11.2 財源
11.3.1 民間による施設建設・管理
• PFI ( Private Finance Initiative)
– 公共施設の建設から、維持管理、運営までを民間の 資金や経営能力、技術的能力を活用して行う手法 – 平成 11 年 7 月「民間資金等の活用による公共施設等
の整備等の促進に関する法律」 (PFI 法 ) – 平成 12 年 3 月「基本方針」内閣総理大臣 – 5 つのガイドライン
PFI事業実施プロセスに関するガイドライン(平成
13
年1
月22
日)PFI事業におけるリスク分担等に関するガイドライン(平成
13
年1
月22
日)VFM(
Value For Money
)に関するガイドライン(平成13
年7
月27
日)契約に関するガイドライン(平成
15
年6
月23
日)モニタリングに関するガイドライン(平成
15
年6
月23
日)http://www8.cao.go.jp/pfi/aboutpfi.html 内閣府 PFI のページ
PFI事業に期待される効果
1.低廉かつ良質な公共サービスが提供されること
PFI事業では、民間事業者の経営上のノウハウや技術的能力を活用で きます。また、事業全体のリスク管理が効率的に行われることや、設計・
建設・維持管理・運営の全部又は一部を一体的に扱うことによる事業コ ストの削減が期待できます。これらにより、コストの削減、質の高い公共 サービスの提供が期待されます
2.公共サービスの提供における行政の関わり方の改革
従来、地方公共団体等が行ってきた事業を民間事業者が行うようになる ため、官民の適切な役割分担に基づく新たな官民パートナーシップが形 成されていくことが期待されます。
3.民間の事業機会を創出して、経済の活性化に資すること
従来、地方公共団体等が行ってきた事業を民間事業者にゆだねることか ら、民間に対して新たな事業機会をもたらします。
PFI への Q&A より
「何故、PFI事業では「安くて質の良い公共サービス」
が提供できるのですか?」
「PFI事業では、設計・建設・維持管理・運営といった
業務を一括で発注し、“性能を満たしていれば細か
な手法は問わない”性能発注方式が採用されてい
ます。また、効率的なリスクの管理、良好な競争環
境の構築などを期待することができます。これらに
より、民間のノウハウを幅広く活かすことができるこ
とから、安くて質の良い公共サービスの提供を実現
することができます。」
指定管理者制度
• 2003 年 9 月施行の地方自治法の一部改正
• 公の施設 ( スポーツ施設、都市公園、文化施設、社会福祉施 設など ) の管理方法を変更
• これまで外部委託先を、公共的団体 ( いわゆる外部団体 ) に限 定していた
• 民間事業者、 NPO 法人などにも可能にした
• 議会の議決を経て指定されれば、施設の使用許可や料金設 定の権限が与えられたり、利用料を収入にすることもできる。
この制度は、公共サービスの質を高めるとともに管理費用を低く抑えることも ねらっているが、その両立の難しさもあって、指定管理者が辞退したり、事業者 が破産するなどの問題事例も生じている。
2009
年4
月時点で全国7
万0022
施 設に導入され、うち約2
万の施設で民間企業を指定している。一方指定の取消 し、期間満了による指定の取りやめが、あわせて2100
件に上っている。[辻山 幸宣]知恵蔵における解説よりまちづくり活動の支援制度 まちづくりファンド
• 公益信託:公益的な目的で、一定財産を受託者(信 託銀行など)に委託し、受託者はこれを管理・運営し ながら公益活動を行う仕組み
– 個人等からの寄付を管理
– 奨学金の貸与、給付、芸術・文化活動への助成など
• まちづくりファンドは、同様の仕組みで、まちづくりの ための活動の支援金を運営する。
– 世田谷まちづくりファンド
– 住民や自治体からの拠出金を受けるファンドについて、
国の資金を支援する(住民参加型まちづくりファンド制度)
世田谷まちづくりファンド( 1992 年)
•
全国に先駆けて始まった、まちづくりの市民参画型ファンドです。•
運営委員会は、学識経験者や区民、行政の人々によって構成され、助成先の選考等、公益事業の遂行について、受託者に助言勧告し、これに基づいて受託者が遂行する。
•
助成による資金的支援によって、区民のまちづくり活動を応援することに第一の意義が ありますが、それに加えて、特徴的な以下の運営方法が、全国のモデルになっていま す。•
公開審査会方式による助成決定ガラス張りの助成決定により、選考プロセスの透明性と中立性が確保されています。
