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気候システムとその最近の変動についての理解 (2)

ドキュメント内 学術研究ネット講演 (ページ 40-57)

Changes of Atmospheric Concentration of CO2 (AR5)

4. 気候システムとその最近の変動についての理解 (2)

1979 年以降の北極域の夏季海氷面積の減少傾向について、 AR4 時点と 比べて現在ではより多くのモデルで再現されていることについて強固な証

拠があり、およそ1 /4 のモデルが観測と同程度もしくはより大きな変化傾

向を示している。

極端気象・気候現象の評価は、 AR4 より大きく進歩した。再現された、 20 世紀の後半にわたる、極端に暑い日および、寒い日・寒い夜の頻度の全 球的変化傾向は、観測と全般的に一致している

多くのモデルが 1961 年から 2005 年までに観測された海洋表層貯熱量 0700m )の変化を再現しており( 高い確信度 )、マルチモデル平均の時 系列は、現在利用可能な観測の期間の大部分において、観測からの推 定幅の範囲に収まっている。

炭素循環を含む気候モデル ( 地球システムモデル ) は、熱帯では放出し、

中・高緯度で吸収する、海洋 ― 大気間の CO2 フラックスの全球的分布を 再現する。

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気候システムの応答の定量化

 気温変化、気候フィードバック、および地球のエネルギー収 支における変化に関し、観測やモデルによる総合的な研究 を行うことにより、過去及び将来の外力への応答としての全 球温暖化の大きさに対する確信がもたらされる。

 平衡気候感度は、数世紀の時間スケールのおける一定の放射強制力に対する 気候システムの応答を定量化したものである。この気候感度は、大気中のCO2 濃度を倍増することによって生じる平衡状態までの全球平均地上気温の変化と して定義される。平衡気候感度は、1.54.5℃の範囲である可能性が高く、1℃ 未満である可能性は極端に低く(高い確信度)、また6℃より高い可能性は非常に 高い(中程度の確信度)

 過渡的気候応答(TCR=Transient Climate Response)は、十年規模から世紀規模 で増加しつつある放射強制力に対する気候システムの応答を定量化する。CO2 の大気中濃度が年率1%増のシナリオで、倍増したときにおける、全球平均地上 気温の変化として定義される。TCRは、1.0~2.5℃(高い確信度)の範囲にある 可能性が高く、3℃より大きい可能性は極端に低い。

 関連する量として、累積炭素排出量に対する過渡的気候応答(TCRE=Transient Climate Response to cumulative carbon Emission)がある。それは、累積炭素排 出量に対する、気候システムの過渡的な応答を定量化する。TCREは、大気に 排出・蓄積された1000Gtあたりのへ全球平均地上気温変化として定義される。

TCREは、1000GtCあたり0.8~2.5℃の範囲である可能性が高く、気温のピーク を打つ時点の約2000GtCに達するまでの累積炭素排出量に適用される。

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20 世紀半ば以降に観 測された世界平均気温 の上昇は、人為起源の 温室効果ガスの増加 による 可能性が非常に 高い( very likely)

原因特定

人為起源 + 自然起源

自然起源

(14 のモデルによる 58の実験から., IPCC/AR4

(5つのモデルによる 19の実験から, IPCC/AR4)

観測結果

(WG1/AR4)

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気候変化の検出と原因特定

 人間の影響は、大気及び海洋の温暖化、全球的な水循環の 変化、雪氷の減少、全球平均の海面水位上昇、及びいくつか の気候極端現象において検出される。

 人間の影響に関するこの証拠は AR4 以来進展している。人間 の影響は 20 世紀半ば以来に観測された温暖化の主要な原因 であることは 極めて可能性が高い 。

 ・・・気温極端現象に対する人間活動の影響に関する証拠がさらに強まって きた。人間活動の影響が 20 世紀半ば以降の日別の極端な気温の頻度や 程度に寄与してきた 可能性は非常に高く 、人間の影響が、いくつかの地区 で生じる熱波の生じる可能性を倍以上にした 可能性が高い 。

1979 年以降の北極域の海氷の減少に人為的影響が寄与していた 可能性 が非常に高い 。

 南極海の海氷面積にわずかな増加が観測されていることの科学的理解に ついて は確信度が低い 。これは、変化の原因の科学的説明が不完全で、

また互いに競合していることや、南極域の内部変動の大きさの見積もりの 確信度が低い ことによる。

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1951~2010年の全球平均地上気温の観測された上昇の半分以上が、温室効果ガ ス濃度の人為起源の増加とその他の人為起源の外力とがあいまって引き起こされた ことは極めて可能性が高い。

 人為起源の外力が、1970年代以来観測された、全球の海洋表層の熱容量(0700m) の増加にかなり寄与したことは非常に可能性が高い。

 全太陽放射照度の衛星による直接測定結果に基づくと、19862008年の期間の全 球平均地上気温の上昇に、全太陽放射照度の変化が寄与していなかったことは確信 度が高い。11年周期の太陽の変動がいくつかの地域における十年規模の気候のゆら ぎに影響していることは確信度が中程度である。

 宇宙線と雲量の変化の間に、強固な関連性は何も見出されていない。

(IPCC/AR5)

観測された ・ 再現された全球平均気候変化

(IPCC/AR5)

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(IPCC/AR5)

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将来の全球的及び地域的な気候変化

 温室効果ガスの継続的な排出は、更なる温暖化と気候シス テム全ての要素の変化をもたらすだろう。気候変化を抑制す るには、温室効果ガス排出量の大幅かつ持続的な削減が 必要であろう。

