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正極活物質・電解質材料ならびに正極内部の電解質と固体電解質材料間の接合性

Fig. 3.1(a)~(e)にLiCoO2とLi7La3Zr3O12を混合したサンプルのSEM像を示す.正極活物質 であるLiCoO2と電解質であるLi7La3Zr3O12が反応すると,エネルギー密度が減少することに加 え,抵抗層が形成されてしまうことから,可能な限り高温環境下でも反応しないことが望ましい.

この図から500 ℃ならび、に600 ℃ではLiCoO2・Li7La3Zr3O12間で反応が起きておらず各粒 子が独立していることがわかる.一方で700℃以上になるとLiCoO2とLi7La3Zr3O12が反応して しまっていることがわかる.この傾向はサンプルの色からも判別が可能であり,LiCoO2 と Li7La3Zr3O12を混合したサンプルは700 ℃以上で茶色がかった色に変化し,焼結温度が800℃,

900℃と上がるにつれて緑色へと変化していった.Fig. 3.2 に各温度域でのXRD 測定結果を示

す.XRD測定の結果でも,700 ℃から急激にLiCoO2とLi7La3Zr3O12の反応物であるLa2Li0.5 Co0.5O4が形成されていることがわかる.600 ℃以下に温度領域でもわずかに La2Li0.5 Co0.5O4 のピークが形成されているが,これは12時間と長時間焼成したことで生じたものだと思われる.

これらの結果から,LiCoO2とLi7La3Zr3O12の2つの材料が接触した状態で,700 ℃以上の環境 で,長時間焼結することは可能な限り避けるべきである.

LiCoO2とLi3BO3を混合したサンプルのSEM像をFig. 3.3に,LiCoO2とLi3PO4を混合した サンプルのSEM像をFig. 3.4に示す. Li3BO3,Li3PO4どちらの材料でも,500 ℃の環境下で も正極内電解質の溶融が進んでおらず、600 ℃以上になると正極内電解質の溶融化が進んでい る.この傾向はサンプル形状からみ見て取れ,LiCoO2とLi3BO3並びにLi3PO4を混合したサン プルは 500 ℃では Li3BO3,Li3PO4粒子の白色が見て取れたが,600 ℃以降になると全面が黒

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くなり,白色の部分が確認できなくなった.Li3BO3やLi3PO4は溶融することでアモルファス質 になりやすいガラスに近い性質を持っていることから焼成を行ったことで Li3BO3, Li3PO4が溶 融して透明に近くなったことで色が確認できなくなったものと思われる.一方で Li3BO3では 900 ℃まで温度を上げると溶融化して全面を覆うのではなく単一粒子が複数つながったような 形状に変化した.一見LiCoO2とLi3BO3が反応したように見えるが,Fig. 3.4のXRD測定の結 果を見ると,どの温度においても LiCoO2以外の結晶のピークはほとんど検出されず,別の結晶 を形成するような反応は起きていなかった.このことから,900 ℃という高温で焼成したこと でより溶融化が進んだ Li3BO3が空孔内を経由して流れ出た可能性が存在する.また,LiCoO2

と Li3BO3の焼成時には 500 ℃のときにそれ以外の温度にくらべピークが約 1 度広角にシフト している.同様にLiCoO2とLi3PO4の焼成時にも,500 ℃および900 ℃でピーク位置が1度ほ ど広角にシフトすることが観察された.低角側のピークのほうが既存の報告されているLiCoO2

のピークに近いことから,低温での焼成で元素の拡散などが生じている可能性も存在する

これらの事実からLiCoO2とLi3BO3・Li3PO4の接合には最低でも600 ℃以上が必要である.

また温度を900 ℃以上に上げすぎることで逆にLi伝導パスを潰してしまう可能性が存在する.

Li7La3Zr3O12とLi3BO3を混合したサンプルのSEM像をFig. 3.7に,Li7La3Zr3O12とLi3PO4

を混合したサンプルのSEM像をFig. 3.9に示す.Li3BO3・Li3PO4ともに500 ℃,600 ℃では 粒子・粒子間の接合がほとんど行われておらず,700 ℃以上でLi3BO3・Li3PO4の溶融化に伴う Li伝導パスの形成が起きた.

こちらではLi3PO4の900 ℃での焼成において先ほどのLi3BO3のように,溶融化して全面を 覆うのではなく単一粒子が複数つながったような形状に変化した.このことから,Li7La3Zr3O12 とLi3BO3・Li3PO4を接合する場合においても900 ℃という高温で焼成することはLi伝導パス を減少させる可能性が存在する.Fig. 3.8,Fig. 3.10に示したLi7La3Zr3O12とLi3BO3を混合し たサンプルおよびLi7La3Zr3O12とLi3PO4を混合したサンプルのXRD測定の結果でも基本的に ほとんどのピークが Li7La3Zr3O12のピークであり不純物は確認されないものの,700 ℃以降か らはLi7La3Zr3O12をLi3BO3が覆うためか配向性に変化が出ている.