•
「学びあい育ちあう場」としての運営活動発表会(年
2
回)を通して、活動グループ相互の情報交換や学習、ネットワーク形 成の機会を設けています。•
区民サポーターによるファンド支援区民サポーターの参画により、発表会の企画や運営、ファンド支援チャリティコンサート の開催などが行われています。
•
個人・企業や行政からの寄付金による基金づくり助成のための基金は、行政からの出損金以外に、世田谷区内外の個人や企業の寄付 金によって成り立っています。
住民参加型まちづくりファンド支援制度
(1)利用の要件 :次の1)~3)の全ての要件を満たす。
1)地域住民、地元企業等によるまちづくり事業への助成等を行う公益信託 又は公益法人(財団法人又は社団法人)であること。
2)地方公共団体から資金拠出が行われていること。
3)募集等によって、当該まちづくりファンドに住民・企業等からの資金拠出が 既に行われまたは、今後行われることが見込まれるもの。
(2)まちづくり事業の例
・景観形成:街並景観に配慮した建物外観の改修、フラワーポットの設置等の緑化活動など
・まちの魅力アップ:シンボル施設の整備、モニュメントの設置、ライトアップ設備の整備など
・伝統文化の継承・歴史的施設の保全:伝統文化継承のための資料館等の整備や地 域の伝統的な町家、歴史的建築物(倉庫、蔵、住宅等)の保全・改修など
・観光振興:観光物産品の販売施設整備、観光振興のための案内板の設置など
・安心安全なまちづくり:防犯カメラ、防犯灯、カーブミラーの設置、スロープの整備など
・その他:ポケットパークの整備、広場への遊具の設置など
民間都市機構を通じ
2000
万円程度の資 金の援助が得られるコミュニティーガーデン
• 直訳すると「地域の庭」になるが、一般の公園とは違い、企 画・設置・運営主体が行政ではなく、地域の住民である。
• 初期の段階で多少行政の支援を受けることはあっても、場所 の選定から、その後の企画・運営まで、すべて住民が自主的 に責任をもって行う。
• 以下のような効果があるとされている
1.人々の心を癒し潤いを与えてくれる
2.出会いと会話の機会を生み出してくれる 3.近隣の景観・美観を向上させる
4.多くの人に学びの大切さを教えてくれる 5.地球環境や都市環境に貢献してくれる 6.暮らしの豊かさを提供してくれる
7.人々に地域愛を呼び起こしてくれる
8.最小経費で最大利益を生み出してくれる
9.防災拠点や生存の場としての役割をもっている
10
.緑のまちづくりへと発展する可能性を秘めている横浜市旭区
今宿コミュニティガーデン
道路や河川のアダプト制度
• 行政が、特定の公共財(道路、公園、河川など)に ついて、市民や民間業者と定期的に美化活動を行 うよう契約する制度のこと。
• 美化活動を行う主体は、地域住民などのボランティ アが多く、行政はそれらの活動に対し一定の支援を 行うという形式が多い。
• 「Adopt」とは、英語で「養子縁組をする」といった意 味合いがあり、公共財を地域で引き受けるといった 意味合いの制度。
• 日本では1998年から導入が始まった。
香川県高松市丸亀町商店街
丸亀町商店街では、1988年の400年祭をきっかけに500年 祭もできるようにしたい、ということからハード面におけるま ちづくりに着手し始めた。着手当時は、歩行者はピークの 2/3、売上は280億円から120億円へと減少し、バブル崩壊 の影響で地価も下がっていた。
なお、1970年に商店街で株式会社をつくり、共同駐車場事 業を成功させていた。
A街区では平成18年12月に再開発ビル(高松丸亀町壱番 街)がオープン、第一に高層化しない戦略を取り、1~3階が 商業フロア、4階がレストランやコミュニティ施設、5~9階を 住宅とし、職住一致の戦略を取っている。商業フロアには、
隣接する三越も入店する。
B~G街区を含めた丸亀町商店街全体のまちづくりの目標 と方針を共有するために、平成17年に、「タウンマネジメント プログラム」を策定した。この中では、デザインコードと事業 プログラムとMD戦略を3つの柱として掲げている。
香川県高松市丸亀町商店街
権利者調整について
「所有と運営の分離」のため、従前の土地に 係る権利を土地・建物の区分所有に権利変換 せず、土地に係る権利を従前のままに維持し て施設建設のための定期借地権を設定した。
この時定期借地権に係る権利金を設定せず 事業費を大幅に圧縮できた。
地権者は、従前建物の権利変換により共有 形態で店舗を取得することとし、地権者