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SRES* 排出シナリオ

排出シナリオに関するIPCC特別報告書(SRES, 2000)

A1FI:化石エネルギー源を重視

A1B: 各エネルギー源のバランスを重視

A1T: 非化石エネルギー源を重視(新エネル ギーの大幅な技術革新)

2 :「多元化社会シナリオ」

地域独自性、世界人口増加、経済成長・技 術変化のばらつき、緩やかな技術革新など

1 : 「高成長型社会シナリオ」

B1: 「持続的発展型社会シナリオ」

経済・社会及び環境問題で世界的対策重視、

クリーン技術の導入など

2 : 「地域共存型社会シナリオ」

経済・社会及び環境問題では地域的対策重視、

穏やかだが広範囲な技術革新

その他:

コミットメント: 今後濃度一定と仮定

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SRESシナリオの範囲では、今後20年間に、10年あたり約0.2℃の割合で 気温が上昇することが予測される。

世界平均地上気温変化(再現と予測)

(IPCC/WG1/AR4)

(AR4)

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AR5に向けた、気候 ( 結合 ) モデル間の気候変動 の再現・予測の比較実験 (CMIP5)

 AR5では、 IPCC の「触媒的役割」のもとに、国際的研究 枠組み: WCRP/WGCM の主体的な研究協力活動として 本実験を実施

 濃度のシナリオである:4つのRCP * シナリオ、

および、 20 世紀気候再現などについてモデル間の 結果を比較 (* : RCP= 代表的濃度パスウェイ )

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予測実験で用いる RCP シナリオ( 2100 年まで)

濃度(放射強制力に換算して表示CO2換算排出量

(IPCC)

高位参照 シナリオ”

“高位安定化 シナリオ“

“中位安定化 シナリオ”

低位安定化 シナリオ”

(AR5)

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2300年までのRCPシナリオ

(IPCC/AR5)

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19862005 年に対する、 20162035( 近未来)での全球平均地上気温の 変化は、 0.30.7 ℃の間である 可能性が高い ( 中程度の確信度 )。

19862005 年に対する、 20812100 年の全球平均地上気温の上昇量は、

濃度で駆動される CMIP5 モデルシミュレーションから得られる幅によれば : 0.31.7 ℃( RCP2.6) 、~ 2.6(RCP4.51.1) 、 1.4 ~ 3.1 (RCP6.0) 2.6

4.8 (RCP8.5) の範囲に入る 可能性が高い と予測される。

 北極域は全球平均より速く温暖化し、陸上における平均的な温暖化は海上よ りも大きくなるだろう( 非常に高い確信度 )

1950 2000 2050 2100

(モデルの初期ゼロ点:1995年前後の平均値)

(IPCC/AR5)

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大気:気温 (1)

 1850 ~ 1900 を基準とした 21 世紀末までの * 全球地上気温変化は、

RCP2.6 以外の全ての RCP シナリオで 1.5 ℃を超える 可能性が高い 。

RCP6.0 および RCP8.5 では 2 ℃を超える 可能性が高く、 RCP4.5 では、

どちらかといえば (more likely than not) 2 ℃を超える。温暖化は、

RCP2.6 以外の全てのシナリオにおいて、 2100 年の先でも継続する。温 暖化は、年々~十年規模の変動を示し続け、地域的に一様ではないだ ろう。

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): 1750(工業化以前の標準年)の気温 は18501900(測器観測データ存在時 で工業化がわずか)の平均で近似される。 それから19862005 (次のスライド で示されるモデル予測のスタート時)までの気温上昇量は:

ΔT 18501900 から19862005まで) = 0.61[0.550.67]

その内訳は:

ΔT (18501900 から19801999 <1990年前後>まで) 0.5 ΔT (19801999 から19862005 < 1995年前後>まで)≒ 0.11

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大気:気温 (2)

全球平均気温が上昇するにつれて、ほとんどの陸域で日々及び季節の時間

スケールで極端な高温がより頻繁になり、極端な低温が減少することは ほぼ

確実 である。

熱波の頻度が増加し、より長く続く 可能性が非常に高い 。たまに起こる冬季 の極端な低温は引き続き発生するだろう。

 たまに起こる冬季の極端な低温は引き続き発生するだろう

(IPCC/AR5)

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大気:水循環

21 世紀にわたる温暖化に応答して、全球的水循環における変化は一様では ない。湿潤域と乾燥域、また雨季と乾季の間の降水の対照は、地域的な例外 はあるかもしれないが、増大するだろう。

 全球平均地上気温が上昇するにつれて、中緯度の陸域のほとんどと湿潤な熱帯域に

おいて、今世紀末までに極端な降水がより強く、より頻繁となる可能性が非常に高い。

 全球的には、モンスーンシステムに含まれる領域は21世紀を通じて拡大する可能性が 高い。モンスーンの風は弱くなる可能性が高い。一方、モンスーンの降水は大気中の

水蒸気量の増加により強まる可能性が高い。モンスーン期の開始期は早くなるか、ま

たはあまり変化しない可能性が高い。モンスーン期の終了期は遅くなり、結果としてモ

ンスーン期は多くの地域で長期化する可能性が高い。

 ・・・・、ENSOに関係した降水量の変動度は強まる可能性が高い。

(IPCC/AR5)

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海洋

 全球的に海洋は 21 世紀において温暖化が続く。熱は表面か

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