-15)で表され るような、複数の物理量xi
i ,12,, ,,i
に基づいて算出される物理量yの不確かさucは式(A-16)に基づいて求められる13)。
x x xi
f
y 1, 2,,,, 式(A15)
i
j i jN i
N i j
j i N
i
i i i
c y c U x ccU x U x r x x
U 2 1 ,
1 1
1 2 2
2
式(A-16)
ここで、
i xi
c f
式(A-17)
j xj
c f
式(A-18)
である。いま、yはプロペラ単独効率Oであり、Oは式(A-19)にて定義される。
1 1 1
2 1 2
T Q
Q
o T J K K
K K J
式(A-19)
このうち、CFD に於いて、プロペラ前進率 Jはプロペラ回転数や前進速度といった設定 値に基づいて定まる為、不確かさは無いものとして考えると、Oの不確かさ算出式は、式
(A-16)を式(A-17)~式(A-19)を用いて書き下し式(A-20)を得る。
129
Q KQ T Q KT
Q T KQ T
KT o
o U K
U K K K K r
K U c U
U 2 2 2 ,
2
式(A-20)
なお、r
KT,KQ
はスラスト・トルク推定値の相関係数であり、式(A-21)で求められる。
0.51 1
2 2
,
ng
i
ng
i
Q Qi T
Ti
Q Qi n
i i
T Ti Q
T
K K K
K
K K K K K
K r
g
式(A-21)
ここで、
g n
i Ti
T n
K K
g 1
g n
i Qi
Q n
K K
g 1
である。
いま、TableA-1 および TableA-2 に示すスラスト・トルクの推定値を用いてに基づいて
KT KQ
r , を求めると、r
KT,KQ
0.996を得る。これより、式(A-20)および TableA-4、TableA-5 に示すスラスト・トルク推定値の不確かさを用いてプロペラ単独効率の不確かさ
を算出することができ、TableA-6に示す結果を得る。
TableA-6 Uncertainty analysis result of propeller open efficiency.
Grid ηo U
o /o(%) Girid-0 0.3675 0.3%Girid-1 0.3674 0.2%
Girid-2 0.3680 0.2%
Girid-3 0.3681 0.1%
Girid-4 0.3672 0.1%
以上より、各推定値に対する不確かさが求まり、各結果をGrid Size Ratioに応じてFig.A-1 に示す。
130
Fig. A-1 Results of uncertainty of each gird size ratio.
Fig.A-1より、本研究の最適化に用いているGrid-1(格子サイズ比=1.0)ではプロペラ単
独効率の推定値は 0.3%程度の不確かさを有し、スラスト、トルクの推定値は 2%程度の不 確かさを有することが確認できる。本論文で構築した最適化システムでは、目的関数とし ているプロペラ単独効率の向上量が2%程度という結果となっており、推定値が持つ不確か さ以上の効果を得ていることから、本最適化で得られる向上量の推定結果は有意なもので あると考えられる。一方で、本最適化システムではトルクが母型のトルクから0.5%以上変 化しないよう制約条件を加えているが、今回の不確かさ解析結果は制約条件として設定し ているトルク変化の範囲が、格子の持つ不確かさの範囲内に入っていることを意味してお り、最適化に用いているGrid-1は、最適化システムのトルク性能評価に用いるには不適当 である可能性を示唆している。ここで、Grid-1 および Grid-3 の格子設定を用いて Case0
とCase1およびCase0とCase3のプロペラの性能差を推定し、格子密度がトルク性能変化
の推定結果に影響を検討した。結果をTableA-4、TableA-5に示す。
TableA-4 Difference of performance between Case0 and Case1 at J=0.300.
KT KQ ηo
Grid-1 1.4% -0.6% 2.0%
Grid-3 0.8% -1.1% 1.9%
TableA-5 Difference of performance between Case0 and Case3 at J=0.250.
KT KQ ηo
Grid-1 1.3% -0.9% 2.3%
Grid-3 1.7% -0.6% 2.4%
-1.0%
0.0%
1.0%
2.0%
3.0%
4.0%
5.0%
0.000 0.500 1.000 1.500
U/KT,10KQT
,
ηOGrid Size Ratio(from Grid-1)
U/KT U/KQ U/EtaO