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母子を守るための普及啓発

災害への備えは、自助の観点から、住民が自ら行うことが重要です。妊産婦や母親お よびその家族が、母子の視点を活かして自分の家庭に適した備えを行うための普及啓発 のポイントを示します。

一般的に実施されている防災対策の普及啓発は、主に①家の安全性、②家具固定など 室内の安全性、③物資等の備え、④災害時の緊急連絡体制の4つのポイントにまとめら れます。それぞれを、妊産婦や乳幼児の保護者に対して、訴求力をもって伝えるために は、母子の生活にひきよせて、以下の点に留意して普及啓発を行うと効果的です。

○ 家の耐震性は、地震から命を守る上で最も重要であることを伝える。

○ 家の耐震性等については、昭和 57 年の新耐震基準について注意を喚起する。

○ 母親、父親は 30 歳代が中心で、賃貸住宅に住んでいる割合が高いため、家主や管理 会社等に対して、家の安全性を確認するよう促す。

○ 第1子が小学校にあがるころに転居する傾向にあるため、住み替え時の耐震性への留 意を促進する。

1 家の安全性

○ 家具固定は、命を守るうえで、家の耐震性の確保同様、重要であることを伝える。

○ 照明の落下防止、ガラスの飛散防止など、安全性を高めるための方策を伝える。

○ 賃貸住宅に住む割合が高い世代であることをふまえて、壁に釘を打つなど賃貸物件に 痕を残すような方法以外でも、家具補強ができることを伝える。

○ 防災対策は、子供の死因の上位を占める不慮の事故の予防にもつながることを確認す る。

一方、一般的には、防災対策として、風呂に水をためることが有効であるが、子供が 溺れることを防ぐという事故予防の観点からは、乳幼児のいる家庭には不向きな方法 であることを伝える。

2 室内の安全性

効果的な普及啓発のための留意点 効果的な普及啓発のための留意点 効果的な普及啓発のための留意点 効果的な普及啓発のための留意点

○ ライフラインの断絶などに対応するため、最低限3日程度の備えが必要であることを伝 える。

○ 一次持ち出し品、二次持ち出し品、普段からの持ち歩き品とその内容を伝える。

○ 医療等の継続のため、母子健康手帳を常時記載、携帯することを伝える(P84 コラ ム 16 参照)。

○ 重いものを持てない、子供を連れては荷物を持てないという状況が想定されるため、自 分で持ち出し袋を作って持ってみることが重要であることを伝える。

○ 妊娠週数や子どもの月年齢に応じ、自分の家族に必要な備えを考えるよう働きかける。

○ アレルギーや疾患がある場合は、必ず必要な食料・薬などを準備する。

3 備え

母子に必要な 1 次持ち出し品の例 □ 母子健康手帳

☆保険証(コピー)、診察券、血液検査データ結果などを挟むなどして保管するとよい。

□ 診察券

(妊婦・母親用に) □ お薬手帳 □ 生理用品

(出産が近い人は) □ 分娩準備品

□ 飲料水(乳幼児用も含む)

□ 調整粉乳 □ プラスチック製哺乳瓶 □ 哺乳瓶消毒剤 □ 紙コップ

☆母乳育児、また普段は育児用ミルクを使用している場合でも、普段使用していない乳首や 育児用ミルクを嫌がる場合があるため、平常時に試して用意しておくことも必要。

☆アレルギー用ミルクや特殊ミルクを飲んでいる場合は必ず準備しておく。

□ タオルやガーゼのハンカチ □ 子供用歯ブラシ

□ 紙オムツ(成長に合わせたもの) □ おしりふき

□ おぶいひも □ 子供用の薬 □ お気に入りのおもちゃ □ 名札 など

(離乳食を開始している場合は) □ 離乳食 □ 離乳食用スプーン □ 子供のおやつ

(歩ける場合は) □ 靴

○ 避難場所、避難所や避難経路など、基本的な情報を知る。

○ 災害時伝言ダイヤル 171 の使い方を知る。

○ 母子のかかりつけ医療機関、子供の保育所・幼稚園などの非常時の連絡方法を知ってお くことが大切である。

○ 普段から、疎開などに備えて、相談できる人や頼れる人をつくっておく。

4 情報

「都民アンケート」で、「アンケートに答えることで、自分が(防災について)考えて いないことがわかった」という回答がありましたが、防災対策を、自分の通常の生活に 置き換えて考えることは難しいとうかがわれます。一方、アンケート項目を考えること で、具体的に防災対策のイメージをつかむことができたともいえます。

母子が、災害時には、どのようなことが起こりうるのかを、実際に家族と話したり、

書いてみたりとイメージすることにより、自分の家庭に必要な具体的な防災対策をとる ことができます。イメージを喚起するための誘導策は、非常に重要です。

【コラム16】 母子健康手帳でわかる情報とは?

母子健康手帳には、妊娠経過や、子供の成長経過や予防接種の記録が記入されており、かかり つけでない医療機関の受診や、感染症対策など、被災時の保健医療ケアの継続の上で非常に有 用であるため、日頃の携帯の重要性を伝えます。

図6 妊婦や乳幼児の母親の母子健康手帳の携帯状況

○ 心身の状態に個々人の差が大きい時期であるため、自分や子供の通常時の状態を把握す ること、家族にも知っていてもらうことが重要だと伝える。

○ 母子が災害時に支援を要することを知り、自分にはどのような支援が必要か考える。

○ 被災時にはどのようなことが、自分や子供、家族の身に起こりうるかを、時間帯や季節 などの状況に応じて考える。

○ 可能であれば、ファシリテーター(考えをひきだし、まとめる役)が、母子の考えを促 していくことがのぞましい。

イメージ喚起のための誘導策

自分にとっての災害をイメージする 自分にとっての災害をイメージする 自分にとっての災害をイメージする 自分にとっての災害をイメージする

出典「都民アンケート」

52.7 60.5

0 20 40 60 80 100

母親 妊婦

(%)

持っている

第7部 地域全体で母子に配慮した

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