これらの結果をまとめると,正極活物質であるLiCoO2と正極内電解質であるLi3BO3・Li3PO4

は600 ℃で焼成することでLi伝導パスが形成可能であるものの,それらの正極部を電解質であ る Li7La3Zr3O12に接合するためには 700 ℃あるいは 800 ℃の温度条件で焼成することが必要 である.しかしながら,700 ℃以上の温度で焼成を行いLi3BO3・Li3PO4による Li伝導パスの 形成を行うと,LiCoO2とLi7La3Zr3O12が反応してしまうという問題が起きる.そのため,全固

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体リチウムイオン電池の正極部を作製する際には比較的短時間の焼成が望ましいと思われる.

(a) (b)

(c) (d)

(e)

Fig. 3.1 SEM image of LiCoO2/ Li7La3Zr3O12 composited surface after sintering at (a) 500℃,

(b) 600℃,(c) 700℃,(d) 800℃,(e) 900℃

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10 20 30 40 50 60 70 80

■ □

2 

In te ns it y

■ ■

LiCoO2Li7La3Zr2O12

La2Li0.5Co0.5O4

1173K 1073K 973K 873K 773K

Fig. 3.2 XRD patterns of LiCoO2/ Li7La3Zr3O12 composited

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(a) (b)

(c) (d)

(e)

Fig. 3.3 SEM image of LiCoO2/ Li3BO3 composited surface after sintering at (a) 500℃,(b) 600℃,(c) 700℃,(d) 800℃,(e) 900℃

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10 20 30 40 50 60 70 80

● □ □□ □□□□ □

□ ●●●●●●● ●●●●●●● ● ●●●● ● ●●●●● ● ● ●●●● ●

●●●● ●●●●

● ●●●●

●●●● ● LiCoO2

□ Li3BO3

2 

1173K 1073K

In te ns it y

973K

873K

773K

Fig. 3.4 XRD patterns of LiCoO2/ Li3BO3 composited

30

(a) (b)

(c) (d)

(e)

Fig. 3.5 SEM image of LiCoO2/ Li3PO4 composited surface after sintering at (a) 500℃,(b) 600℃,(c) 700℃,(d) 800℃,(e) 900℃

31

10 20 30 40 50 60 70 80

□□ □□ □□□ □□ □□ □ □ □

□ □□□ □□

● ●● ● ●●●●●

●●●● ● LiCoO2Li3PO4

2 

1173K

□□□

1073K

□ □□ □□ ●

● ●●●●● ●● ● ●●●●● ●●●● ● ●● ●● ●●

In te ns it y 973K

873K 773K

Fig. 3.6 XRD patterns of LiCoO2/ Li3PO4 composited

32

(a) (b)

(c) (d)

(e)

Fig. 3.7 SEM image of Li7La3Zr3O12 / Li3BO3 composited surface after sintering at (a) 500℃,

(b) 600℃,(c) 700℃,(d) 800℃,(e) 900℃

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10 20 30 40 50 60 70 80

■□ ■

■■■■■

■■

■■■■

■■

1173K

2 

■■ ■■■■□

■■ ■

■■■■

□■■■■■□■■

■■

1073K

■ ■■■ □□■

■■■■■■■

■■

■■■■■

■■

In te ns it y

■ ■

973K

■ ■

■■■

■■

■■ ■■■■

■ ■

873K

■■

■■■

■■■

■ ■■ ■ Li7La3Zr2O12Li3BO3

773K

Fig. 3.8 XRD patterns of Li7La3Zr3O12 / Li3BO3 composited

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(a) (b)

(c) (d)

(e)

Fig. 3.9 SEM image of Li7La3Zr3O12 / Li3PO4 composited surface after sintering at (a) 500℃,

(b) 600℃,(c) 700℃,(d) 800℃,(e) 900℃

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10 20 30 40 50 60 70 80

■■■■■

■ □

■■■

■■

■■■■

□■ ■

1173K

2 

□□ ■■

■■■□ ■

■■■■

■■■■■■■■■

■■

1073K

■ ■■

■■■

■■

■□■■

■■

■■■■■□□■■

973K

In te ns it y

■■■■■

■■■■□□

873K

■■■

■■

□ □ ■ ■

■ □ ■ Li7La3Zr2O12Li3PO4

773K

Fig. 3.10 XRD patterns of Li7La3Zr3O12 / Li3PO4 composited

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