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歯の健康教室 3

ドキュメント内 ホームレス者の歯科保健実践研究 (ページ 39-51)

      岩井梢、西本・美恵子

考えの整理と実施準備

 第3回について話し合った結果、再度自分の 生活を見直してもらい、歯周病の予防方法をお 伝えすることになりました。生活のふりかえり は守山が担当し、2 次元マッピングを使用、歯 周病予防の話は西本が担当することになりまし た。歯周病の話は、口頭で説明するよりも視覚 的に説明をする方が参加者に伝わりやすいと考 えました。ウェルビーイングで開発した歯周病 予防の教育媒体より、スライドをピックアップ し使用することにしました。

 目的は「2 次元マッピングを使って、生活を ふりかえり、見直すきっかけとする」「・ 歯周病 に関する知識を習得し、歯ブラシによる歯磨き 技術を身につける」「・ 歯周病に関する知識を習 得する。歯周病に対しての気づきを起こす」の 3 点です。教室は「2次元マッピングによる相 互学習」「・ 歯周病の予防法の講義」の順番で行 いました。

 主な準備物は、2次元マッピングシート・カー ド、・パソコン、プロジェクター、歯ブラシ(配 布分)、歯間ブラシ(デモ用、必要な人分)、パ

ンフレット、お菓子、お茶、ふりかえりシート でした。

実施状況

 第 3 回教室は、4 月 26 日に実施しました。参 加者は 11 名、スタッフは 12 名、内訳はウェルビー イング:岩井・久保田・西本・松岡・守山、会員外:

芦刈・小川・砥上(九大)、高岡・田村・山下(福 大)、すまいの会・スタッフ。

 18:30-19:00 パワーポイントを映すためにセ ンターのプロジェクターとスクリーンをお借り しました。センターでは、プロジェクターとス クリーンはあまり使われていない様子でした。

今回は、プロジェクターがみんなから見えるよ うに、教室は入り口から入って左手を正面とし、

横に3つのグループを配置しました。今回も参 加者には、入室順に自分の好きな席に座っても らいました。

 19:00-19:25 2 次元マッピングの作成(進行:

守山) 2 次元マッピングのマップの内容は守山 が当日まで熟考し作成しました。マップ作成は 守山のコーディネートで進行し、スタッフもテー ブルに着いて一緒に作業しました作業は以下の 手順で行いました。: ①シートを配布、②ライ フスタイルの書かれたカードを配布、③自分に とっていらないカードを除外する、④横軸にそっ

て、「大好きなもの」を右に、「あまり好きじゃ ないもの」を左へ順番に並べる、⑤縦軸に沿って、

「とても大切なもの」を上へ、「大切でないもの」

は下へ動かす、⑥同グループの人たちと相互に 見せ合って話をする。マップ作成にとまどって いる人には声をかけながら、作業を進めました。

 19:25-19:40 歯周病の予防法(進行役:西本)

 1)歯周病は自分の問題であり、こうすれば 防げるという確信を持ってもらうために、以下 のスライドを使い講話を行いました:スライド 1 _歯周病予防で Make・A・Smile、スライド 2 _ 人間の歯は何本?あなたは何本?、スライド3

_ 8020 できる?、スライド 4 _現在歯数と食べ られるもの、スライド 5 _歯の抜歯原因、スラ イド 6 _こんな症状ありますか、スライド 7 _ センターのアンケート結果、スライド 8 _歯と 歯周組織、スライド 9 _歯周病の原因は?軽度 の歯周病、スライド 10・11・12 _中度~重度の 歯周病、スライド 13 _歯周病が進行すると・・、

  スライド 14 _歯周病の波及、スライド 15

_セルフケア、スライド 16 _歯間清掃、スライ ド 17 _セルフケアとプロケア、スライド 18 _ 今ある歯を失わないために今日からできること は?、スライド 19 _健康な歯グキで元気にすご そう。

 次いで、事前に得ていた個人のプロフィール

から、歯周病の自覚症状がある人に話しをふり、

OPEN な質問①人間の歯は何本?②あなたは何 本?③自分の歯や歯ぐきについて考えたことあ りますか?④どんなときに?それに対して何か しましたか?⑤将来(60 歳、70 歳の時)自分の 歯は何本くらい残っていると思いますか ? ⑥こ れからどうしたいですか?で話を展開させまし た。

 その後、実技指導(5 分)として、歯周病予 防のための歯磨きのコツ、歯間ブラシを配布し 歯間清掃法について話をしました。歯科の講話 後には、各自に「今ある自分の歯を失わないた めに今日からできる目標」を立ててもらいまし た。

 <横で見ていると、参加者がスライドを一生 懸命見ている様子が伝わってきました。教室も 会を重ねるごとに参加者とスタッフが顔見知り になり雰囲気も和らぎ、参加者も歯科への興味 を持ったところでの講話だったため、効果的だっ たように感じました。きっと 1 回目でこの話を しても見てくれなかったのではないかと思いま した。>

 歯科講話の後、参加者のうち 10 名が自分の目 標を提出してくれました。目標は、3 つ立てた 人が 8 名、2 つ立てた人が 2 名でした。参加者 が立てた主な目標は、「歯磨きの回数・タイミン

グに関する目標 11 名」「歯科定期健診に関する 目標 7 名」「歯の磨き方に関する目標 4 名」「甘 いもの・嗜好品に関する目標 4 名」「食事に関す る目標 2 名」でした。目標を達成する自信を 10 点満点で聞いたところ、自信のない目標(得点 が 5 未満)は、「歯科定期健診」が 4 名と最も多く、

「甘いもの・嗜好品」「歯磨きの回数・タイミング」

が各 1 名でした。

第3回教室の参加者の反応

 今回も参加者の反応はふりかえりシートで確 認しました。

 【うれしかったこと】 「ない」と記載が 4 名で、

「お菓子があったこと」が 3 名でした。「歯がき れいといわれた」という人と、「歯周病について 勉強になりました。虫歯を作らないために毎日 のケアが大切だと知りました」と知識提供がう れしかったという人がいました。また、「Well-being との出会い」という人もいました。

今回もお菓子は人気でセンターで事業を実施す る際は、お菓子は大事だと感じました。

 【気がついたこと】 「特になし」と記載した人 が 1 名、「のりが乾いてつきがわるかった」とい う作業で使ったのりについての気づきが 1 名、

「無意識に食べている(目の前にお菓子がある と)」と自分の行動への気づきがあった人が 1 名

いました。そのほかの人の場合は、以下のように、

後半の講義の内容についての気づきが書かれて いました:

1)歯周病について気づき:「歯周病の恐ろしさ に気づきました」「歯周病からくる色んな病気が あると知りました」「歯周病がいかにたいへんな 病気かべんきょうになった」、

2)・むし歯の知識:「虫歯は体のいろいろな病気 の原因になること」、

3)・自分の歯みがきの気づき:「歯がよくよくみ がけてなかった」、

4)歯の大切さの実感:「歯の大切さを痛感いた しました(歯は長い友達)」「自分の歯はできる だけ残したいと思いました」。

 【その他】 「ない」と回答した人が 3 名いまし た。またマップ作成のときに自由にライフスタ イルを書ける紙を渡していましたが、「生活マッ プの白い小さな紙はいらなかった」という意見 がありました。さらに「歯だけではなく歯ぐき の大切さも感じました」と教室を通して学んだ ことや、「歯科院に通い始めなので正直不安です が先生方を信頼して通院したいと思ってます」

という歯科治療への意欲が書かれていました。

後半に歯科の話をしたためか、歯科に関する記 述が多いようでした。

第 3 回教室の終了後

 終了後の反省会では、スタッフの感想を聞く 時間をとりました。

・・ 久保田「2 次元マッピングの時は、手を使い、

考えてやることが多くて、楽しそうにされてい た。自分で手を使ってやる(作業の)方がみな さん楽しそうだった」

・・ 山下「2 次元マッピングの時は、これまで考 えたこともないことだったので、自分のことで 真剣になってしまった。目の前の人と交換して、

自分の環境が恵まれていることに気づいた。ご はんを食べる、家、服(のカード)が向かいの 方や右上の方『とても大好き・とても大切』の 位置に貼ってあったが、自分はあって当然と感 じていることに気づいた」

・・高岡「マップをみると、全体的に上の方の『と ても大切』という部分に貼られていた。いろい ろな項目を大切なものと捉えている人が多かっ た。最後に目標を参加者と一緒に悩んだが、思 いつかなかった。最終的には目標として『丁寧 に磨く』と書いたが、目標を立てるのは難しい なと思った」

・・ 守山「マップは一見遊んでいるように見える が、問題提起のレベルは深く考えられるレベル になっている。すぐに話がはずむということは なかなかない。そのため、アイスブレイク的に

やるのはちょっと難しい。しかし『歯を磨く』

ということを生活全体の中で、考えられるので 良い。今回、教室で2次元マッピングをやるこ とが決まっていろいろ考えたが、直前まで2次 元マッピングで用いるカードのイメージが湧か なかった。また、今回はマップ作成の時間が短 かったのも課題。マップを作って時間が経つと いろいろ見えてくるものがある」

・・ 田村「最初のマップを作る作業で、自分に関 係ないカードを外す際に、家族を外された方が いた。なかなかその点に関して、深く踏み込む ことが難しかった」

・守山「今回は、時間がないので、関係ないカー ドは外した。以前、田川の高校で2次元マッピ ングを行ったときに、家族というテーマでやっ たら、ある男の子は死んだおじいちゃんのカー ドがでてきて、家族へのその子の深い気持ちや 関係性を知ることができたことがある。本来、

多様な人生経験をお持ちの方を対象とするとき は、時間をかけてやった方が良い。例えば今日 は、もっと時間をかけて、ゆっくりやっていく と、違うマップが現れたかもしれない。しかし、

今日はそこまで時間をかけることができず、マッ プ作製において、あまり関係なさそうに考えら れるラベルは、外してから行った」

・・ 原田「ここに来られる方は自分の殻を作る。

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